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2008.05.03
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カテゴリ: Movie
<きのうから続く>

マレーとコクトーは戦場とパリに分かれても、一種の共同作業を行い、戦場の兵士の待遇向上に貢献している。きっかけはマレーがコクトーに書いた手紙だった。マレーは休暇でパリに戻った彼の戦友が、パリで軒並み冷遇され、嫌悪感さえいだいて戻ってくることを伝えた。

「休暇中の兵士や傷痍軍人が映画を見るのに、列の最後尾に並ばなければならないなんて、間違っていると思う。以前の映画館は兵士優先だったはずだ。映画委員会で話す機会があったら、ぜひ言ってもらえないかな。それに以前は、戦場の兵士のために編み物をしようという女性がたくさんいたよね。今はほとんどいない。戦友たちが求めているのは皆の暖かさなんだ。フランス国民は兵士たちに何もしてくれないけれど、アメリカ人は、フランスの兵隊にまで人生を楽しく過ごさせるための工夫をあれこれ凝らしてくれているよ。それなのにマギー(注:2人の友人)ときたら、兵士相手のレストランで商売している」

コクトーはさっそく顔の広さを生かし、女性誌に「編み物をする女性を求む」という広告を出させる。また、映画委員会に掛け合い、物資不足の兵士のための奉仕箱制度を作らせた。さらに友人のマギーを「きつく戒めた」ため、彼女はマレーと戦友に、お詫びとして上等のブランデーを1ケース送った。

もちろん、自ら戦場に赴いたマレーの行動を悪く言う人間も、特に同業者には多かった。
「1人でいいカッコしやがって」
「あぶない任務にはつかないように、裏で頼んでるらしいぜ」
だが、一般市民の間では当然ながらマレーは尊敬されていた。マレーが戦地でスープを食べている写真が雑誌に掲載されると、女性たちは我先にと奪い合った。コクトーはそんなマレーを誇りに思っていたが、知人が戦死したり、重傷を負ったりといったニュースが次々と届くと、しだいに不安にかられ、いたたまれない気分になってくる。やはり、無理にでも引き止めるべきだった。そう思うと「気が狂いそうになる」と戦場のマレーに書き送っている。

「ジャノへの心配が、ぼくには肉体的苦痛。できるかぎり1人にならないように、多すぎるくらい人と会っている。1人になると、幾多の耐え難い光景をさまざまに想像してしまい、打ちのめされた気分になってしまう」
「心配がぼくの体内で病気に変化し、ぼくを麻痺させ、荒廃させ、生殺しにすることをジャノは知らなかった。彼が負傷しはしないか、戦死してしまうのではないかと、ぼくは常に心配のし通しだ」(『占領下日記』より)


そんなコクトーをさらに震え上がらせる知らせが届く。マレーの部隊がアルザスに向かったのだ。アルザスは、マレーと知り合う前にコクトーともっとも親密だった彼の秘書、マルセル・キルが1940年に戦死したところだった。マルセル・キルは1936年、つまりマレーとコクトーが出会う前年に、コクトーについて日本にも来たこともある。ちなみにキルについてのちにマレーは、「彼には優しさと烈しさ、純粋さと狂気といった、今ではアラン・ドロンのもとでしかお目にかかれないような無限の魅力があった」と回想している (つまり、やっぱりイイ男だったてことですね、コクトー先生) 。キルはコクトーがマレーと親密になるにつれ、なんとなくコクトーから遠ざかり、画家の女性と結婚していた。

そんな因縁の地で、だが、マレーは逆に戦功十字章を授与されるという名誉に浴している。もっとも、マレー自身によれば、叙勲されたのは「ジャムを食べていたから」だという。

1944年の冬、アルザスでは、すでに一般の人々は疎開していて空家が多かった。フランス軍もドイツ軍も空家に押し入り、めぼしいものはすべて略奪していった。マレーは盗みに加わることはなかったが、ジャムの誘惑にだけは勝てなかった。マレーの祖母はアルザス出身で、空家に残されたジャムがあまりに祖母の味そのものだったからだ。そこで、
「これは捨てられたモノ」
と自分に言い訳をし、ジャムをせっせと自分のトラックに積んで貯めこんでいた。

ある日、雪に埋もれたマルコシャイムで、マレーの属する部隊は味方の軍から分断された。ドイツ軍に包囲され、四方八方から攻撃される。そんななか、マレーの眼にパンクし、立ち往生している救急車が映った。「ロシャンベル」と呼ばれた従軍看護婦が乗った救急車だった。
――助けなきゃ。
当然のこととして、マレーはトラックで彼女たちの救出に向かった。砲弾はまだはるか遠くに落ちていた。トラックを降り、看護婦の乗った救急車のパンクを修理した。すると砲弾が近くに落ち始めた。
「伏せて!」
看護婦の1人が叫んだ。
――雪の中で腹ばいになるなんて、軍服濡れて嫌だなあ。
一瞬、躊躇するマレー
――いや、でも立ってると虚勢を張ってると思われるかな?
思いなおして、伏せるマレー。その鈍い動作に看護婦の女性が慌てた。身を投げ出して、マレーと砲弾の間に入り、全身で彼を守ろうとする。
――これじゃ反対だろ。
マレーにとっては非常にバツの悪い体勢になってしまった。
「すいません、マドモアゼル」
マレーは律儀に謝って立ち上がり、救急車の反対側に移動して、今度はしっかりと身を伏せた。

雪の上に腹ばいになってマレーが思ったのは、
――さ、寒いぞ。
ということだった。凍傷になったらヤバい。しばらく砲弾をやりすごして、自分のトラックに戻る。身体を温めようとエンジンをかけ、積んであったさくらんぼのジャムを食べ始めた。

まだ砲弾が止まないなかで、トラックのエンジンをかけているバカを遠くから仲間の兵士が見つけて青くなった。
「引火したらどうする! 早くトラックを降りろ!」
味方の叫び声は、運転席のマレーには聞こえなかった。さくらんぼジャムはまさしくアルザス出身の祖母の味。種を吐き出しながら食べ続けた。
「気を失っているんじゃないか?」
心配した戦友たちは匍匐前進しながら、マレーを救出に来た。

決死の思いでトラックのところまで来た彼らが見たのは、トラックの中でせっせとジャムを食べているマレーと、雪面に散らばったさくらんぼの種だった。

隊に戻ると意外なことを聞かされた。その日出されていた公式命令は、エンジンをかけたままトラックから離れるなということだったのだ。そこで、その命令に忠実だったマレーに戦功十字章が与えられることになった。

隊長から叙勲を知らされ、すっかり面食らうマレー。もちろん隊長には、トラックでジャムを食べていた話はいっていた。
「ジャン・マレー個人としては、大変に嬉しいお話ですが、隊長。実際には私は、軍功章に値するようなことは何もしてないと思われませんか?」
「ま、多少はね」
「は? 多少?」
「しかし、君には受ける資格があると我々は判断したわけだな。看護婦を救った行為も英雄的だ」
「パンク修理しただけですが」
「砲弾の嵐の中でだろう。実に立派だ」
「いや、まだ遠くに落ちてると思ったもんで」
「まあ、とにかくそういうことだ。おめでとう! 私も誇らしいよ」
というわけで、マレーには戦功十字章が与えられた。ちなみに、砲火らしい砲火を戦地でマレーが見たのは、その日だけだったという(笑)。

<続く>





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最終更新日  2008.05.04 09:48:47


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