楽しい南の島

砂とお好み焼き。

砂とお好み焼き。
8月20日・その3

部屋の前まで来て、気が付いた。
「ありゃ~! 鍵貰ってこなかった~!!」
「あーあ。取りに行かなくちゃならないよー。」
レセプションまでの道、こういう時は遠いんだよね…。
「さよなら、夫~。気をつけてね~。」
「早く帰ってきてね~。」
涙の別れ、なーんてね。

ようやく部屋に入って、鏡を見たら、
ギョエーーーー! マル焦げーーーー!
夫も、チビ太も、3人とも。すっごい黒ーーーい。
そりゃそうだ。
1日中、ギンギラギンの陽射し浴び放題だったんだもん。
ここの太陽には、日焼け止めなど全く効果なし。

「それよりさー、明日もシュノーケルしたいよね。」
「うんうん。」
サウスビーチに行こう!
お魚いるかなぁ。楽しみ!

今日の無人島で、シュノーケル開眼である。
今までは、そんなに面白いって思わなかったのに。

着替えて、ビックリ!
水着の中が、めちゃくちゃ砂だらけ!
「ザラザラだねー。」
「そうだねー。」
「これがみんな砂金だったら大金持ち!」
洗面所じゃ洗えないよ。

そこで、足洗いの盥まで持っていって、
水着を洗って、Tシャツ洗って、サンダル洗って

「♪せんたくやの、ばあーちゃん…」
「♪せんたくやの、ばあーちゃん…」

ばあちゃんー?ちょっと気に食わんが、まあいいか。
チビ太とハモりながら、洗濯タイム。
ギュウギュウ絞って、テラスの椅子に干す。
乾くかな? 怪しいものである。が他に手は無い。

しっかし、どこでこんなに砂が入ったんだろう?
謎~? 無人島~?
呪われた無人島の怪。涌き出る砂粒。

そうこうしてると、ほらやって来たぞ!
お腹の中から、ハラペコ怪人。
「お腹、ペコペコだよぉ!」
さあさあ、ご飯ご飯。なに食べようか?
それにしても、食べてばかりいる気が…。

なになに?今夜のビュッフェは「アジアンナイト」
フィジーにいながらにして、アジアの味。
これはいいですねぇ。決まりですねぇ。
ママヌザレストランへ出発!!

ビュッフェだから、外のテーブル。
海に近いところが空いていた。よかったぁ。
大きなヤシの木の下、涼しい涼しい風が吹いてくる。

夫は今夜もビールの虜。
「待たせたね。ビール。今日は昼間会えなくて寂しかったよ。」
いいわ、妻だってカクテルと共に過ごす夜、しちゃうからね。
毎晩とっかえひっかえ思いのままだわ。

笑顔の爽やかなウエイターさんが、
迷っている私に、メニューを指差し、
「イッツ ア レディース カクテル.」
それにしましょう。
レディーは妖艶に微笑んだ。
ナカナカうまい。お薦めの品だけのことはある。

お皿の上に山を成しているのは、
ナスの肉詰め
金目鯛(?)の煮つけ
ピーマン、モヤシ、肉の炒め物
鶏手羽の甘辛煮
ナシゴーレン
ミーゴーレン
豚角煮
例のきゅうり
トマト
コールスロー

子供用コーナーがあって
ウインナ、唐揚げ、ポテトが。
チビ太大喜び!!!!
子連れに思いやりのあるホテルよね。

その他に、その場で焼いてくれる「お好み焼き」コーナーが!
やったーーー!! 嬉しいねぇ。
フィジアンの焼いてくれたお好み焼きは、おいしかった。
ソースはちゃんとオタフクソースだったよ。

チビ太は2枚も食べていた。
その身体の、どこに入るのかな。
母は知りたいですわ。

別腹要員も盛り沢山待機している。
見るからに甘そうな、薄緑色したピスタチオのケーキ
バナナが呼んでいる、チョコバナナタルト
タップリクリームの乗っている、チョコレートケーキ

フルーツだって色々。
パイナップル、スイカ、ぶどう、りんご。

フィジーのパイナップルって芯まで食べちゃうんだよ。
甘くて、みずみずしくて、とっても美味しい。

本腹も別腹も満杯。お手上げ状態。
夫も、ビールとこころゆくまで一緒に過ごせて満足そう。
今夜は引き上げよう!
「野郎ども!帰るぞ!」

空には星が見えない。
なんだか雨が降りそうな感じ。

ブティック(!!)でマナ島の絵葉書数枚と
スル(フィジー語でパレオのこと)を買って帰った。

今夜もカエル君たちは元気満点。
あちらこちらで飛び跳ねていた。
だから、踏んじゃうよ。って。

次ページ 雨の赤道直下。


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