花音



弥生の夜に いつの間にか蕾を開く桜

ささやかに降り注ぐ雨は 少しだけ身体を締め付ける

頬を流るる涙は雨に交じり 心の芯まで冷やしていく

寄添いを欲する僕 夢で君と重ね合う



濡れた髪をそのままにして 窓から眺める淡色の桜

静寂の時の中 胸の奥を塞がれていく

ただ君に触れていたい

君の冷えた手をそっと握り締めていたい

誰よりも優しく しっかりとこの手で 



いつしか空に広がる雨雲は消え 月の光が僕を照らす

涙跡が少しだけ光を共にする

ただ君を抱きしめたい

寂しさに覆われた君の心を抱きしめていたい

誰よりも暖かく しっかりとこの心で



背伸び出来ない僕 無口で不器用な僕

桜咲く季節 花音に歌声乗せて届けたい

君の微笑みを取り戻せるのなら


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