楽しい南の島

海草だらけだと思ったら…

『海藻だらけだと思ったら…』

今日は、観光の日。
恋する豚吉とあきちゃんは、憚られる名前の「キンタマーニ高原」に行くらしい。
私は、トゥンガナン村に行って、イカットを織っている所が見たかったの。
だから、ガイドさんに聞いてみた。
地球の歩き方を見せて、ここに行きたいって。

驚いた顔をしたガイドさんは言った!
「こんな危ない所は行く事が出来ません!」
驚いた顔でぺこらは聞いた。
「行かれないんですか?」
「何が起きるかわからないです。オソロシイ所です。」
ええ~! そんなぁ。
楽しみにしてたのに! 行きたいのに~!!

一体バリってどういう島なの?
オソロシイって何が起こるの?

頑なにガイドさんは、行かれないと繰り返すだけだったの。

しかたが無いから、体験ダイビングをする人達と一緒にヌサドゥアまで行ってみる事にした。

ガタゴトガタゴト…。道はがたがた…。と思う間もなく、
急に車はスピードを上げて、静かに走り出した。

え?一昨日の悪路は何だったの?
謎!

窓の外は水田。牛が働いてるよ!
見渡す限り、緑の稲が風に揺れている。

まどちゃんと私は、ヌサドゥアのビーチでのんびりしていた。
シュノーケルが出来るって言うから、3点セットも借りたのに、
波打ち際から、数10メートルは海藻だらけで泳げないし、
他に何もすること無いし。ゴロゴロ。
セイウチかトドみたい…。

派手にペイントされたカタマランが、砂浜に数台置いてある。
舳先に、顔がついている。
「乗ってみたいね。」
「どうすれば乗れるんだろう?」
「聞きに行けばいいんだよ!」
怖いもの知らずの私は、ビーチに座っていた地元のおじさんに聞きに行った。

「あれに乗ってみたいんだけど…。」
「どれ?」
「あれ! どうすればいいんでしょうか?」
「わかった。乗れます。」
「?」

そのおじさんの持ち物だったらしい。
2人を乗せて、沖へ出てくれた。
小さく見えるカタマラン。でも安定していて、ちっとも揺れたりしない。

スーーー、スーーーーっと進んで行く。

「ココ。ココ。」
「何?」
シュノーケルをしてみろ。ということらしい。

深くてちょっとコワイ。ためらっていたら、
「大丈夫!大丈夫!」
そう言うと、おじさんはしっかりと支えてくれた。

海の中、
スッゴ~~~イ! 魚だらけ。珊瑚だらけ。
おまけにおじさんは潜って、大きな大きなヒトデまで取ってきて見せてくれた。
差し渡し30センチくらいある。
「きゃーきゃー。すごいね!」
にこにこ。おじさんも嬉しそう。

30分もシュノーケルをしていたのかな?
とっても楽しかった。

浜辺に帰って、ちょっと話をしていたら、ダイビング組も帰って来た。
「カタマランに乗ったんだよ~!」
「海の中、キレイだったよ~!」
口々に叫ぶ私達。大興奮!!

おじさんにサヨナラを言うと、きれいな珊瑚を渡してくれた。
「え?」
「プレゼントね。」
「どうもありがとう!」

ちょっと疲れたけど、おもしろかった。


ここは熱帯。当たり前じゃん!


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