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2008.04.21
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カテゴリ: Movie
<きのうから続く>

マルクとナタリーが着いた時には、パトリスはすでに息をひきとっていた。ナタリーはパトリスに近づき、
「パトリス、私よ」
とささやいたあと、脇に横たわり、そのまま死んでいく。

このシーン、1分近くマレーの死に顔を横から舐めるようにカメラが映し出すのだが、その美しさたるや、身の毛がよだつほど。まさに、この世のものとは思えない。上半身は衣装が半ばはだけて裸の胸が見える。眼を見開き、口は少し開いている。眼はガラス玉のよう。皮膚は少し硬直して、蝋人形か大理石の彫刻になってしまったよう。これほど真に審美的な死の演技は今まで見たことはないし、おそらくこれからも見ることはないだろう。

生きているときのパトリスは、わりあいおバカでジコチューな青年だった。ところが死んだとたん、彼はまさしく神になっている。そうとしか思えない。

このジャン・マレーの美貌の死に顔を見たときの衝撃に、一番近い気持ちを味わった芸術作品がイタリアのナポリにある。サンセヴェロ教会内に安置された「ベールのキリスト」だ。
ベールのキリスト
18世紀のジョセッペ・サンマルチーノ作の大理石の彫刻。この作品のどこが衝撃的かというと、「とても大理石とは思えないリアルさ」だ。キリストの頭がのっているクッションのやわらかそうな質感、濡れてまとわりついているような薄いベール。そして、たった今亡くなった人そのもののようなキリストの肌。それに、このキリスト、男性なのか女性なのか実はよくわからない。キリストだと知らなければマリアかと思ってしまうかもしれない。若いのか若くないのかもよくわからない。ベールでおおわれた顔はとても若いようにも見えるし、それほどでもないように見える。リアルな人間のようでいながら、年齢や性別といったものすべてを超越してしまった存在なのだ。

ルーブルで「ミロのヴィーナス」やミケランジェロの「瀕死の奴隷」を見て、最上の大理石彫刻を見たと思っているアナタ! なんのなんのまだまだ、なのだ。この「ベールのキリスト」を見ずに死んではいけない。薄暗い教会内部に安置された、あまりにリアルであまりに崇高な死せるキリスト像は、日本ではそれほど知られていないけれど、まちがいなく大理石彫刻の最高傑作の1つだ。この傑作の前に立てば、必ず衝撃を受けること間違いなし。触れてみたくなる衝動を抑えるのに苦労するだろう。

この「ベールのキリスト」が、大理石彫刻が人間のようになってしまった例なら、『悲恋(永劫回帰)』の「パトリス、私よ」でのマレーの死に顔は、人間が大理石彫刻になってしまった例だと言える。実はいまだに、「本当にあの死に顔はジャン・マレー本人?」と半ば信じられないでいる。そもそも人間はあんなに長く、瞳をまったく動かさす、まばたき1つせずにいられるものなのか? マレーの自伝やコクトーの『占領下日記』を隅から隅まで読んで、「実はあのシーンのマレーは蝋人形」みたいなタネあかしがないものかと探した。もちろん、そんな記述はなかった。ラストシーンの撮影では、途中停電になったりして大変だったというようなことが書いてある。映画制作の資金も不足気味だったらしいから、とうてい人間のかわりの人形など制作する余裕はなかっただろう。役者が演じるのが一番安上がりだ。

のちの『双頭の鷲』も『ルイ・ブラス』もマレーの死に顔で終わるが、その原点がこの『悲恋(永劫回帰)』だろう。『悲恋(永劫回帰)』のマレーはもっとも若く、もっとも神々しい。

そして、非常に驚くべきことに、この『悲恋(永劫回帰)』でのジャン・マレーの死に顔に酷似した死に顔が出てくる映画があるのだ。それは1974年封切のヴィスコンティの『家族の肖像』。

ヘルムート・バーガー
演じているのは言わずと知れたヘルムート・バーガー。これはハッキリ言って、『悲恋(永劫回帰)』のマレーとまったく同じだと言っていい。顔つきから、口のあけ方、髪の毛の流れ方までソックリ。ただ死に顔のカットは『家族の肖像』のほうが短い。『悲恋(永劫回帰)』のように「美貌の死に顔で観客の度肝を抜く」ものではない。

『悲恋(永劫回帰)』が封切されたのが、1943年10月。同じ年の5月に偶然にも、ヴィスコンティ処女映画『郵便配達は2度ベルを鳴らす(オセシオーネ)』が封切になっている。ヴィスコンティはこれによってネオリアリズモの旗手とされ、なまなましい男女の欲望をとおして時代の不安感を見事に描き出したと絶賛された。

占領下のフランスで制作されながら、戦争の影は微塵もなく、現実と神話が入り混じったロマンチックな『悲恋(永劫回帰)』とは、ある意味まったく対照的な作品だ。ヴィスコンティとコクトーの世界がつながると、当時考えた人はいなかっただろう。

だが、ヴィスコンティとコクトーは、実はジャン・マレーという俳優をとおしてずっとつながっていた。1937年、まだ助監督で映画を撮る予定などなかった31歳のヴィスコンティは、パリで24歳のマレーにイタリアでの仕事を申し込んでいる。このときのマレーはコクトーが何も言わずに2ヶ月も姿を消してしまったことで苦しんでいた。

1945年には、コクトーがマレーのために執筆した戯曲『恐るべき親たち』『タイプライター』の2作を、ヴィスコンティがローマで演出・上演している。また、マレーの自伝によれば、ヴィスコンティはパリに来ると必ずマレーに連絡を寄こしたという。マレーの舞台も見に来ている。

1937年のヴィスコンティのマレーへのオファーについては、ずっと不思議に思っていた。当時のマレーは駆け出しの俳優でイタリア語も話せない(ヴィスコンティはフランス語も英語も話せる)。そんな外国人俳優をイタリアへ連れて行って、何をやらせるつもりだったのか?

それについては、BBCのドキュメンタリーでヒントになるかもしれないエピソードが紹介されていた。

http://jp.youtube.com/watch?v=dEzVGr7kaN8

この4:00ぐらいから始まる説明。ヴィスコンティとバーガーが出会ったころの話だが、オーストリアの地方のホテル経営者の両親のもとで育ったバーガーは当時学生で、ほとんどイタリア語が話せなかった。その彼をローマに連れてきて、自分の家に住まわせ、そこからヴィスコンティの生涯でもっとも長い付き合いとなる彼との関係が始まる。ヴィスコンティは演技経験のなかったバーガーに、映画でまずは台詞のある端役を与えた。

4:20ぐらいに登場する、ちょっとラリった、手つきのアブナイおっさんが、バーガー本人。ヴィスコンティの誘いが非常に強引だったことがわかる。ローマのヴィスコンティ邸はまるで宮殿のようで、料理人がおり、メニューを書いた紙がデスクに置かれていた (リストランテかよ?) 。8人の召使がいて、彼らはしゃべることは許されていなかった…… などなど、およそ20世紀とは思えないような貴族的(そして権威主義的)なヴィスコンティの私生活が語られる。

バーガー以外にも、昔のヴィスコンティの使用人が出てきて、ヴィスコンティが毎日部屋に生花を飾るよう要求したこと、庭はいつもきれいにしておかなければならず、銀のカトラリーは常に磨いておかなければならなかったこと。そして、60年代にまだ庶民には高嶺の花だった自動車をくれたことなどが語られている。

つまりそういうことなのだろう。演技経験が浅く、イタリア語が話せないというのは1937年のマレーと共通している。

コクトーは皆にお金もちだと思われていたが、実は貧乏で基本的に質素だった。モンパンシエ通りの2人のアパルトマンでのコクトーの部屋はベッド1つ入れるとほかには何も入らないほど狭く(マレーの部屋はもう少し広かった)、したがってコクトーには机がなく、いつも膝の上に木の厚い板を置いて執筆していたという。ヴィスコンティは初期の映画のためにアマルトマンを1つ手放したりしているが、それでもまだまだ信じられないぐらい裕福だった。

バーガーは麻薬に汚染され、『ルートヴィヒ』撮影時にヴィスコンティから様子が変だと疑われると、「役作りのプレッシャーだ」と言い張った。マレーは麻薬に汚染されることなく、コクトーの阿片中毒の治療に力を尽くしたが、逆に中毒が治ったあと1年もの長きにわたり、コクトーが何も書かなかったことで、「自分が無理やり阿片をやめさせたから、書けなくなったのでは?」と人知れず心を痛めていた。


マレーの実質的な初主演作である『悲恋(永劫回帰)』とヴィスコンティの初監督作品は公開が同じ年。それから30年もたって、みんなが忘れたころ、マレー風の死に顔をバーガーを使って蘇らせている (ずるいぞ! ヴィスコンティ)

マレーも死に顔で終わる作品が多かったが、バーガーも『家族の肖像』『ルートヴィヒ』のラストは死に顔だ。ついでに言えば、『ルートヴィヒ』で王が、裸の若者の水浴びを偶然目撃して自分のセクシャリティを自覚する場面は、コクトーの『白書』で裸の作男が水場に来るのを主人公が窃視するくだりからすべり出てきたようだし、神父に懺悔することで救いを求めようとする姿も『白書』の主人公と共通している。

つまり、晩年のヴィスコンティ作品は、明らかに若き日に自身が影響を受けたであろうコクトー的世界を、自らの退廃的で貴族的世界に採り入れているのだ。なんとも「永劫回帰」なエピソードだ。

そういえば、ヴィスコンティがジャン・マレーをキャスティングした『白夜』のヒロインの名前は「ナタリア」だった。『悲恋(永劫回帰)』のヒロインのイタリア語読みじゃないか。マレー演じる下宿人の部屋に鏡をたくさんおいたのは、コクトーへのオマージュだし、オールセットの不思議な空間は、現実と幻想が入り混じるコクトー・ワールドの翻案とも取れる。

ちなみにマレー自身は何も気づいていない (やっぱりパトリスご同様の性格のようで) 。自伝で『白夜』の撮影について触れているのはたった数行。「私はヴィスコンティと撮る『白夜』撮影のためイタリアへ発った。小さな役だが、私の友人である、この偉大な演出家のために仕事するとは無上の幸福!」←これだけ。

マレーは数多く映画に出ているが、コクトー作品以外だとやはり『白夜』を評価する人は今でも多い。だが、本人にとっては「小さな役」という思い出だけだったようだ。マレーの情熱は映画よりも常に舞台にあった。

マレー風の死を演じたフランスの美男俳優がもう1人いる。それはアラン・ドロン。オムニバス作品『世にも怪奇な物語』中の『影を殺した男』でのドロンのラストシーンがこれ↓。

アラン・ドロン
バーガーほどはソックリではないが、やはりマレー風の死に顔だ。しかし、演技はひどい。死んでいるのにまばたきしているのがわかってしまう場面がある。これはイケマセン。やはり長くまばたきしないでいるのは至難の業なのだろう。

ジャン・マレー、アラン・ドロン、ヘルムート・バーガー…… 次にこの審美的な死に顔をスクリーンに蘇らせるのは誰だろう。監督ならアン・リーかもしれない。アン・リーがヴィスコンティアンであろうことは すでに指摘した が、『グリーン・デスティニー』のラストシーンは、コクトーの『美女と野獣』とつながっているようにも思える。だが、監督は思い当たっても、マレー、ドロン、バーガーの系譜を継ぐ俳優が思い当たらない。

<4/24へ続く>





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最終更新日  2008.04.24 15:27:45


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