出産状況



「一人で来たの?初めてだよね。随分余裕だねェ~」ニコニコと満面の笑みを浮かべつつ大荷物抱えてナースステーションに行ったのが、そう見えたらしい。「じゃぁとりあえず診察してみよっか」と分娩台に横になり監視装置を着けた途端、何と陣痛の波が3分間隔に!「あら~お産早まりそうよ!あの時病院に向かっておいて正解だったねェ」『ジュース飲んでる暇無いじゃん!』間隔がどんどん短くなってきて、もう何が何だか解らない状態。「いきみたい?」との助産婦さんの声に「はぁ。。。いきみたいというよりか、う○ちが出そうなんですけど★」思わず吹き出す助産婦さん。「大丈夫よ、みんなそうだから」恥ずかしいなんて感覚は無い、それどころでは無い痛み。3時25分、子宮口が全開した。・・・いよいよだ!!

ところが。破水してから大分経つのに赤ちゃんが産道で引っ掛かって出て来れない。徐々に弱くなる心音。。。助産婦さんが二人がかりで私の体を押さえつけ院長が吸引機で産道をかき回す。院長の息子が分娩台の横の椅子に立ち、全体重をかけて私のみぞおちあたりを拳骨で押す、押す、押す!!気の遠くなる様な痛みと苦しみの中、午前4時16分、やっとの思いで出産。・・・が産声をあげてくれない!院長が慌てて処置代に乗せ、全身マッサージ、気管の吸引、酸素マスクを繰り返す。「お願い!お願い!!」祈る気持ちでその光景を見守る。涙が出た。
・・・30分後、小さな小さな・・・でもはっきりと聞こえた産声。『良かった』今度は別の涙が出た。「女の子ですよ」感動のご対面も束の間、子供はすぐに保育器へ。「だいぶ体温が下がっているので保育器に入れます」との事。『大丈夫、私の子だもん!きっと一緒に退院出来る』

お産の大変さは私の体が物語っていた。両目の激しいうっ血、お腹には拳骨で押された時のアザ。回診に来る助産婦さん達が言う「お産大変だったんだねェ」時間が短ければ安産と言う私の考えはどうやら間違えていたらしい。短くても大変な時は大変なんだ。。。骨盤が小さく産道が狭いと妊娠中から散々言われ続けて、お産の直前まで「切開かも」と言う状況だった。お産の最中も苦しくて『いっそ切ってくれ!』とまで思った、今だから笑って話せるけど★でも産声をあげた時の感動と言ったら、何物にも変えられない。・・・で、改めて思う。『女は偉大だ!!』



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