『 母さん、マジでありがとう 』 2
名前: 61 投稿日: 04/07/27 20:34
最初って涙なんか出なかった。
親戚や友達に連絡して、
それはもう事務的にお通夜とかの準備をしなければいけなくて。
涙を流す暇がないっていうのかな。
オヤジも姉ちゃんも、同じように忙しくて悲しみにひたる
余裕はないって感じでした。
忙しさに追われたから、俺は今日の一日を冷静でいれたのかも。
一度、家に帰ってくる時に三人で夕飯食べたんだ。ハンバーグ食べた。
オヤジが 「うまくないなぁ…か…」
って、
言葉詰まらせてイキナリ泣き出したんだ。
子供みたいに。
…
俺はすぐ分かった。
その、 「か…」
の後に続けようとした言葉がすぐに分かった。
オヤジと母さんはよく食べ歩きが好きで、
うまい店があると家族サービスとかいっては
よく連れて行ってくれてたんだよ、俺と姉ちゃんを。
オヤジは「うまくないなぁ、母さん」って
いつもの癖でついつい言ってしまうところだったんだろうね。
俺は黙ってた。姉ちゃんも黙ってた。
俺は泣かなかった。泣けなかった。
黙って食べてた。何かしゃべったら俺も崩れてた。
…
今日の夕方もむしむしと暑くて、地元のスーパーはいつも通りにぎわっててさ…
思わず寄ったよ。特売のトウモロコシと枝豆売り場には主婦が沢山いてね
その中に母さんいるんじゃないかって、
バカげた子供みたいな考えに変な期待持っちゃって。
「アツシ、トウモロコシ買ってきたから茹でてあげるからね~ッ!」
って、
一昨年の夏みたいに、笑う母さんの顔が見たかった。
こんなクソ暑い夏に、リビングで寝っ転がりながらトウモロコシを食う
俺の行儀悪さを
うるさく言う母さんの声が聞きたかった。
ああいうのを本当は小さな幸せって言うんだろうね。
けど、小さすぎて当たり前すぎて見えないんだよ。
本当はバカみたいにキラキラしてて、素晴らしいものなのに。
いなくなってしまってから初めて分かるんだ。
それがビー球みたいにいろんな色があって
綺麗で素朴でキラキラしてるって分かるんだよ、きっと。
…
投稿日: 04/07/27 23:57
もう今日でここに書き込むのは最後にします。
みんな色々と辛いことを乗り越えての今があるのだと思いました。
だから俺だけ弱くてうじうじしていてはいけない。みんなが通る道なんだよね。
けど、今だけ俺の弱さをどうか許してください。
昨日の今日では強くなれない…
悲しすぎる。
…
オヤジが俺に 封筒
を渡してきました。
葬式までに必ず読んでおけって。
オヤジはその中身を知らなかったらしい。
姉ちゃんの分もあるって言っていたから、母さんからのものだってすぐに分かった。
…
俺は本当に弱い。
もっと強いものかと思っていたら全然違った。
弱すぎだ。
その封筒の中身を読んで、泣きじゃくった。
今も涙が止まらない。
どうして2chに書き込んでいるのかもよくわからない。
誰かに聞いて欲しいからかな。
誰かに何か言って欲しいからかな。