教会で上映されていた探偵映画がクライマックスを迎えた時、機械の故障で画面がとぎれた。この時、一人の老婦人が席を立ち、犯人はわかったからこれ以上見る必要はない、と犯人をズバリ指摘して出て行った。この老婦人ミス・ジェーン・マーブル(アンジェラ・ランズベリー)は、このロンドンの郊外の町セント・メアリー・ミードに住む推理好きで有名な人気者だ。
この町では今、映画『スコットランドの女王メアリー』の撮影が行なわれており、久しくスクリーンを遠ざかっていた往年のスター、マリーナ・クレッグ(エリザベス・テイラー)が主演のため、夫で監督のジェースン・ラッド(ロック・ハドソン)と共に長期滞在を予定している。町中あげての歓迎パーティでホステスを勧めるマリーナのもとに様々な人々がやってくる。
婦人会のヘザー・バブコック(モーリン・ベネット)もそんな一人だ。彼女は、昔からのマリーナのファンで以前一度会ったことがある、ということなどを、一方的にしゃべりまくった。ちょうど、そのころ、製作者マーティ(トニー・カーティス)と共に主演女優でライバルのローラ(キム・ノヴァック)が到着し、マリーナのいる二階に姿を現した。彼女を見て一瞬顔をこわばらせるマリーナ。その直後、ヘザーが死んだ。
彼女の死はたちまち町中にひろがり、チェリー(ウェンディ・モーガン)の口を通じてミス・マーブルの耳にもとどいた。チェリーは、パーティの手伝いに行っていて、会場の様子を詳しく知っていたのだ。
やがて事件解明のためスコットランド・ヤードの警部でマーブルの甥のクラドック(エドワード・フォックス)が派遣され、ヘザーの死がカクテルに盛られた毒物によるものであることをマーブルに知らせにくる。しかも、そのカクテルは、マリーナが飲む予定だったものだ。
捜査が難行しているころ撮影現場ではマリーナとローラが火花を散らせていた。やがて秘書エラ(ジェラルディン・チャップリン)が用意したマリーナのコーヒーから再び毒物が発見された。その件で容疑が深まったエラが、常用していた鼻炎用の吸入器に仕込まれた毒で殺された。
テリーが語った、マリーナの表情が、一瞬氷のように変化した、という言葉を考え続けていたマーブルは、その時ヘザーがマリーナに何を語ったのかを調べた。その内容はヘザーがマリーナの舞台を見て感激し舞台裏で彼女に思わずキスしてしまったというものだった。
そしてマーブルは神父が語っていたある言葉を思い出した。ヘザーがその時風疹にかかっていたという事実だ。マリーナは、妊娠中の風疹が原因で障害児を産んでいる。その時ヘザーが移した風疹が原因だとしたら…。
マーブルがマリーナの滞在している館に着いた直後のクラドックもやって来た。なぜかマリーナに会わせようとしないジェースン。マリーナを愛する彼は全てをしっていたのだ。そして事件を解いてみせるマーブルに、彼はマリーナの名誉を守るため昨夜チョコレートの中に毒を入れ彼女を永遠の眠りにつかせたと告白した。マリーナの部屋に入った 3
人は、しかし、そのチョコレートを飲まず、自ら毒を飲んで死んでいったマリーナの最後の姿を見出すのであった。
『 クリスタル殺人事件
』( The Mirror Crack'd
)は、
1980
年
の
イギリス
の
ミステリ映画
。
監督は
ガイ・ハミルトン
、主演は
アンジェラ・ランズベリー
。
アガサ・クリスティ
が 1962
年に発表した『
鏡は横にひび割れて
』(原題: The Mirror Crack'd from Side to Side
)を原作としている。
· この映画の原題「鏡は横にひび割れて」は テニスン の詩「シャーロット姫」 (The Lady of Shalott ) の一説で、この詩は アーサー王伝説 に現れる美姫がモチーフとなっている。シャーロットの塔に閉じ込められている姫は騎士 ランスロット に一目ぼれし、塔から抜け出す際に鏡が割れて呪いがかかり、ついには小舟に横たわって死んでいくというモチーフを指している。なお元となった アストラットのエレイン も参照の事。
·
マリーナとヘザーの関係が、アメリカ人女優
ジーン・ティアニー
の実体験と酷似しているため彼女がモデルとする説が存在するが、実際は偶然の一致であり、クリスティはティアニーの事を知らなかった。
(ウィキ)
アンジェラ・ランズベリー
、ジェラルディン・チャップリン、トニー・カーティス、エドワード・フォックス、ロック・ハドソン、キム・ノヴァク、エリザベス・テイラー、
ウェンディ・モーガン、モーリン・ベネットなどが出演し、
ピアース・ブロスナンのデビュー作でもあります。
安楽椅子探偵
なので、映像的な見せ場はなく映画もこれ1作だけのようです。
見所は、エリザベス・テーラーVSキム・ノヴァックでしょうか。
テーラーの方がずっと年上と思っていましたが、1932年と33年生まれの 1歳違い
です。
映画製作の場面も興味深かったです。
日本語吹替について、出演した
納谷悟朗
によると「久し振りに往年のアテ師が一堂に会した作品」だったため記念写真を撮ったといい、「とても演り易かった」「あんなキャスティングは二度と無かったし、もう無いでしょう」と語っている。また、共演した
羽佐間道夫
と
広川太一郎
もこの収録を覚えており、羽佐間も「あれがこういうメンバーが一同に集まって録った最後の作品だったんじゃないかなあ」と述べている。
(ウィキ)
今度は、吹替え版で観てみたいです。
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