月下美人

月下美人

邂逅




「新しい隊長、来ないわねぇ・・・・」
誰に言うというわけでもなく呟く。
「確かに遅いですね。迷われているのでしょうか?僕、迎えに行ってきますね」
「あー、あたしが行くわ。挨拶しないといけないし。最初が肝心だものね」
末席の隊員が腰を浮かせるのを手で制止させ乱菊が立ち上がる。
留守番頼むわね、と手を振りながら十番隊隊舎を後にした。


昨日の大雪が嘘のように晴れ渡り、降り積もった雪が景色を真っ白に包み輝いている。
眩しさに手で光りを遮り、目指す方を見やる。
不意に風が吹き粉雪を舞い上がらせる。
きらきらと光る雪の結晶が、まるで花びらが散っているかのように思えた。
目眩を覚えるほど眩しく綺麗だ。
そして・・・・圧倒的な霊圧に・・・・魅了される。
子供の姿をしているが眼光の鋭さと霊圧は、そのものでは無かった。

「大丈夫か?」

声をかけられて初めて自分が座り込んでいる事に気が付く。
慌てて立ち上がり挨拶する。
「失礼いたしました、日番谷冬獅郎隊長ですね。十番隊副隊長を務めさせていただいております松本乱菊と申します」

マツモトランギク・・・・と復唱する。

「子供のお守りで面白くないかもしれんが、宜しく頼む」
表情一つ変えずに言い放つ。
圧倒的な霊圧を前に年など関係のない事だと思った。
それを伝えると初めて表情を和らげた。

「ありがとう、松本」


(了)


妄想の始まりは、ある歌でした。
「花びらの~ように散りゆく中で~」この部分だけですが(汗)
風で舞い上がったきらきらと光る雪の中で二人を出会わせたかったのです(笑)
後はやっぱり「ありがとう、松本」
これが書きたかったのです。


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