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2008.04.25
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カテゴリ: Movie
<きのうから続く>

『悲恋(永劫回帰)』のラストシーン撮影は、マレーとソローニュにとっては肉体的に過酷なものになった。まず最初に撮ったときは、カメラを持ち上げるクレーンの設置がうまくいかず、後退して撮るべき部分が真上から見下ろすかたちになってしまった。そこで移動レールを敷設しなおすことに。偶然生まれた時間のロスを利用して、スタッフが漁網や小舟などの小道具を取りはずし、何もなくなった空間に2人の死を見せる場面のバランスの調整をする。

翌日再度同じシーンの撮影。マレーとソローニュが横たわっているのは実はひっくり返した小舟の上。さらにそこに漁網がかぶせてある。もちろん寝心地(笑)は最悪。なぜ小舟を裏返しにしたかというと、それは、その形が王家の紋章のイメージになるというコクトーの発案による。

ラストシーンは観てる側には短いが、撮影はセットの小道具や何艘もの舟を片付けながら進めていったため、都合2時間以上かかった。その間マレーとソローニュは衣装の襞ひとつ乱してはならない。埃が舞い上がる不快な空間。不安定な小舟によれた漁網。2人は背中がひどく痛んだという。本番の途中でアークが飛び、修理に15分。撮影が終わると、今後はスチール撮影。ようやくライトが落とされたときには、2人の体力は限界を超えていた。見かねたコクトーが監督のドラノワにマレーとソローニュをねぎらってやってほしいと頼み、ドラノワがあわてて2人の控え室に抱擁に行く一幕も。

病み上がりのコクトーも「すっかり疲労困憊した」と『占領下日記』に書いている (つーか、コクトーはいつも体調が悪くて疲れている) 。さらに日記には、もっとも力をこめて脚本を書いたシーンの撮影を終えたコクトーが、「未来の人々」にあてて書いたと思われる不思議なメッセージがある。封切を4ヵ月後に控えての日記なのに、公開当時お客として想定していた若者ではなく、会うこともない未来の若者へあてた伝言。それがまるで不思議な暗号のようにこちらに届いた。コクトーはこの作品がずっと残るものだということを確信していたのだ。公開する前から。そして、公開されたときの観衆の反応よりむしろ、この作品を「古いもの」として観た人々の反応を気にしている。

1943年6月20日 パトリスとナタリーの死の場面は、真に素晴らしい。だがいつかこの文章を読むはずの人々に、ぼくの言っている意味がまったく分かってもらえないのではあるまいか? なぜなら、映画というものは過ぎ去っていくはかないもので、進歩に従属しているところにその弱点があるからだ。残念なことだが。しかし、ぼくが将来のすべての若者たちに生きて欲しいと願っている生の幾多の瞬間を、ぼくはあそこで生きることができた。

2008年4月25日 ジャン・コクトー様 映画が進歩に従属している、そしてそこにむしろ弱点があるというあなたのご指摘はそのとおりだと思います。きのうもあるテレビ番組で、CG技術の発展がいかに近年めざましいかという話をやっていました。そうやって最先端の技術を追求することは、ある分野の進歩という歴史の流れには貢献するのでしょうが、それを1つの作品の中で追い求めれば追い求めるほど、その作品自体の命は短くなってしまいます。新奇な視覚効果は、花火のように人々を熱狂させますが、まさしく花火のようにあっけなく消え、次に新しい花火が打ちあがったときには、人はその前の花火のカタチをもはや忘れているのです。

ヴィスコンティを介してあなたの世界を後継していると思われるアン・リー監督が、最新のCGや凝った画面構成を駆使し、巨額の資金を投じて作った大作『ハルク』がすでにほとんど忘れ去られ、しっかりした原作、緻密な脚本のうえに、美しい自然と若い俳優の体当たりの演技で作った『ブロークバック・マウンテン』が、批評家からも一般観客からも広く高い評価を得たのがその好例でしょう。リー監督が次に多額の資金を投入したのは、最新の技術に対してではなく、過ぎ去った時代、在りし日の上海の街をよみがえらせるためのオープンセットにだったというのは象徴的ではないでしょうか。

あなたがたが『悲恋(永劫回帰)』を撮った当時とは、比べ物にならないほど映像技術が進歩している2008年の東京に生きる者として言いますが、ナタリーとパトリスの死の場面は、技術の進歩によってその価値が毀損される結果にはなりませんでした。むしろ、その逆。現代建築に取り囲まれて生きている人間でも、時代を超えて残ってきた中世建築の美しさには十分に感動できるし、今の時代にはない、過去の人々の美意識の高さに圧倒されるのです。

技術の進歩は俳優の演技力や、もしかしたら監督の力量さえ相対的に弱いものにしてしまっています。今日的には、そちらのほうが問題でしょう。いつの時代でも人をもっとも感動させるのは、「人による巧みの業(わざ)」――映画であれば俳優の演技にほかならないと思うのですが。

もうひとつ、「パトリスとナタリーの死の場面」の素晴らしさが理解できないとすれば、それは技術ではなく、人々の精神、美しいもの美しいと感じる感性の問題でしょう。いくら真に美しいものが目の前にあっても、それを理解し、受け止めるだけの精神がなければ、豚に真珠をかざしてみせるようなものなのです。あからさまでない美、伝統にのっとった美を理解するためには、観るほうにも訓練が必要であるということを、ほとんどの人々は理解しようともしません。

感性の鈍化だけでなく、今の平和な日本では精神の後退が顕著に進行しています。古い名作を見て単純に思うのは、「昔の若者はなんとオトナだったのだろう」ということです。現代では『悲恋(永劫回帰)』は若者の映画ではなく、オトナのための映画でしょう。『悲恋(永劫回帰)』が公開されたのはナチスドイツからの解放直前のパリ。若者は爆撃の音を聞きながら、こぞって映画館に足を運び、この真に審美的な映画を観ていたのですね。

今の日本には、当時のパリの若者が体験していたような凄惨なドキュメンタリーはありません。爆弾で死んだり、ゲシュタポに拷問されたり、銃撃戦に巻き込まれて命を落としたりなどというのは想像の外の出来事です。けれども、長い平和の中で人々の精神は明らかに退化し、若者たちはより幼稚になってしまいました。現実離れした刺激に慣らされ、たとえば『悲恋(永劫回帰)』の小人の母親ゲルトルートに見るような、人が人として当たり前にもっている良心ですら陳腐なものと軽んじられ、ただ単に自分が「取るに足らない存在ではない」と思いたいがためだけに、取り返しのつかない犯罪に走る若者さえ後を絶ちません。

あなたの作品が今日的に意味があると思うのは、それはコクトー・ワールドには『異邦人』がいないということでしょう。親は死んだけど遊びに行こう、たいした理由はないけど人を殺してみよう。今の世の中は不条理な「異邦人」があまりに増えてしまいました。

理不尽な突然の死に際して、誰も恨まずにただナタリーだけを求めたパトリス。最愛のパトリスに本当の自分の気持ちを知ってもらうこともできずに彼を失いながら、「パトリス、私よ」とささやいてすべてを受け入れるナタリー。そんな2人のそばで涙を浮かべるマルクとリオネル。パトリスの死という重大な場面では、自分のささいな復讐心を捨て去る「選ばれなかった」妹ナタリー。自分の撃った弾でパトリスが死ぬとは、まさか想像もしていない小人のアシール。登場人物の純粋さや、人としての最低限のモラルは、彼らのもつエゴイズムとは矛盾せずに成立しています。そこに私は、あなたの深い人間観察と成熟した精神を見るのです。

「ぼくに加えられているほどに執拗な攻撃は、かつて文学の世界には皆無だったとばくは確信している」「ぼくが接触を願っている人々の魂のどれだけ多くが、ぼくと触れ合うことなく終わっていることだろう」「ある攻撃が幾度も繰り返されれば、結局人々の精神はそれに影響されてしまう」「自分についての誤解とデタラメを雪崩のように浴びせられる。これは夢なのか現実なのか」「大衆はなぜデマなしに生きられないのか」といった『占領下日記』の記述から察してあまりあるほどに、常に人々の悪意に曝露され、理解されない孤独感に悩んでいたあなた。そんなあなたが、作品の中ではある一定のモラルから絶対に足を踏み外さなかったのは、世間の誤解に対するあなたなりの応答でもあり、挑戦でもあったのでしょう。

「ぼくの唯一の目的は、けっして悪意をもって行動しないこと、苦痛を他に及ぼさないこと、周囲の人々に悪い手本となるものは片鱗すら見せないことだ」――あなたとそうした姿勢と意思こそ、実は今、若い世代にもっとも教えるべきことであり、「すべての若者たち」があなたが生きて欲しいと願った「生の幾多の瞬間」を生きるために、必要な力なのではないかと思うのです。









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最終更新日  2008.04.26 23:13:21


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