楽しい南の島

なんて静かな海。

なんて静かな海。
8月21日・その2

時間になっても船は現れない。
時間通りに進まないのは当たり前。
もう少し待ってれば来るでしょう、きっと。

何時の間にか、南の島時間に慣れている。
もともとのんびりしてるからかな?

船が来るのを待つ間、桟橋からパンを海にまく。
ジャボジャボッジャボジャボ…。
大量の熱帯魚がパンに群がる。
まるで池の鯉状態。重なり合ってパンを取り合っている。

「わー。すごい!」
興奮気味のチビ太は、スタッフからパンを分けてもらうと
バンバン撒き始めた。

みんながやっている所から少し離れて撒くと
こりゃまたエライこっちゃ、塊になってやって来る。

「この海、こんなに魚がいたんだー。」
驚くほどの数である。

パン撒きにも飽きた頃、ようやく船が到着した。

イサレイの歌に送られ、乗船する。
やさしいメロディが心に沁みる。
サヨナラ、またきっと来るからね。
新しくて綺麗な船。白い船体が海の青に映えて美しい。

「デッキで海を眺めながら行こう!」
「船はやっぱりデッキが1番!」
と喜び勇んでデッキに登った。
ベンチにも座れたし良かった良かった。

ところが陽射しが強烈!! それなのに風が冷たーーーい。
暑いんだか寒いんだか体は混乱状態。
見える景色は最高!なのに。
次々と小さな島々がサンゴ礁に囲まれた姿で海の上に現われる。
島にはヤシの木が風に吹かれている。

往きの飛行機で一緒だった人達も乗り合わせている。
皆申し合わせたかのように、バリで言うところの「ミチュアミ」をしている。
ええー、マナ島でそんな事してくれるなんて気が付かなかったよ。
カラフルビーズが光を受けてキラキラしている。
いいなー。フィジアンでやってたら絶対にしてもらおうっと!

穏やかな海の上を船は進んでいく。
2時間かけて島々に立ち寄りながら本島へ向かう。

立ち寄る島のひとつひとつが独立したリゾートになっている。
「チビ太がもう少し大きくなったら、こんなところにも泊まってみたいな。」
「僕も来てみたいな。」
「静かで居心地よさそうだな。」
夢は広がるキリギリス一家だった。

本島ポート・オブ・デナラウに無事到着。
ブルー・ラグーン・クルーズの客船が停泊中だった。
あんな船で4泊5日海の旅もいいかもねー。酔わなければねー。

サウスパの人が出迎えに来てくれていた。
荷物を預けて、しばし休憩。
売店があったので探検に行く。

お菓子、フィルム、煙草、雑誌、絵葉書などを売っていた。
東京駅の駅コンビニみたい。
アイスクリームが美味しそう。
もうお昼ご飯の時間だしなぁ、

「ねえねえ、食べない?」
チビ太を誘ってみる。
「きっとトッテモオイシイヨ。」
さすがに我が息子、その言葉に弱い。

色々な種類があって目移りする。
チョココーティングしたバニラアイスの上に
スライスアーモンドが散らしてあるコーンアイスに決定!
すこぶる美味。(らしい。)
物も言わずに一気に食べるチビ太だった。

サウスパの人が呼びに来てくれた。
いよいよフィジアンに向かって出発だ。
バスで40分の旅(?)、始まり始まり。

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