翻訳学者犬徒然草

何故家主はカルメル修道院に(壱)


カルメル1
カルメル2
カルメル3

珍しく小生をつれて車で家主が週末に カルメル修道院 に行った。フランスには数多くあり、特に有名なのはパリとノルマンディ間にあるリジューだが、小生らが行ったのは十数年前に山奥の谷間に信者が寄付したのもので、小さな村から田舎道を谷間沿いに走り、四駆でしか行けないのではないかと思わせる程の農道が数キロ続くのである。修道女のみが住む谷を見晴らす小丘陵の林の中に木造の建物があり、誰もその入り口からは中に入れない。勿論家主も入れないが、小生の驚いたことに、車を見晴台のベンチそばに止め、いそいそと礼拝堂の横の事務所に入っていった。誰も居ないらしく、インターフォンで話す声が聞こえた後、家主は外に出て、修道院建物の入り口までゆっくりと降りていった。小生は車の中で待っていたのであるが、この季節にしては珍しい好天で、谷間であるために寒風から保護されているのか、すばらしい牧草が一面にあり、驚愕するほどの静けさと澄み切った空気で、また家主の家の林とは違った神聖さが身体に感じられるのである。定期的にこの修道院の外にあるチャペルでミサが行われるている。家主の相方はキリスト教信者だが、家主は「一応仏教だが、仏教は宗教というよりも哲学であり、今宗教の必要を感ぜず」といい相方のキリスト教への転向の勧めに抵抗している。(続く)

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