新・学力への挑戦

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なかむら@ Re:6×3は、6+6+6のこと?6×0は、どういう計算?(09/08) なぜ速度は足し算できないのですか?100キ…
なかむら@ Re:6×3は、6+6+6のこと?6×0は、どういう計算?(09/08) なぜ速度は足し算できないのですか?100キ…
某所で久しぶりに、この件に触れたモノでつい・・・。@ Re:6×3は、6+6+6のこと?6×0は、どういう計算?(09/08) 10年以上前の記事に文句を付けるのも何…
meisinn2006 @ Re:それはきっと・・(04/16) akibareさん >1基あたりエンジンが7つ…
July 25, 2007
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カテゴリ: 教育と学力
先日、ある研究会で、拙著『新・学力への挑戦』に対して、次のような質問が出された。
「この本に納められている実践は、80年代後半のものであり、その後、生徒たちも劇的に変化してきている。このような実践は、現在ではうまくいかないのではないか」というものであった。

さて、拙著が取り上げている内容は、1975年以降の実践で広範囲にわたっているが、、特に1987年から3年間、1年、2年、3年と持ち上がりで担当した時の実践は最後の第7章でとりあげ、本書の重要な内容になってはいるが、その後の1990年から2000年3月に定年退職するまでの10年間の実践例を、現実の世界を批判的に読み解くメガネを手に入れる数学の学びとして、第1章(指数関数)と第2章(確率)で取り上げている。昨日書いた原発が大事故を起こす確率は、98年と99年の実践である。したがって、拙著はけっして80年代後半の実践とみなすことはできない。

しかも、その後、2003年までの4年間、2つの大学において非常勤講師として、総合学習研究や教職概論等を担当する中で、高校以下の学力問題が大学生の中にどのように反映しているのかを研究する必要を感じてとりくんだ実践例も紹介している。したがって、拙著の内容は、過去のものではなく現在につながる内容をもっている。

いや、むしろ、過去から一貫して取り組んできた本質を大切にするという角度からの授業づくりが、高校1年から3年まで、さらに大学生にまで通じるということにこそ、今、重要な関心を払ってもいいのではないだろうか。

私の取り組む授業の領域は、いろいろ変化したが、その核心には、いつも現在の競争の教育―暗記主義と操作主義に流され、点数や偏差値でしか学びをとらえられない日本の教育、学力問題に対する危機意識があったーに対して、もっと違う学び方があるではないか、学校は、各教科は、もっと本質を大切にした学びを太い軸にしていかなければならないのではないかと考えて取り組んできた。

本質的なことは、現実の世界とかかわっていて、つながりあっていて、発展性があり、学ぶ意味と面白さを教えてくれるものであり、学ぶ意欲を与えてくれるものである。この間の生徒たちの変化はたしかに非常に大きいけれども、ある意味で、その変化に対応できる学びは、暗記主義や操作主義ではなく、本質を大切にする学びの充実というところにこそ解決の糸口あるのではないか。

これらのことをふまえて、ここで簡単に実践の経過を整理すると、次のような関係になる

(1)80年代前半までの高校3年の本質がわかる微積分の授業づくりの視点と方法が、その後、1,2年の数学1・2の授業づくりとしても有効であった。80年代後半、高校1年から3年までを持ち上がりで担当した授業づくりの実践(拙著第7章)はその具体的な事例となっている。

(2)上記80年代後半の本質を大切にした授業づくりの視点と方法は、その後、90年代(~2000年3月)の授業づくりにおいても有効であった。

(3)高校における本質を大切にした授業づくりの視点と方法は、2000年以降の大学の授業づくりでも有効であった。大学生たちは、本質を学ぶということの意味をはじめて知り、「目からウロコが落ちた」と感動した。

(4)拙著『新・学力への挑戦』は、70年代後半から現在にいたるまで、一貫して本質をこそ大切にした学びの創造に取り組んできたささやかな実践記録であるが、今日、全国学力テストが実施され、足立区の不正事件に象徴されるようなおろかな競争にまきこまれた日本の教育において、改めて、学びの原点とは何かを教育に関心をもつすべての人たちに問いかけていきたいと考えている。



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Last updated  July 25, 2007 10:10:59 PM
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