NANA ARIA HOUSE

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エジプト神話における生死と不死


エジプト神話において、人間は肉体、バー(Ba,云わば魂)、カー(Ka,云わば魄)の3つの要素から成り立っていた。人が死ぬとバーは肉体から離れ冥界へ行くが、肉体がそのままであればカーがバーと肉体の仲立ちをして再び此岸に戻ってくることができるとされた。そのため肉体の保存が必要となり、ミイラ作りが盛んに行われた。ちなみにバーは、人間の頭をした鷹の姿で現される(人頭鳥)。エジプト神話の生死を書く上で、欠かせない神、オシリス神とアヌビス神についてと、死者の書について調べた。オシリスは、古代エジプト神話に登場する神の一柱。イシス、ネフテュス、セトの4兄弟の長兄とされる。王冠をかぶり、体をミイラとして包帯で巻かれて王座に座る男性の姿で描かれる。神話によれば、生産の神として、エジプトの王として同国に君臨し、人々の絶大な支持を得たが、これを妬んだ弟のセトに謀殺された。尚、この際、遺体はばらばらにされて、ナイル川に投げ込まれたが、妻であり妹でもある、イシスによって拾い集められ、ミイラとして復活。以後は、冥界の王としてここに君臨し、死者を裁くこととなった。その一方で、自身の遺児・ホルスを、イシスを通じ後見して、セトに奪われた王位を奪還。これをホルスに継承させることに成功。以降、現世はホルスが、冥界はオシリスがそれぞれ統治・君臨することとなった。神の死と復活のモチーフは各地の神話において,冬の植物の枯死と春の新たな芽生えを象徴しており、オシリスにも植物神(もしくは農耕神)としての面があると見られる。古代エジプトの墓の遺跡に彼の肖像が描かれるなど、その名前が記録されているのはそのためであり、当時の人々の死生観に彼の存在が大きく影響していたことの現れである。アヌビスは、エジプトの中でも比較的に古い時期から崇拝されていた神で死者の神であり、犬またはジャッカルの頭部を持つ半獣もしくはジャッカルそのものの姿で描かれた。これは古代エジプトにおいて、死肉を求めて墓場の周囲を徘徊する犬またはジャッカルが死者を守っていると考えられたからである。また、そもそもアヌビスはセトのモデルとなった動物と同じく、ジャッカルや犬と似てはいるが現在は絶滅してしまった別のイヌ科の動物やまったくの想像上の動物であるとする説もある。その身体はミイラ製造時に防腐処理のために遺体にタールを塗りこみ黒くなるのに関連して真っ黒だった。オシリスがセトに殺された時はオシリスの遺体に防腐処理を施してミイラにしたとされ、そのためアヌビスはミイラ作りの監督官とされ、実際にミイラを作ったり死者を冥界へと導く祝詞をあげたりする際にアヌビスの仮面を被って作業が行われた(このミイラ製造に携わる仮面をかぶった職人ないし神官はストゥムと呼ばれた)。ひいては医学の神ともされている。また死んだ人間の魂(バー)を速やかに冥界へと運ぶために足がとても速いとされる。またオシリスが冥界の王となる以前の冥界を支配、管理しておりオシリスが冥界の王となった後も彼を補佐してラーの天秤を用いて死者の罪をはかる役目を担い、その様子はピラミッドの壁面などに描かれている。死者の書は、古代エジプトで死者とともに埋葬されたパピルスの巻き物。死者の霊魂が肉体を離れてから冥府の国に入るまでの過程を描いたもので、心臓を天秤にかける死者の裁判の章は有名である。秤の目盛りを見つめるのはアヌビス神。また、秤には真実の羽根と死者の魂がそれぞれ乗っており、死者が真実を語ればオシリスの治める死後の国へ、嘘偽りであればアメミットという魂を食らう鰐に似た怪物に食べられるというシーンも描かれている。おもに、絵とヒエログリフという神聖文字で構成されている。エジプト人たちは、「死」を「永遠の肉体&魂」を手に入れるための旅立ちだという風に考えた。死後旅立ったバーは、「楽園」と呼ばれるあの世へ行く途中で「最後の審判」を受ける。それを無事通過したものだけが楽園へと入ることが出来、神々から「永遠の命」を授かって、再び現世へと戻ってくると言われている。


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