2007年6月8日ﾚ･ﾐｾﾞﾗﾌﾞﾙ20周年初日
さすが２０周年とだけあって、ロビーはお祭りのよう。
なんだこりゃ～! 天井から派手にぶら下がっているコゼット・・・。コゼットがパステルカラー・・・
客席入り口近くの柱には、俳優たちのメッセージ色紙。力作揃い。
１階ロビーの一角に、教会のテーブルセットがあった。バルジャと司教と妹と女中もいて一緒に写真撮影ができるのだ。ちゃっかり彼ら（マネキン）と写真撮影をしました。恥ずかしくもロビー係員の方に頼んで…
２階へ行くとアンジョルラス役が着る衣装が並んでいる。囚人→労働者→失業者→治安官→裁判官→パリのアンジョルラス→バリケードのアンジョルラス→ウェイター。どなたが着ていた衣装でしょうね。パリのアンジョルラスのネクタイは大きな赤色だったから１９９４～２０００年のものだな。
プログラムは、レッドとブルーの２種類ある。レッドはノーマル版、ブルーは２０周年記念版である。ページをめくってびっくり、同じ公演のプログラムとは思えない。
ブルーを買った。こ、これは本当にプログラムと呼んでよいのだろうか・・・プログラムらしいページが１ページもない。レッドとブルー両方買いましょうってことかな。
とまあ、賑やかなロビーであります。
本編ですが、2000回スペシャルから２年。再び鹿賀ジャベールを目撃できるとは・・・！声量はちょっと気になるが、重量感は健在。変わらずかっこいい。
なんといっても鹿賀さんの眼力はすごい。恐ろしい。バルジャンを睨む眼は熱く凍りつくようだ。このジャベールを演じる時以外にはない、凍りつくようなセクシーさがたまらない。
別所バルジャンは初めて見た。別所オーラを完全に隠して、バルジャンになりきっている！１０年後のパリに登場するときの老いの変化が見事だときいていたが、戦いのあと病院でマリウスに告白をする場面ではっとした。この人はなんてこれほどにも悲しくバルジャンを表現してしまうんだろう・・・。エピローグのバルジャンも、名前の通り“惨め”であった。すばらしい・・・石井バルジャン公演並みに号泣してしまった。
これはCDだけでは別所バルジャンのすばらしさは伝わらないな。
岡さんは、相変わらずアンジョルラスにぴったりとハマって、美しい。歌も抜群。でもちょっと、お化粧がやけに気になってしまいました。学生の中で岡一人だけノッポだし、岡一人声に迫力があって、岡一人汗臭さがまったくない。岡アンジョルラスの目立ちっぷりはそれはそれで良かったです。このままいくと、岡さんは京本正樹になってしまいそうな気もしますが☆
今日のガヴローシュ（横田剛基くん）はとても良かった。勢いがあった。たくましく生きるガヴローシュが見えた。倒れ方もぐいっと惹きこまれてしまうほど。
メロディーは、ところどころメロディーや伴奏が新しくなっている。
一番大きく変わっているのはガヴローシュのナンバーだ。抽象的だった詞が具体的な反骨表現になり、ガヴローシュがより知的に見えた。メロディーもダークに変わって、刺激的だった。
カーテンコールで鹿賀さんは「僕にとってはこの作品は悲しすぎまして、今日の別所君が演じているのを聞いてまして、ついついぽろっと涙がでてしまって『俺はジャベールだジャベールだ！』…今日は本当に最高の思いをさせてもらいました！」と語った。あの厳しい思い眼差しはこの葛藤との戦いの賜物かしら？
２０００回スペシャルバージョンでは６人いたメンバーも、鹿賀さんと岡さんのたった二人だと寂しい。他のキャストがぐんと若いから余計気になる。島田エポニーヌと、禅マリウスも２人だけで別の日にスペシャルバージョンだし、なんか微妙。やるならプリンシパル全員でスペシャルメンバーにしてほしいものだ。
プログラムといい、ロビーレイアウトといい、レ・ミゼラブルはどういう方向に向かっているんだろう・・・。ダンス・オブ・バンパイアの最後に、山口祐一郎のアカンベー写真の垂れ幕を持ってきた頃から、東宝ミュージカルに不安を感じております。
しかしとにかく、“レ・ミゼラブル”という作品自体は素晴らしいし、作品の進化も魅力的だし、今日は部分的に大いに楽しめたので大満足です。
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