石田衣良【1】


book-a【水青の読んだ本たち★石田衣良】book-a


★I LOVE モーツァルト★石田衣良★
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石田衣良さんが天才音楽家モーツァルトについて書いた私みたいな初心者ピッタリの入門書。

「I LOVE モーツァルト 」は衣良さんセレクションのCD付きなのでCDを聴きながら読んだ(o*。_。)o

かなり前に購入していたのだけれど、何かと忙しく落ち着いて読む時間を作れないでいた( ̄x ̄;)

でも、冷え込みが厳しく寒い静かな夜に読み終えた。

部屋を暖かにしてベットの上で心地よい音楽耳にしながらの和やかな時間だった(ノбб)ノ♪

「モーツァルトの音楽は不思議の音楽である。牛に聞かせればミルクの出がよくなり、

ワイン蔵に流せば芳醇な酒に仕上がるという・・精神療法のひとつとしてあちこの病院で使われ

効果も上げているらしい恋をしているときはいっそう心を高めてくれ、

大切な人を失ったときには深いなぐさめになる。

クラシックになじみのない初心者が最初にふれてわかりやすく、

一生を音楽と暮らした演奏家や学者たちが最後に多く選ぶのも、この人の作品である・・・

今年はモーツァルト生誕250年にあたるという。

天国の天才はその程度のことで騒ぐなというかもしれない。

きっと雲の上から皮肉な顔で微笑んでいることだろう。

人の歴史が続く限り、自分の音楽も行き続ける。

生前はあれほど冷たかった人々が、ついに真価を認めてくれたのだ。

時代を先駆けた才能は、今もっとも豊かな時間のなかにあるのかもしれない・・・

音楽はなにもむずかしいものではない。人の心を豊かにするためのアートである。

まだモーツァルトを知らない人はまず一曲口ずさめるメロディを見つけてほしい。

一度この素晴らしい世界に耳が開かれれば、どの作品もきっと楽しめるようになるだろう。

そのとき見つかるのは、モーツァルトという名のついた一生の宝なのである。」(はじめに)

本当にそうだと思った♪毎日寝る前に聴いている☆~(σ。σ)♪








★東京DOLL★石田 衣良★
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“夜のコンビには灯台だった。

目のなかで青い蛍光灯の光が揺れている。MGは黒革のサンダルを

熱気残るアスファルトで鳴らしながら、夜に浮かぶ安全地帯にむかった。”

“いらっしゃいませ” 深夜の2時でもここなら笑顔で挨拶してくれる・・・

*:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆

「ねえ、MG。人形はどうするか、知ってる。人形はうんともてあそばなきゃいけないよ」

わたしは恋する人形。東京の今、恋愛のミライ・・・

マスター・オブ・ザ・ゲーム=MGとよばれる天才ゲームクリエイター。

背中に濃紺の翼(タトウ)をもつ少女ヨリが彼の孤独を変えてゆく・・・

青く透明なビルと虚ろさが混在する東京湾岸・・・

変化の街・東京で生まれた奇跡のような恋。

石田衣良がハードにシャープに描くパーフェクトな人形に恋をした男の物語。

*:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆

MGには婚約者、ヨリには彼氏がいた・・・

こんな現在がいつまでも続くわけが無い、そう自覚しながら、MGとヨリは疾走する・・・

“人形”であったはずのヨリの存在がどんどん大きくなっていき・・・・???r(・x・。)???

深い恋愛・・・揺れ動く心が美しく描かれていてつい、引きこまれた(o*。_。)o

軽快なテンポ、練られたストーリーが楽しめる作品だった。








★アキハバラ@DEEP★石田衣良★

akihabara@deep










“裏アキハバラで、伝説の勇者になる!!”

電脳街の弱小ベンチャー「アキハバラ@DEEP」に集まった若者たちが、

不眠不休で制作した傑作サーチエンジン「クルーク」。

ネットの悪の帝王にすべてを奪われたとき、

おたくの誇りをかけたテロが、裏アキハバラを揺るがす!!

病気のおたく青年たちが裏アキハバラで出会ったとき

ネットの世界に革命を起すeビジネスがはじまった!!

時代を見事に風刺し、電脳&アクションが楽しめる(o*。_。)o

秋葉原のコスプレ喫茶の実態や、 AIに関する知識と可能性などがとてもリアリティー ♪

前半、彼らが「ユイ」さんとの出会い、そして、別れるまでのストーリーも印象的だし、

後半のテンポの良い盛り上がり方は、 さすが衣良ワールド全開といった感じで最高(*^_^*)

石田衣良さんはアキハバラのオタクたちを個性豊かで魅力的なキャラクターで登場させている(*^_^*)

潔癖症、女性恐怖症(深い理由がある)でWebデザイナーのボックス、

中卒の天才プログラマーのイズム、すぐにフリーズしてしまうタイコ、

百科事典のような知識をファイルしているのに音声出力のコマンドが壊れたページ、

コスプレ喫茶のアイドルアキラ、10年の引きこもりから脱出したダルマ、

彼らが手をつないだとき、欠点もすべて力となり、戦いの時、想像を超えるパワーが生まれたのだ!!

ラストは、やったネ(*^ー°vって感じ(^。・)/

秋葉原が魅力的な街に描かれていて楽しめる作品だった。

続編がありそう(*∂_∂)?な終わり方なのでまたアキハバラ@DEEPの6人に会えるかも?・・)?゜◇゜)?

ドラマ化されるそうなので、どんな映像になるのかも楽しみ(ノбб)ノ♪








★娼年★石田衣良★

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二十歳の夏、大学生リョウは、高級デートクラブで男娼として働き始める。

ミステリアスな美しい経営者・・・夜ごと彼を求める女たちの美しさと妖しさ・・・

そして、それぞれの秘密・・・夜ごと誘う恋なきエクスタシー・・・魂の渇望と性愛の深奥・・・

そして、ある一線を越えた時に見えてきたものとは?

光と影を描く長編書き下ろしの性愛小説は私の知らない世界を垣間見られて、ドキドキした(/д\)








★エンジェル★石田衣良★










夏の夜、自分自身の埋葬を目撃したゲームソフト会社のオーナーの掛井純一は、

何者かに殺され「幽霊」として蘇った・・・

失われた2年分の記憶と自らの死の謎を追って、

ある新作映画への不可解な金の流れを追いはじめる。

欲望と計算にまみれた現世の人間を探偵していく・・・

縁を切った資産家の父、父代わりの弁護士、映画界の巨匠、ヤクザ風の男たち、

そして一目で魅せられた女優の卵・・・死後の恋を守り、すべての謎が解けた夜明け、

死者の「生命」を賭けた究極の選択が、純一に迫る!!

記憶喪失の幽霊が「自分自身の殺人事件」の謎に挑むファンタジック・ミステリー!!

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人は何のため、誰のために生きているのだろう?

自分の魂は何処から来て何処へ行くのだろう?

誰かの為に自分には何ができるのだろうか?

生きてエンジェル(^.^;)死んでもエンジェル(^.^;)

死んでしまっても人を思う純一の心意気p(*゜▽゜*)qには、切なくも、心が温まった(≡^・^≡)

こんな死後の世界があったならいいなぁ~と思わずにはいられなかった(o・。・o)









★約束★石田衣良★

isidaira-yakusoku









“かけがいのないものを失くしても、いつか人生に帰るときがくる・・・・”

喪失によって止まった時間が、再び流れだすときを描く

“バック・トゥ・ライフ”─珠玉にセブン・ストーリーズ。

苦しみから立ちあがり、うつむいていた顔をあげて、まっすぐに歩き出人々の姿を

色鮮やかに切りとった七つの短編集。

◇約束◇

親友を通り魔事件でなくした小学生カンタが「ぼくが生きてて、ごめんなさい。

ヨウジが死んじゃったのに、ぼくが生きててごめんなさい」と葉冶の両親に向かって言う

場面では涙がとまらなかった・゜゜・(≧∀≦)・゜゜・。

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ぼくはニュースを見て泣くことはめったにありません。でも池田小学校の事件だけは

例外で、悲しくて、腹が立ってたまらず、気づいたら鼻をすすっていました。

『生き残った子どもたちにエールを送り、なくなった子どもたちの魂を鎮めるために

自分になにかできないかと真剣に考えたのです。もとより遠く離れたところでテレビを

見ているだけの小説家にはほとんどできることなどありません。

安全な場所からの自分勝手な願望です・・・自己満足な鎮魂歌に過ぎないかも知れないけれど

理不尽な犯罪の被害者が、苦しみから立ちあがり、人生に帰ってくる。その過程をていねいに、

しっかり書こう。そうすれば、あの悲惨なだけの事件から、なにごとかを救いだすことできるかも

しれない。そうして「約束」はこんな形の作品になりました。』─あとがきより

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◇青いエグジット◇

素直で活発だっ清人が高校受験を控えた中学3年生から引きこもりになった。

その上、事故で片足を失い、わがままな性格で両親を困らせてばかりいた彼が、

ほぼ青一色のポスターに出会ったことで心に変化が・・・・

「あのポスターは不思議だった。海のなかに青い出口があるなんてさ。でも、今は違う。

ぼくも出口を見つけたような気がするんだ。青い扉がほんの少しだけ開いたのかなって。

まだまだ外の世界が怖くて悲鳴がでちゃいそうだけど、これからはなんとか外の世界に

ででいくようにするよ。手始めはこのダイビングスクールから」

◇天国のベル◇

突然耳が聞こえなくなった小学4年生の男の子が電話のベルだけは聞こえていたという・・・

“誰かが、ぼくの心の中で話していたんだよ・・きっとパパだったんだね・・」

心温まるお話に涙がポロリ (ノ△T。)

◇冬のライダー◇

モトクロスの練習に打ち込む少年を遠くから見守る一人の女性・・・

◇夕日へ続く道◇

雄吾はきちんと時間どおりに家をでたのに自分は何故、学校に行けないのだろう・・と

誰もいない公園のベンチで考えていた・・・中学1年生の冬を不登校で過ごしていたある日、

廃品回収車の老人と出会ったことで彼は・・・・

心にジーンと沁みるお話(T∀T)

◇ひとり桜◇

一本桜を毎年撮り続けているカメラマンとひとりの女性との出会いは・・・

桜がきっかっけでめぐりあったふたり・・・

40年間一人で生きてきた邦弘と三枝子の未来は( ・◇・)?(・◇・ )

◇ハートストーン◇

「どうして、ぼくだけがこんな目にあうんだよ。誰にも悪いことしてないし、まだ小学生なのにさ。

社会の時間に先生がいってることなんかみんな嘘だ。人はぜんぜん平等なんかじゃない・・・・」

10歳の少年は絞りだすようにいった。「・・・・かあさん、ぼく、死にたくないよ」

息子を襲った思いがけない病に母は・・・

彼女の父が孫の手術中に亡くなった・・その時、手に握られていたハート形の小さな石には

父の祈りがこめられていた・・・不思議な力が・・そして・・希望が・・・

切なく悲しいストーリーに涙(;_;)なみだ(;ロ;)でグシュグシュo(;△;)o 

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こうした形でメッセージを送ることができる石田衣良さんをすごいと思う(〃σ_σ〃)






★ブルータワー★石田衣良★

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石田衣良さんの新たな挑戦―3年振り待望の長編!!

「この塔は倒させない!世界を救うのは、夢みる力!

魂の冒険と愛の発見の物語。心ゆすぶられるヒューマン・ファンタジー」

平凡な一人の男性が、高さ2キロメートルの天を衝くブルータワーを崩壊から救う!

★彡 著者のことば

今、SFやファンタジーなんど想像力に傾斜した小説は

商売にならないといわれている。

天邪鬼なぼくは、今こそファンタジーを始める時期だと思う。

小説は無責任だから自由だ。だだの空想だから世界を揺り動かすことがある。

この物語は平凡な一人の男が天を衝く塔を崩壊から救う。

高さ2キロメートルの塔が幾多の危機を越え、雲を分け聳え続けるのだ。

『ブルータワー』へようこそ!夢みる力が決して失われることのない世界へ。

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平凡な主人公、“セノシュー”が階級社会やウイルス兵器から

未来の人々を救うために、強くたくましく成長する姿に引き込まれていった・・・

スピード感があり、イメージが浮かんできて映画を観ているようで

とても面白かった(o*。_。)o 

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★うつくしい子ども★石田衣良★

isidaira-yakusoku









 麗らかな春の朝緑豊かなニュータウンで九歳の女の子の遺体が発見された。

嵐の夜13歳の少年の補導で事件は解決するが、

関係者にとって本当の苦しみはその時から始まった。

崩壊する家族・・変質する地域社会・・沈黙を守る学校・・

現場に残された謎のサイン「夜の王子」とは?(゜_。)?

何が弟を駆り立てたのか?真実と犯行の理由を求めて

14歳の「ぼく」の孤独な闘いが始まった・・・

今を生きる子どもたちの光と影をみずみずしく描く感動のミステリー!!


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この作品は1997年に実際に起きた酒鬼薔薇少年事件がだそう・・

少年がなぜそのような事件を起こしたのか。その問いに石田衣良が取り組んだ作品。

9歳の弟が少女を殺害した事で家族がばらばらになってしまう。

兄である“ジャガ”は弟がなぜ少女を殺害してしまったのかを知るため

一人で調査を始める・・    すると意外な事実が・・・

誰もが持ちえる二重人格性などのせつなさや悲しさ(/≧◇≦\)

神様にも悪魔にもなれる人間の心の弱さと強さ・・・

自分の精神的不充足感を癒すために、誰か超人の命令のままに行動しようとして

弟は殺人を犯してしまったのだ・・・・

普通の中学生のジャガが、母と妹、友達、そして犯罪を犯してしまった弟を守ろうと、


その現実を正面からとらえ、逃げずに強くたくましく成長していく姿に、

感動した(*゜▽゜*)   お薦めの一冊(〃σ_σ〃)








★スローグッドバイ★石田衣良★

isidaira-s









10作品の短編が収録されている石田衣良さん初の恋愛短編集・・・

東京都心を舞台に二十代の男女を中心に描く恋模様

若い男女の様々な関係を切れ味よく、きめ細やかに描く。

現代性溢れる洒落た短編集。

◆泣かない◆

恋人と別れて2ヶ月近くになるというのに

泣ける映画(周囲の観客が声を殺して泣いているのに)を

観てもハナの顔は白いプラスチックの面のように

固まっている・・・“泣かないんじゃなくて、泣けないんだ”

そのとき初めて気づいた。

ハナの心の一部は、恋を失った痛みを殺すため、その瞬間

から冷凍されている・・どうすればハナの凍った心を解凍できるのか

ぼくにはわからなかった・・・・

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優しい主人公の“ぼく”に乾杯( ^_^)/□☆□\(^_^ )

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◆十五分◆

腕時計を見る。時刻は間もなく5時だ。スクランブル交差点の帯は、

さっきよりも濃いオレンジ色に光っている。15分まえとは別な数線人の

人たちが、15分前と同じように四つ角に詰めかけている。

どの顔も明るい週末の人たちだ。

ユウミとぼくの航海に終わりが来たのは9月のなかばだった・・・

でも、心配しないでもらいたい。ぼくはだいじょうぶだ。最初の一週間は

それは確かにきっかった。でもつぎの週には状態はかなり改善している。

三週目からは、新しいガールフレンドを探しに街にでられるようにもなった。

その気になれば、ぼくだって女の子のひとりぐらいすぐに見つけられる。

その証拠は、もうすぐこの喫茶店の階段をのぼってやってくるだろう・・・

これから、ぼくは新しい彼女と初めてのデートなのだ・・・・

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ユウミとの“熱い”夏休みのことを思い出していたら

十五分くらいすぐだった・・・

ハルとの今年の夏は思い出すだけで汗ばむほど暑くて激しかったのだ・・

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◆You look good to me◆

4月最後の土曜日の夕方、ぼくはマウスを操作しながら3Dの

コンピユーターグラフィックスでつくられた商店街を散歩していた・・・

ぼくは5つ並んだ談話室から3番目を選び、いつものように

おしゃべりの輪にはいっていった・・・

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ネットで知り合った“アヒルの子”は自分を醜いという・・

いろいろあって・・・そんな彼女とぼくは恋人に・・・

彼と彼女の会話が楽しい♪

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◆フリフリ◆

女の子とつきあう気のないぼくは同じ気持の彼女から

“私たち、つきあうことにしない?もちろん嘘のおつきあい・・”と言われて

“いいよ。それで、どういうふうにすればいいのかな?”

友人に最初に紹介された日に“フリフリ”がスタートした・・・

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そして・・・  ・・・  ・・・

微笑ましいストーリーだった♪

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◆真珠のコップ◆

“これからはクラブを通さずに、ぼくにあってくれないか?”

コールガールのリカコとぼくは・・・・

◆夢のキャッチャー◆

カルチャースクールに通いだした曜子はシナリオライターになるのが夢

だった・・・彼女との結婚を考えている史郎は曜子が

夢をつかみかけていく様子を見守りながらハラハラするが・・・

◆ローマンホリデイ◆

瑞樹はノートPCをネットに接続し、掲示板を開いた・・・

自分からメッセージを書きこんだことはないけれど、

ときおり掲示板をのぞくのは好きだった・・・

“私と『ローマの休日』をしませんか?”の一行きりの

文章が瑞樹の目を引いた・・・・

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ほのぼのとしたストーリーでハートが暖かくなる♪

わたしの好きな作品(*'-'*)

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◆ハートレス◆

「医学的には、健康なカップルのあいだで三ヵ月以上性交渉が

ない状態を、セックレスという」

レイコは自分がセックレスだなんて・・・・と

同姓中のユタカの顔を思い浮かべた・・

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悪戦苦闘するレイコの姿がなんとも可愛い♪

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◆線のよろこび◆

“サツキさんは変ってるから”

“ハンサムでそこそこお金があって背が高くて優しいだけじゃ

だめなんでしよう?” “うん”

サツキにはまだ誰も気づいていない、自分だけが

見つけることができるなにかが大切だった・・・

その男性がもつ未来の可能性、「才能」・・その人固有のもので

ほかに代えるものがない輝き、それを発見し磨きあげるのが

なにより好きなのだ・・・サツキはきらめきを感じない男には

いくら若く豊かでハンサムでも心動かされることはなかった・・・

その絵が突然目に飛び込んできた・・・

・・・中字の油性マーカーを使いフリーハンドで描かれた素朴なイラスト

だった。だが、線には味があり、淋しさやユーモア、それにちょっととがった

個性があらわれていた・・・“電車には追いつけません”

“携帯におやすみ”・・・シンプルなコピーに好感をもった・・・

その夜サッキがだした結論はこの作者に会ってみること・・・

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新しいきらめきを発見したサッキは積極的な行動に出る♪

埋もれている才能を見抜きこれまでに何人も有名なアーティストを育て

その全ての男性と恋をして・・・別れる・・

果たして山口くんとは?(゜_。)?

なかなか面白いストーリーだった♪

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◆スローグッドバイ◆

目を覚まして最初に目にはいったのは、やけに高く見える天井だった。

そのまま昔の習慣でセミダブルの左側をさぐる。

誰もいないシーツの冷たさが指先に痛かった。

もう彼女はでていったのだ。あれから10日もたつのに

同じことを繰り返している自分が少しだけおかしかった・・・

2年ぶりのひとり暮らしが再開して、

フミヒロは空っぽの冷蔵庫のように自由だった・・・・

別れたワカコとの最後のデート・・

10日ぶりに顔をあわせたワカコは奇妙に明るかった・・

一緒に暮らした2年間を記念するさよならデート・・・

友人たちはみなそう呼んでいた・・・

上手にさよならデートのプログラムを組んだ男は、女性たちのなかで

評価がぐんと上昇したりする・・・

大学を卒業して7年も経ってから、まだそんなことをするのは

バカみたいだとフミヒロも思わないわけでもない・・

別な男にのりかえた同棲相手となつかしのデートコースを

ひとまわりするなんてバカらしいことに変りはなかったが、

やるからにはしっかりやるしかないのだ・・・

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さよならデートでふたりの心に過ぎったことは何なんだろ?(゜_。)?

失うものがあれば、得るものがある。

フミヒロは不思議だった。悲しみだけでなく、なぜか心のなかに

たくさんの物語があふれていたからだ・・・

彼は前向きにストーリーを書き始めるに違いない・・・・(*'-'*)

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★1ポンドの悲しみ★石田衣良★

isida-b









“ふつうの恋のちいさな火花日常に舞い降りた一瞬のときめき10drops。”

10編の短編が収められた「1ポンドの悲しみ」は恋愛短編小説集

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★ふたりの名前★

“好きな人の名前って、しあわせの呪文なんだね・・・”

それぞれの所有物にイニシャルをつけて、互いの領域を

侵食しないように暮らす同棲カップルが、子猫を飼うことになり

気づき始めた相手への思い・・・

かわいらしい作品に思わずホロリ・・(UoU;)

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★誰かのウエディング★

“余った時間はいい男と遊べばいいんじゃない?・・・”

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★十一月のつぼみ★

“わたしの誕生日も平気で忘れちゃうひとだから・・・”

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★声を探しに★

“ほかになにか原因は考えられないんですか・・・”

広告プロダクションの経理で働く独身女性は同僚たちから

“けちんぼ魔女”と陰口を言われながらも淡々としていたが、

ある日突然声が出なくなる・・・・

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★昔のボーイフレンド★

“二枚目より正直な方がずっといいよ・・・”

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★1ポンドの悲しみ★

“今日はたっぷりサービスしちゃおかな・・・”

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★デートは本屋で★

“おもしろかった本をおしえてもらいたいんだけど・・・”

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★秋の終わりの二週間★

“今年もひとつだけおれに追いついたな・・・”

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★スターティング・オーバー★

“ほんとうに好きでつきあっていたんだろうか・・・”

ドラマみたいで、後味のいい作品だった(*'-'*)

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結婚していたり、未婚だったり、子供がいたりいなかったり・・・。

さまざまな状況で、平凡な日常を送る彼らに訪れる一瞬のときめき。

忘れかけていた恋心がくすぐられる様子が繊細に描かれている

誰しも思い当たるようなエピソードにからんだ恋の話が展開される・・・

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あとがきに「普通の女性が普通の男性に心がかたむく

一瞬の動きのほうが、僕にはおもしろいんだ!」

と書いてあるように十話中、半数以上は誰かの

ライフストーリーを拝借してしあげたそう♪

普通の女性たちの、小さな気持ちがよく描かれていると思う。

この本を読めば、何となくつまらないと思っていた自分の日常も、

ときめきの宝庫だと気づくかも知れない?(゜_。)?

ほほえましく思う短編有り、そんなのあり?と思う短編有り

小さな静かな物語の展開にも、綺麗で端的な表現(女性を描くのがうまい人)

心地よく読め、色んな恋愛の形が楽しめる♪

オトコってロマンチストなんだなぁ~ということを改めて知らされる♪

石田さんはとても聞き上手でこんなこと言うつもりはなかったのに・・・と、

思わず打ち明け話をしてしまう人も数知れないとか・・

そして、思いがけず小説の主人公になった女性たちは、

必ず喜んでくれるのだそう・・

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★40TEEN フォーティーン★石田衣良★

isida-a









☆129回直木賞受賞作☆


路地に並ぶ長屋ともんじゃ焼きの店。

“きのう”と“あした”が共存するこの町・月島で、

僕たちは恋をし、傷つき、旅にでかけ、死と出会い、

そしてほんの少しだけ大人になっていく・・・・

14歳の中学生4人組が出会った8つの瑞々しい青春ストーリー♪

☆びっくりプレゼント ☆月の草 ☆飛ぶ少年

☆十四歳の情事 ☆大華火の夜に

☆ぼくたちがセックスについて話すこと

☆空色の自転車 ☆十五歳への旅

☆:*:☆:*:☆:*:☆:*:☆:*:☆:*:☆:*:☆:*:☆:*:☆

180センチ、100キロの巨漢、ダイ。

ウェルナー症候群という難病のナオト。

勉強が得意なジュン。

かっこいいことを言ってもどこかイケてない、テツロー。

中学生って不安定な時期なのだと思う・・・

迷いながら何かを探し求めるには一番良い時期かも知れない・・

4人の少年たちが、出会った事件それぞれに対して、

素直で正直に受け止め、友情を大切にしながら成長していく様子は

とても好感が持てる♪彼らは何が大切なのか良く知っているのだ・・

感受性が豊かでまっすぐに育つ少年達の姿が清々しく描かれていて

爽やかな風を感じることが出来る(=^_^=)

石田衣良さんの文章が気に入ってしまった。

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この作品がが映像化されると知り、楽しみに待っていたのが

昨夜(2004.7.25)、WOWOWで放映された♪

今どきの中学生。彼ら14歳の4人組「4TEEN」が

様々な出会いと別れのなかで大人の階段を昇っていく姿を

瑞々しく描いた青春ドラマは小説を読んだ時の感動が蘇ってきた♪

14歳の少年を演じている4人の子役が自然でとてもイイ感じ♪

死期を悟って病院を抜け出した赤坂老人役の菅原文太さんの渋い演技が光り、

映像も美しく、胸がキューんとする素敵な作品だと思った。

撮影現場に行って来た(ロケ地は晴海埠頭)石田衣良さんはこう書いていた・・

“菅原文太さんにご挨拶する。

菅原さんは人生最後の華火をこれから見に行くのだ。

じっと役づくりに集中しているようで口数は少なかったが、

しんと静かな風格を感じさせる人だった。

4人の子役の少年たちは逆にひどく明るい。

背景は川の両岸に立ち並ぶ超高層ビル。

変りゆく東京の街並と対照的な4人組プラス1が不思議な透明感でマッチしていた。

その風景にふれて、この作品はきっとうまくいくだろうという予感をもった。

小説と映像は魚と鳥のように違うものだがいきいきと新鮮ならジャンルの別など

関係ないのだ。ぼくは14歳の少年4人の、ひと夏のドラマに期待している。

少年犯罪ばかりがクローズアップされるけれど、子どもたちはこんなふうに

風を切って時代の先端を生きているんだという勢いを、画面からあふれだし

日本中に伝えて欲しい。”と。。。(7.26)

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★ぼくとひかりと園庭で★石田衣良★
bokutohikaribokutohikari










いつか恋するこどもたちに・・・

6歳の女の子と男の子が出会う一夜の試練。

恋の不思議と、避けられない世界の残酷さに、2人は・・・

石田衣良さんが贈る初めてのジュヴナイル・ファンタジー♪

*:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆

“この世に生きるすべての恋人たちは、必ず試練があたえられるのです。

その試練を乗り越えることで、始めてふたりは本当の恋人になるのです。

ほんとうの恋には近道も、らくな道もありません。

だから、恋は尊いものなのです。(本文より)”

幼稚園にいる「ぼく」には、いつも一緒に遊んでいる友達みずきくんが一人いた。

そこにひかりという名前の女の子が転入してきた・・

一夜限り、園庭で起こる不思議な出来事を描いたファンタジー☆彡

石田さんが子供向けに書いてみたい、ということで作った童話だそうなのだけれど、

落ち着いたトーンの文章が不思議な雰囲気を出していて、悪くない作品だと思う・・

「試練」はちょっと、強引な感じがしたけれど(*∂_∂)?

版画家・長野順子のさんの挿絵がとても綺麗で印象に強く残った。








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