新・学力への挑戦

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某所で久しぶりに、この件に触れたモノでつい・・・。@ Re:6×3は、6+6+6のこと?6×0は、どういう計算?(09/08) 10年以上前の記事に文句を付けるのも何…
meisinn2006 @ Re:それはきっと・・(04/16) akibareさん >1基あたりエンジンが7つ…
February 15, 2008
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カテゴリ: 教育と学力
Katakuriさんとkatakuri mama さんからのすばらしいコメント

昨日,私が出した<問題>に対して、Katakuriさんとkatakuri mama さんのお二人から、すばらしいコメントが寄せられました。お礼を申し上げて、ここで改めて紹介させていただきます。
Katakuriさんは、現在15歳です。くわしくは  ホームスクール リベラ実践記  へどうぞ。


Katakuriさんのコメント

a/x+b/y=(ax+by)/xyと計算したのだと思います。
正解した問題は分子が等しいので上の式のように計算しても正しい答えが出ます。
結局通分の意味がわからず計算方法を間違えて覚えていたのだと思います。Katakuri 


katakuri mama さんからのコメント

分数の意味が、イメージとしてわかっていないんでしょうね。分数・通分も水道方式の図で表すやり方はとてもわかり易いのだけれど実際のイメージが伴わず数字の操作だけしてしまうと、こういう珍答が後を絶たないのでしょうね。
プロセスがだいじなのですが、このケースではそれ以前の分数そのものの理解に問題がある気がしますがkatakuri mama



私の出した問題は次のようなものでした。

<中学1年生の答案>

1. 1/2+1/3 =5/6    
2. 2/3+1/5=11/15
3. 2/5+2/7=24/35
4. 3/7+2/5=31/35

<問題>まず上の4題を解いてみて答えあわせをしてください。そして、この中学1年生は、なぜ、途中の式を書かなかったのか考えて、あなたの考えをのべてください。



さて、この<問題>に対する答えですが、私がこのときどうしたのかということをお話して、答えにしたいと思います。この中学1年生をT君という仮名でお話します。

 じつは、T君に出会ったのは、以前、私の住んでいた地域で、知り合いのお母さん方から、算数や数学ができなくて困っているのでみてほしいと言われて、気軽に引き受けてしまったのですが、日曜日に会場に行ってみたら、小学生など20人近くが集まっていたのです。その中にT君もいました。

私は、何気なくT君の答案に○×をつけていて、とても答えだけの答案に何か変だということを感じました。そこで、T君に、「途中の式を書いてみて」といいました。
T君は、しばらく書こうとしませんでしたが、ようやく最初の問題の計算式を書いてくれました。
その式を見たとき、私は、信じられませんでした。

1/2+1/3=2/6+3/6=5/6

と書いたのです。

「えっ!どうして 1/2が2/6になるの?」と聞くと、

T君は、鉛筆で数字を指しながら、
ぼそぼそと両方の分母をかけて新しい分母をつくること、
そして、分子は、自分の分母の2と分子の1をかけて2にする

と言いました。
そこで、1/2は2/6 と直したのです。そうすると、1/3は3/6 に直して、

1/2+1/3=2/6+3/6=5/6

となり、5/6という正しい答えにたどりついていたわけです。

「なるほど~!」私はびっくりしてしまいました。
それでやっても、確かに正解になるからです。
そういう解き方もあったんだあ!すご~い!
答えだけ書くなら、T君方式だっていいではないか??

でも、この解き方は、両方の分子が同じ時にしか正解にならないのです。
1/2+2/3 などとなると間違った答えになるのです。

このいきさつを、katakuri さんは、じつに簡潔に説明してくれたわけです。

ところで、私の出した<問題>の後半には、さらに、「T君は、なぜ途中の式を書かなかったのかを考えて、あなたの考えをのべてください」とあります。

そこで、これまで解明してきたことをもとに、T君が途中の式を書かなかった理由を考えてみたいと思います。

 私の想像では、中学1年生になるまで、T君は、分数が魔物のように見えたのではないかと思うのです。

 なぜなら、同じやり方をしているのに、あるときは○になり、あるときは×になるからです。でも自分の覚えた計算方法は、これしかないのですから、分数の加減ということになりますと、この方式で解くしかなかったのです。しかも、悲劇は、○をもらったところこそがじつは間違っていたということです。


 これでは、どんなにどっさり宿題を出してもらっても、T君にとっては何の役にもたっていなかったことは言うまでもありません。

 T君は、小学校時代、ず~っとわけのわからない○と×をもらい続けてきたわけですから、自分の考えを式という形で表現する自信を完全に失っていたのではないかと思うのです。

 途中の計算式のない答えだけの答案は、こうして生まれたのです。やはり深いわけがあったのです。

 それは、T君の問題というよりも、現在の教育のもっている深刻な問題がこういう形で現れてきているというように見た方がいいのではないかと思われます。

 Katakuri mama さんが指摘されたように、分数そのものから、わかるように教えることを大切にする学校や先生だったら、あるいは倍分ということをしっかり折り紙などで教えてくれる学校や先生だったら、T君の間違い方に法則性があるということに気がつき、もっと早く気がついて直してあげることができたかもしれませんね。

 私は、このような教育の中で、かえって子どもたちの自信を失わせていくことがあるという事実を知っていただきたいなあと思います。

 いろいろな国際比較で、日本人には自信が足りないという結果がでてくる背景には、自信を失わせる教育が広がっており、それが、教育内容の質とかかわっているのではないかという疑問をもつことが大切ではないでしょうか。

 今、学力問題ということで、算数ではドリルをどっさり宿題にだすなどということが、何か一生懸命やっている学校や先生みたいに見られる風潮さえある中で、改めて、何をどのように教えるのかという原点から、教える内容、質を問い直さなければならないと思うのです。

 今日、文部科学省は、新学習指導要領を発表し、担当大臣の記者会見もありましたが、ゆとり教育は間違いで、小学校でも算数の教える内容や時間をふやすというようなことが報道されていますが、一番大事な教育の質の問題は検討されず、なおざりにされたままでしたね。

 余談になりますが、T君の間違いは、授業の中に発見できれば、みんなで考えて、分数計算を深く理解する非常に面白い問題になると思うのです。

 50歳を超えたスタンダールというフランスの小説家は、マイナス×マイナスがプラスになることを、「借金×借金=財産 になるということは、どうしても理解できない。10万円の借金と5万円の借金をかけると、なぜ50万円の財産になるのか」と頭を悩ませたといいます。(遠山啓著『数学入門』上 66ページ 岩波新書)
 考えてみると、T君の悩みは、このスタンダールの悩みに匹敵するほど大きなものだったのではないでしょうか。

 Katakuri mama さんから追加のコメントを頂いておりました。
私の言いたいことをもっともっとよく整理していただいておりますので、ちょっとずるいのですが、紹介してまとめにしたいと思います。

私の答え 付録版!! シューレ・リベラさん

もう一つ、このケースで気になったことがあったので追伸です。

こういうケースで困るのは、まぐれでこのように当たってしまうので、本人も親もあるいは教師も、この子は50%は出来るんだと思ってしまうことなのです。

実は、彼(彼女かな)はそもそも分数についても、通分の意味もほとんどわかっていない・・その意味では零点なのだけれど、何となくみんながその点を見過ごしてしまい、わからない事がどんどん積み上がって、基本のぐらぐらな、とても脆弱な「数学」という建物ができあがってしまうことだと思うのですが。

しかも困るのは、遠山先生も指摘しておられたように、わからないのに出来てしまう子どもが、年と共に増加している点です。

「○○式」に代表されるような、わかってないのに、数の操作だけ覚え込ませるトレーニングの増加もそんな現象に拍車をかけているのだとおもうのですが・・。




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Last updated  February 16, 2008 12:09:08 AM
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