いらっしゃいMY ROOMへ

いらっしゃいMY ROOMへ

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私にとって忘れたいのに忘れられない出来事。
なかったことにしたい事。


あれは私が6年生の頃。
親戚の伯母の家に泊まりに行ったとき。

伯母の家には、祖母が住んでいた。
それに伯母には脳性マヒで寝たきりの息子である従兄弟がいた。
私は小さい頃からよく遊びに行っていた。

当時伯母の住んでいた家は二部屋しかない家だった。

夜、まだみんながしゃべっている中で私だけが眠くなり、しゃべっていた居間の隣の部屋で布団を敷いて寝ていた。
すると、伯父が私の隣の布団に入ってきた。
これはいつものことだった。
小さい時からよく伯父の隣に寝ていたからだ。

みんなのしゃべっている声を聴きながらうとうとしかけた時、突然体をまさぐる手があった。
伯父の手だった。
パジャマの隙間から手が入って、体中触られた。
私は子供心に「みんなに気付かれちゃいけない」「おっちゃんと目が合うのが怖い」と懸命に寝たフリを続けた。

怖かった。

それから、伯母の家に泊まりに行くと言われる度に緊張の連続だった。
伯母が家を引っ越してからは部屋数も多くなり、同じ部屋で寝ることはなくなった。

しかし、お風呂を覗かれることなんてしょっちゅうだった。
こんなこと、母にも言えなかった。
母は、伯父、伯母をとっても信用していて、後に病気になった時でも伯母の家に身を寄せていたぐらいだった。
だから、伯父とかかわるのを拒絶することもできなかった。
母を傷つけたくなかったから。

それは母が死ぬまで言えなかったことだった。

今でも伯父は生きている。
母の7回忌に会った時はもうボケ始めていたが、私は許さない。
伯父が亡くなったら赤飯炊いて祝おうと思っている。

もう、自分の中に押し込めなくてもいいかなと思っている。


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