楽しい南の島

ああ、やはりこうなるのね

『ああ、やはりこうなるのね』

水平飛行になればこっちのもの、とばかりに
突如安定した航空機。

平和なままどんどん飛行距離を伸ばしていく。

「間もなく赤道の上を通過いたします。」
とのアナウンスが。

赤い線が見える訳でも無いのに、
みんな窓に張り付く。
見えるのはただ一面の海。どこが赤道なのかなぁ。

「ただいま赤道上空を通過いたしました。」
御丁寧に再度アナウンスが。
「記念のステッカーをこれよりお配りしたします。」
えっ? そんなものを頂けるんですか?
驚く豚吉と私。

インドネシアを中心に据えた地図の上に
「赤道通過記念・ガルーダインドネシア航空」
と書かれたものだった。

滅多に手に入らないよ、バッグの中に大切にしまう。

私達が乗ったのは、ジャカルタ経由デンパサ―ル(当時)往きだったので
1回ジャカルタで飛行機を降りて
空港内の待合所で出発時間を待つことになる。

ジャカルタ空港の建物は木造建築かと思うような
赤く塗られた柱に黒い屋根。
異国情緒たっぷりの姿だった。

広いガラス窓から見える南国の植物を眺めながら
「外はどれくらい暑いんだろうね。」
などと呑気にお喋りをしていた私達。
ところが、1時間のトランジットだった筈なのにやけに待たされる。

「どうしたんだろうね?」
「何かあったのかな?」
そろそろ不安になってきた頃
ようやく係員がやってきて説明してくれた。

「機材に不備がみつかったので、機材を交換いたします。もう暫くお待ち下さい。」
なんだって~?
やっぱり、あの飛行機どこか壊れてたのね!!

3時間近く待ってから乗り込んだ機内は
ピカピカの新品に見えた。

ジャカルタからはOGがたくさん乗りこんできた。
彼らの周囲は日本人とは違うニオイがしていた。

さあ、やっとこれでバリに行けるよ!
あと1時間のフライトだ。

闇夜にうごめく路上の人影


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