血友病とともに70年・・・・・・・・そして現在は透析治療中【真実の追究】

血友病とともに70年・・・・・・・・そして現在は透析治療中【真実の追究】

歪められた血友病の歴史

 基本的に「血友病」を確定診断できるのは医師のみです。日本では、この医師が原因の、血友病に関する誤った考え方が、信じられない事に全国に拡散されてしまっていたのです。日本の血友病患者にとっては、悪夢のような出来事が現実に起こっていました。この元凶となったものは、’31年(昭和6年)初版発行の、医学生から医師に至るまで広く講読されてきた南山堂発行の医学大辞典でした。

 問題は、この南山堂医学大辞典の’39年(昭和14年)発行以降の、「血友病」の欄に、なんと「8歳以前で60%が出血死」、と記載されていたというのです。いったいこれは、いつの時代の、どこの国の統計なのでしょうか。さらに問題は、この統計には調査対象人数が入っていないことです。恐らくこれは、たった数名の亡くなった血友病患者のみの統計です。この内容は、‘77年(昭和52年)3月の毎日新聞の記事で、世の中に公表されました。'77年以降は、改定されている筈ですが、なぜ38年間も間違いが訂正されなかったのでしょうか。私は、この年には既に24歳。体調は絶好調で、血友病が原因の死を意識したことなど全く無く、夢にも考えられないことでした。そもそも、’39年には、日本の血友病患者の生存率がこれほど低かったのか、そこから疑問です。

 もし、この統計が正しいとすれば、これは、主に限られた病院で亡くなった血友病患者のみの統計であり、私のように生存する血友病患者は、病院にも行かない場合も多く、特に昔は、実際に血友病患者が何人いたのかも正確には把握できていなかったはずです。これを、単純に血友病患者全員の平均死亡年齢と考えさせること自体、無理のある話です。また、調査対象人数が入っていないことで、如何にいい加減な調査内容であったかが解ります。血友病に関する調査は、日本だけの話ではなく、全世界でも、年代が遡るほど調査対象人数が少なく、信憑性に欠ける内容になっていた、と考えられます。

 この時代は、血友病患者の重症度までも正確に把握できない時代であった筈です。百歩譲って、’39年の内容が正しかったとしても、大東亜戦争後の日本は、一般庶民の生活環境も著しく変わっており、この極めて低い血友病患者の生存率が38年間も続いていた筈がありません。

 さらに問題は、南山堂医学大辞典で勉強したデリカシーに乏しい無能な医師が、浅はかな知識として、日本の血友病患者に誤った情報を流布してしまったことです。血友病患者は、血友病と診断されただけでは、直接の死亡原因にはなりません。にもかかわらず、血友病と確定診断しただけで、「20歳までは生きられない。」などと告知することは、ただの脅しにしかならないのです。この間違えた考えが方が、非加熱の輸入濃縮製剤の大量消費に繋がっていった、と考えられます。


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