原発立地の町長が姿勢一転「安全性アピールは難しい」と再稼働に慎重発言 震度 7 の石川・志賀 稲岡健太郎氏
能登半島地震で震度 7
46
)が、本紙の取材に応じた。町内に立地する北陸電力志賀原発について、 2007
年
と 23
年
に能登地方で地震が頻発した状況を引き合いに「北陸電力は再稼働を目指すとのことだが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と語った。 重大事故を想定し、住民の避難経路を抜本的に見直す必要性を強調
した。(染谷明良)
◆
「再稼働の道筋が見えてこない」
昨年末、前町長が逮捕された贈収賄事件に伴う町長選で 初当選 。その約 1 週間後、未曽有の震災が起きた。町長選では「化石燃料に頼り、電気代も高騰している現状では、 すぐにでも原発を再稼働すべきだ」と主張したが、一転、慎重な姿勢に態度を変えた。
原発の耐震性については「敷地外の活断層を巡る専門家の意見や原子力規制委員会の判断を待つ」としたが、「安全対策の強化や審査の長期化などを考えると再稼働の道筋が見えてこない」と指摘した。
◆
これまでの避難訓練「現実的でなく、訓練のための訓練だった」
年に 1 度実施の県と北陸電による避難訓練にも言及。想定されている避難経路が今回の地震で壊れ、寸断したことを受け「 海にも空にも逃げられない。現実的でなく、訓練のための訓練だった。 抜本的に見直す必要がある」と語った。
町内に 16 カ所ある放射線防護施設については「 1 カ所に 40 〜 50 人を収容し、 1 週間以内に救助隊が来る想定で、備蓄があると認識している」と説明。だが「万が一の場合、全町民を受け入れる容量はない。施設を何倍も増設する必要がある」と、 町防災計画の見直し を検討する考えを示した。
防災服で取材に応じ「地震直後、原発事故が頭をよぎった。その後、北陸電の説明を聞き、稼働停止の現状を踏まえ、事故はないと分かった」と振り返った。その上で「むしろあの揺れをよく耐えたな、というのが率直な思い」と続けた。
志賀原発
1
、 2
号機とも 2011
年から運転停止中。北陸電力は 2
号機の再稼働を目指している。 23
年 3
月、再稼働の前提となる新規制基準の適合審査会合で原子力規制委員会は「『敷地内に活断層はない』との北陸電の主張は妥当」と判断。敷地周辺断層による地震の最大震度や津波の想定について審査が続く。今回の地震では、壊れた変圧器から 2
万リットル以上の油が漏れ、想定していた周辺の避難経路が寸断された。
原発立地の町長が姿勢一転「安全性アピールは難しい」と再稼働に慎重発言 震度7 の石川・志賀 稲岡健太郎氏 (msn.com)
柏崎刈羽原発の再稼働を求める請願、新潟柏崎市議会は3 月下旬に結論出す見通し 特別委員会で審査へ | 新潟日報デジタルプラス (niigata-nippo.co.jp)
請願
国や県、市町村に対し、その職務に関する要望や意見を述べることができる制度。
同様の制度である「 陳情
」とは異なり、憲法で国民の権利として定められており、提出するには議員の紹介が必要。
全国の原発立地地域では、地元の議会が原発の再稼働を求める請願を採択したことで、再稼働に向けた手続きが進んだ例がある。
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