楽しい南の島

ご存知の日本語は・・・

『ご存知の日本語はそれだけなのね。』

「ダイアルが吹っ飛んだよ。」
とフロントにいいに行くのも面倒だったので
自分達でなんとか直した。

ちょっと怖いけど、もう1回使ってみよう。

ジャージャー。
今度は大丈夫だった。

大騒ぎのシャワーを終えて、やっとロビーにたどりついた。

ダイアル吹っ飛び事件のことをギャ―ギャー言いながら、
4人は、クタ目指して出発!

車の通りもまばらな、埃っぽいレギャン通りを歩いて行く。
しかし、ナンなの、この蒸し暑さは?
東京の夏を煮詰めたみたいに、ジットリとしている。

あちらこちらの道の上には、葉っぱに乗せられたお供えが。
緑色のバナナの葉に、花とお饅頭などが置かれている。
彩りは綺麗。でも、この蒸し暑さでなんだか臭う。

踏まないように歩くのが大変なくらい、沢山のお供え物。
バリの人達は、信心深いのね。

道の向こうから、女の人がやって来た。
ジッとこっちを見ている。やがて近づいてきた。
物乞いだ。とてもビックリした。

決してお金を渡してはいけない。とガイドさんから言われていたので、
ごめんね。と心で言いながら、通りすぎた。

段々と道の両側にお店が増えてくる。
面白いのは、皮革製品を売るお店が多いこと。
お店の前では、この暑さをものともせずに、
真っ黒な皮ジャンを身にまとったお兄さん達がたむろしていた。

見ているだけで、頭がクラクラ。
脱いでくれ~~~!!

パンタイクタ通りとの交差点に近づくと
歩道の端に座っている人が増えてくる。
彼らは、大声で言う。
「アジノモト、アジノモト!」

「………。ホントだ。ホントにあじのもとって言ってるね。」
私達は小声で言い交わしながら、足早に通りすぎた。

「アジノモト、アジノモト。」
通りすぎても、通りすぎても、
みんながそう言うの。

「アジノモト、アジノモト。」
嬉しそうにそう言うの。
最初は無視していたのに、何時の間にかにこやかに手を振る私達だった。


無謀な豚吉・食事編



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