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2008.05.27
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カテゴリ: Movie


ジャン・マレーはジャン・コクトーについて、 「つねに1時間前に来ながら、日を間違えたのかもしれないと思ってその場を去り、あとになって流行が彼の発見したものを取り込むのを見ても、決して根にもったりはしない人」(ジャン・マレー『私のジャン・コクトー』岩崎力訳 東京創元社) と書いている。マレーによれば、そのコクトーがたった一度だけ時間通りにやってきたことがある。それが、初演から並外れた成功をおさめた『恐るべき親たち』だというのだ(『恐るべき親たち』執筆をめぐるエピソードについては 3月27日からのエントリー 参照)。

『恐るべき親たち』はマレーが一目で気に入った舞台女優イヴォンヌ・ド・ブレ(ミシェルの母イヴォンヌ役)とマレーを念頭に、「極端で、活気があって、現代人の役。泣いたり笑ったりして、美男でない役」がやりたいといったマレーの希望を入れてコクトーが書き下ろし、24歳の舞台俳優ジャン・マレーの名を一躍パリ中に轟かせた大ヒット作。日本人から見るとジャン・マレーのイメージとは違うと思うような役だが、この戯曲を演じていた当時のマレーは逆に、先輩の女優から「あなたは、『恐るべき親たち』のミシェル以外はできるはずないわ」と決め付けられたぐらい、ハマリ役だと見なされたのだ。

舞台の初演が1938年、映画が撮られたのが1948年。10年も経ってしまったことで、初演当時のマレーの若さは映画では見られないが、それでも、マレー自身は「舞台でも10年後に再演したが、10年前よりこの若者の役をうまく演じることができたと思う」と言ってる。確かに映画『恐るべき親たち』のマレーの演技はうまい。ミシェル役の設定である22歳に年が近い役者だったら、ここまでさまざまな感情を演じわけるのは難しかっただろう。しかも、この映画、名作『オルフェ』のたった1年前の撮影なのだ。『オルフェ』のマレーはスランプに陥っている気難しい詩人役。『恐るべき親たち』の落ち着きのない甘ったれたミシェルより少なくとも10歳は年上に見える。死神に愛される天才肌の国民的詩人と自分のクイブチもままならず、堅実な彼女を見つけて「これでボクも安泰かも」などと思っているダメ男。この2つの対照的な役を演じた時期がたった1年違いというのにも驚かされる。

だが、その『恐るべき親たち』は、日本では今も昔もサッパリ受けない(笑)。コクトー監督+マレー主演映画の中では唯一DVD化もされていない。なんとVHSしかない! DVD化はされず、このまま消えるかもしれない。だが、それはあまりに惜しい。これは舞台劇のお手本のような作品だからだ。なんといっても登場人物5人の性格づけがいい。異様に親密なミシェルとイヴォンヌ親子の2人を中心に、イヴォンヌの姉と夫、ミシェルの恋人。この5人が5人とも、どこかエキセントリックで、だが基本的に平凡な人間。彼らの内にある矛盾した感情――エゴイズムと自己犠牲、憎悪と愛――を役者がどう演じてみせるか。それがこの作品の最大の見所だ。

『恐るべき親たち』はフランスでは非常に人気がある。何度も再演され、さまざまな役者が演じ、新しいところでは2003年にテレビドラマ化もされている。コクトー存命中の1958年の再演時には、南仏にいたコクトーに「ぜひミシェル役をぼくに」とわざわざ売り込んできた若い美男俳優がいた。それが誰あろう、2年後に『太陽がいっぱい』で天文学的ヒットを飛ばすことになるアラン・ドロン。

コクトーが最初に台本を朗読したとき、「若い俳優なら誰でも憧れる、最高に素敵な役」とマレーが評したミシェル役。1990年代の半ばのロンドンでも、この役でセンセーショナルな注目を集める若い俳優が現れた。彼の名はジュード・ロウ。96年には『恐るべき親たち』ブロードウエイ公演でも喝采を浴び、トニー賞助演男優賞にノミネートされた。ジュード・ロウの舞台で特に話題になったのは、ロウがバスルームから全裸で出てくるシーンだった。コクトーの映画『恐るべき親たち』でも、ジャン・マレーがめずらしくも(笑)脱いでいるバスルームの場面がある。さすが、コクトー。若い役者を売り出すには、どういうシーンを入れればよいのかちゃんとわかっている。ロンドンの演出家は、それを現代女性にアピールするようにさらに扇情的にしたということだ。

どうして日本でやらないのだろう? Mizumizu的にはそのほうが不思議だったりする。おそらく、もっとも根底にあるのは、欧米と日本の親子関係における「個」の感覚の基本的な違いだろうと思う。直接的には、日本女性の「マザコン」というキャラクターに対するステレオタイプの悪イメージが障害になっているのかもしれない。ミシェルはまさしくマザコンで、母親に対してかなり芝居がかった態度を取る。母親をニックネームで呼んだりするところも違和感がありすぎるのかもしれない。だが、泣いたり、笑ったり、甘えたり、怒ったり、喜んだり、絶望したり、単細胞でちゃっかり男のミシェルの感情の起伏は演じるのも見るのも最高ではないかと思うのだ。そして、そのダメダメ君に最後に襲いかかる人生の悲劇は……

そう、『恐るべき親たち』には人生がある。『恐るべき子供たち』が現実の人生を拒否しようとする子供の物語なら、『恐るべき親たち』は現実の人生を受け入れざるをえない大人と、その大人にならなければならない若者たちの物語。3人の大人たちは皆、いやおうなしに自己犠牲をともなう肉親への献身の情と自分の中にあるエゴイスティックな復讐心の間で揺れ動く。「(妹の)愛のために自分は犠牲になった」とすでに諦めたはずのレオが、妹イヴォンヌの死を前にしてふと、「もし彼女がいなくなれば、私はもう一度彼とやりなおせるかも」などと思ってしまう。「わがままな自分」を通して、死を選んだはずのイヴォンヌが、いざ死を眼の前にしたときに、「やっぱり私は生きていたい。皆と幸せになりたい」と後悔してしまう。

人は我を通すべきなのか、妥協すべきなのか。いったんの決心は本当に正しいのか。そして、あまりに思いがけない悲劇的な死を目の当たりにした若者はこれからどうするのか。答えのない人生の問いを登場人物たちは観客に突きつける。しかも、物語は途中までは、ほとんどドタバタ喜劇のような展開をし、最後の最後に残酷な「メメント・モリ(死を思え)」の瞬間が口をあけて待っているのだ。こんなにオモシロイ、成熟した作品を、日本人がどうして完全に無視するのかわからない。

連綿と続いてくれる何事もない日常が、実は何かのきっかけで簡単に崩れてしまう脆くも貴重な幸せであるということを忘れてただ退屈し、死をある部屋から別の部屋に移るだけのことのように、実感もなしに軽く考えすぎる今の日本の若者こそ、観るべき作品だと思うのだが。
<続く>





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最終更新日  2008.05.28 18:36:04


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