波のマニマニ

波のマニマニ

初めての病院生活


当時まだ開院して、五ヶ月。
どこもかしこもピカピカで、明るくて、ホテルみたいなロビー。
患者さんもまだ少なくて小児科病棟に整形の患者さんも同居していた。

波次はプレイルームで遊んだり、大好きな売店で大好きなアイスを買うのを日課にしたりと、意外と病院生活に文句は出なかった。

反対に波のストレスはつのっていった。
相談できる人がいない、随時、誰かがいる病院では泣いたりできない、もちろん波次の前では絶対泣けない、でも波次の相手をする意外、他にすることがないから、いろんな事を考え込んでしまう時間だけはたっぷりあった・・・

入院して四日目。六日後に手術が決まった。

この時期ちょっとトラブルが。
その1
持続点滴してたんだけど、どうも点滴の落ちるスピードが早すぎる気がする。
波次のおしっこの量も多い。

で、看護婦さんに言ったんだけど、機械もつけてるし、そんなことないって。
朝一だったので、とりあえず新しいパックにとりかえてもらって様子を見る事にした。
本当なら一日もつのが、昼頃にはもうなくなってきたので、ナースステーションに言いに行った。
でもまた信用してもらえない、私はプンスカして病室に戻った!
暫くすると婦長さんが、機械がおかしいみたいだから・・・と、替えにきた。
あやまりもなしかい?
その時はただの水だから良かったけど、これが大事な薬だったらどうすんの!

その2
波次と私は最初7号室に入った。
でも次の日、肺炎の子が入るからって6号室にうつされた。
で、数日すると同じ部屋の赤ちゃん二人がロタになった。その時、7号室にロタの子はいたけど、6号にはいなかった。
波次は感染したら手術がうけられなくなるので、今度は五号にお引っ越し。
これって院内感染?
病気の子供自体はうろうろしてないけど、大部屋同士の母はトイレや廊下を共有してるし、看護婦さんだって・・・
もっと不思議なのは、反対の廊下の個室に入院していた子もロタに感染しちゃったこと・・・


夜、消灯を過ぎても寝てくれない波次をおんぶして廊下を歩いていたら、知らない先生から声をかけられた。
落としたら腫瘍が破裂するかもしれないから、おんぶやだっこはあまりしないでくれと言う事だった。
その時は「なんやこの先生?」って感じやったけど、このH先生がこれから一年お世話になる先生だった。


手帳から~

波次の手術日が決まった。その後の治療がとても大変そうだ。
でも波次が一番つらいと思う。
一体、どうなるのか予測もつかない。
どうしてあげたらいいんだろう。
本当に髪の毛がぬけたりするのかな?帽子買ってあげなくちゃね。
早くお家に帰れたらいいのに
病院の中で春を迎えているが、これから夏や秋も迎えるかと思うとやりきれない。


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