なかちゃん@那覇の日々のくすりばこ

けっこう険しい?薬剤師への道

けっこう険しい?薬剤師への道

僕が薬剤師になって8年たちます。現在、薬剤師国家試験は240問ですが、僕は200問の時の最後の代でした。薬剤師になるためには、まず大学の薬学部に入学して、卒業後の国家試験に合格しなければなりません。ここでは、大学時代にいかにしてその用意をするかというのを、母校である静岡県立大学薬学部のカリキュラムに則って、書いていこうと思っています。ただし、現在薬学部6年制導入が取り沙汰されているので、ここで書いてあることも変更が出てくるかもしれませんので、あしからず。


①大学入試では?
 静岡県立大学の場合、大学入試センター試験により、志望者が多数の場合はいわゆる「足切り」が行われます。2次試験は現在、理科2科目になっています。僕が受験した時は、英語・数学・理科2科目で、理科は化学が必須で、物理・生物が選択になっていました(僕は物理で受験)。現在は、物理と化学が固定になっているようです。数学はないのですが、微積分と確率・統計の分野は必須なので、この分野は高校でもしっかり勉強しておくべきです。微積分の知識は物理化学や薬剤学で、確率・統計の分野は薬理学で使用します。ちなみに、静岡県立大学薬学部には、薬学科と製薬学科があります。僕は製薬学科出身です。

②1年次では?
 僕が大学生の頃、「一般教養過程」というのがありました。専門の科目以外で必要な科目がありましたが、現在ではなくなっています。その代わりとして、これをベースにした「全学共通科目」というのがあるそうです。それと語学(英語・ドイツ語)、数学、生物学を学びます。僕が学生の頃は、専門科目は3科目だけでしたが、現在では下記のとおりになっています。

 (1年次専門科目)
  薬学概論・基礎化学・無機化学・物理化学・有機化学・生物化学・分析
 化学・基礎生物学
 (基礎実習)化学・生物学・物理学

 見てのとおり結構ハードですが、1年次のうちで共通科目を取っておけば、2年次は結構楽ですよ。部活もバイトもできるし。

③2年次では?
 2年次では、全学共通科目と科学英語のほか、1年次からの専門科目に加えて、薬学部らしい科目が増えてきます。専門科目は必修になっている科目がほとんどです。

 (2年次専門科目)
  有機化学・生物化学・衛生化学・公衆衛生学・機能形態学・分子構造解
 析学・製剤学・天然薬品学・分子生理学・基礎免疫学・社会薬学・薬理学
 (専門実習)有機合成化学・薬化学(薬学科必須)・薬品製造化学(製薬
学科必須)・分析化学および薬品物理化学・生化学および生物薬品化学

④3年次では?
 これはカリキュラムが変わってからそのようになっているのですが、3年次では、(1)衛生薬学、(2)創薬、(3)医療薬学の3つのコースに分かれて、さらに専門性の高い科目を学びます。専門科目も増えて、もっとも忙しい1年間を過ごすことになります。

 (3年次専門科目)
  有機化学・病原微生物学・薬物療法学・生物物理化学・薬剤学・薬物動
 態学・薬理学・機器分析法・分子疾患学・環境毒性学・放射化学・放射性
 医薬品学・放射線生物学・医薬品安全性学・病院薬学・臨床生化学・日本
 薬局方
 (コース別選択科目)
  医薬品合成化学・生体分析化学・病理形態学・応用天然物学・裁判化学
 遺伝子工学入門・植物分子細胞生物学・基礎糖鎖生物学・医薬品情報学・
 有機反応論・農薬学・医薬品管理学・創剤工学概論・免疫化学・医薬品副
 作用論・構造生物学・環境生化学・臨床検査学・生物学的試験法・基礎ウ
 イルス学・バイオイメージング学
 (専門実習)生薬学(薬学科必須)・微生物学・放射薬品学・薬理学・病
 態薬学・薬剤学・薬品製造工学・薬品資源学(製薬学科必須)・臨床薬品
 学

 実習についてですが、設備については文句のつけようがありません。本当に最新の機器を利用して、最高の環境で実習ができます。

⑤いよいよ4年次!
 4年次になると、専門科目は「薬事関係法規」のみになります。また、学部生全員が17ある研究室に配属され、「特別実習」と称した卒業研究を行います。最新の設備のもとで、最先端の研究機会に触れることができます。また、1ヶ月間「病院・薬局実習」が必須になっており、薬剤師業務に触れることもできます。後期に入ると、いよいよ国家試験対策も本格化してきます。大学生活の中で、もっとも胃の痛くなる時期にさしかかるのです。

⑥さぁ、卒業そして国家試験!
 卒業して1週間後くらいに、国家試験があります。全国7ヶ所(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・徳島・福岡)で行われます(僕は東京で受験)。現在、出題問題数は240問、基礎薬学・医療薬学・衛生薬学の範囲から出題されますが、だいたい6割~7割が合格ラインといわれています。4月の末に合格発表があります。

⑦試験に合格したら、即登録に!
 合格したからといって、すぐに薬剤師として活躍できることはできません。合格したら、自分の住んでいる地区の保健所の免許担当の部署に行きましょう。そこで諸書類を提出しますと、各都道府県の衛生主管部局を経由して、厚生労働省に送られます。そこの「薬剤師名簿」に登録されると、登録済みのはがきが届きます。その瞬間から、晴れて「薬剤師」として、大手を振って歩くことができます。登録から約半年後くらいに、免許証が手元に届きます。


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