STARDUST*星屑

STARDUST*星屑

ACT 02 : Fate

依頼請負本部 MSC



ACT 02 : Fate-運命





          MSC、それは依頼を請け負う秘密裏企業。

          簡単に言えば「何でも屋」とも言える。

          この時代にそんなことが出来る者はごく少数でしかない。

          依頼があればパーフェクトに実行、MSCの噂は絶えることはなかった。



          ***



キーン コーン カーン コーン


          あたり一面に学校のチャイムが響いた。

          ダダダダダッ、と廊下には全速力で走る竜樹。
あさぎ りゅうき
          遅刻大王、浅木 竜樹は今日も遅刻になりそうで、只今非常にヤバイ状態である。


キーン コーン カーン


          「ちょちょちょっと待てや!まだチャイム早いとちゃう!?」


          と叫びながら


コ―――――――――――――…


「竜樹、ウルトラ~アトミック~スライディ――ング!」



…――――――――――――――ン


ズザザザザ―ガラッ


          見事なスライディングをかました。

          廊下は12のダメージ、教室のドアは45のダメージをくらった。


「フー…セーフや!」


「いや、アウトだ」


          ツッコミ早ッ、竜樹は参っちゃう~とおちゃらけている。
はが
          そしてツッコミをいれた芳賀先生は「244回表、浅木竜樹選手アウト(遅刻)」

          と言いながら出席簿に でかく かつ 丁寧な字 で遅刻欄に「浅木」と書いた。


          「なんやなんや…またアウトかいな」


          「あぁ、もう2軍入りさえできない勢いだ」


          さっさと席につけ、と先生の言葉に竜樹は素直に従う。



          ***



          もう5月に入ろうとしている。

          4月の学校行事の歓迎遠足も終わり、皆は一息ついた頃だ。

          今日も2年2組、芳賀学級は平和に(平和じゃねぇよ俺は by芳賀)過ごす。


          「さて、全員出席になったことだ。転校生を紹介しよう」


          教室内がざわめく中、一人の少女がおずおずと教室に入ってきた。

          芳賀先生は、白いチョークで黒板に『神菜 光』と書いた。
かんな あきら
          「神奈川の方から転校してきました、神菜 光です。」


          見た目は可愛いに属していて、髪型はショート。

          トロンとした目は大きめで、一言で言うと癒し系な感じが第一印象だった。


          「ヒカリって書いて『アキラ』って読みます。よろしくお願いします!」


          「光ちゃんかぁ~カワエエな!」


          いきなり竜樹は立ち上がり、光の手をブンブンと硬い握手をかわす。

          それに光はおどおどとなる(当たり前だ)


          「あ、あの…」


          「ん?なんや?」


          周りの視線が痛い…なにより光は可愛い&癒し系だ。

          他の男子の目がギラリと光っていて形相が凄い…。

          その上、竜樹は勉強以外はとび抜けていて、外見は勿論カッコいい。

          女子の目なんてさらに痛い…

          転校初日、これは本当に痛いよ…


          「竜樹、とりあえずお前は席につけ、そして変なことを神菜に教えるなよ!」


          芳賀先生はこのイヤな雰囲気をどうにか脱出させた。

          助かった…本当に助かったよ先生!どうもありがとう!


          「変なこと?そないなことわかってるで! 大雨に乗ったつもりでおったらええよ!


          ………

          …………… 大雨!?


          「 激しく間違ってるぞ 。そもそも 大雨にどうやって乗るんだ…


          これだから俺は平和に過ごせないんだ。なんて俺はとても可哀想なんだろう…。

          浅木は服装も違反しまくりなのに、俺は生徒指導…ハァ…。

          芳賀先生は竜樹が1年のときも担任だったので、自分の不運さに嘆いた。


          「んじゃまぁ気を取り直して、神菜の席はー…ハァー…コイツの席の隣か…」


          「コイツ?」


          光は頭に?を浮かべながらコイツと呼ばれた人に目を向けた。

          …浅木、と先生が言ってたかな。先ほど握手を交わした人だ。


          「いいか、神菜。コイツはもうダメだ!ダメなんだ!普通でいいから!な!」


          「俺はダメやないねん!パーフェクトや!超人や!」


「黙ってろ」


          光の席は後ろから2番目、窓際あたりになる。

          そしてその隣が竜樹の席だった。

          光は席に座った。

          竜樹は「これからよろしゅうな~」と未だにハイテンションだ…



          ***



          1校時の休み時間が終わり、いっせいにクラス中の生徒が光のところへ集まった。

          転校初日、正直驚いてばかりなよう気がする…


          「ねぇ!神菜さんは好きな人いる?」


          「神奈川の方では芸能人とかあったことある?」


          「神菜さんだっけ?カワイイね~、俺と付き合わねぇ?」


          様々な質問が光へ飛び交う中、ある一つの質問が出た。

          それに隣にいた竜樹は聞き耳を立てた。


          「あ、趣味とか何?私さー、ピアノ弾けるんだー!」


          趣味…かぁ、まぁたいしたことは出来ないけど…

          うーん、まぁ一応趣味には入るかな。


          「趣味はね、一応パソコン扱えるよ。お父さんが詳しいから私もそれにちなんで、ね」


          「へぇ~凄いねぇ!」


          それを聞いた竜樹は「ふーん…」とつぶやく。

          そして口元はニヤリと、何かを見つけたような怪しげな態度。

          ちょうど光はその光景を目にした。

          やはり頭に?を浮かべてはいたが、あえて気にしない。

          それが運命の始まりになることさえ知らずに…


          プルル… プルル…

つき
          「あーもしもし?月?あぁ、イイ逸材見つけたで。コイツは絶対使えると思うんや」


          校舎裏で携帯で誰かに電話をかけている少年が一人いた。

          金髪の…両耳に合計5つもピアスをつけている少年。

          首には黒い十字架のネックレスをかけていて、口元を上げながら笑みを浮かべる。


          「これはもう決まりやな。これからのコト考えて誘うべきやと思うで」


          そう、コレカラノコト。

          運命の歯車は止まることなく回り始めた。


          「俺らMSCには、重要な逸材や。今日あたりムリにでも誘い込むで」


          終わりを知らない。止まることも知らない。

          ただ、回ることだけを目的に…


          「まぁ、ムリやったら…後は、あんさんに任せるしかないわな、よろしゅう」


          プツッ


          「これから仕事が楽しみやな」


          一言、そういい残して少年は校舎裏から消えていった。


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          竜樹はOFFで人気が高いです。

          これから人物が増えるのですが…めんど(銃声


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