NANA ARIA HOUSE

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無題



取得時効完成時の所有者に対しては、時効取得した者は登記をせずとも所有権を主張できる(大判大正7年3月2日民録24輯423頁)。

取得時効完成前に第三者が所有権を承継した場合、時効取得した者は登記をせずとも対抗できる(最判昭和41年11月22日民集20巻9号1401頁)。

取得時効完成後に第三者が所有権を承継した場合、時効取得した者は先に登記しなければ対抗できない(最判昭和33年8月28日民集12巻12号1936頁)。ただし、背信的悪意者は第三者にあたらない(最判平成18年1月17日民集60巻1号27頁)。

取得時効完成後に第三者が所有権を承継して登記をしても、新たに取得時効が完成した場合、時効取得した者は当該第三者には登記をせずとも対抗できる(最判昭和36年7月20日民集15巻7号1903頁)。
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取得時効と登記に関しては、
「時効完成後の第三者に対しては、時効取得者は、登記なくして対抗できない」とするのが、判例の原則であった。
また「時効完成前の第三者との関係は、当事者関係なので、時効取得はこの第三者に主張できる。」
そして、「時効の起算点を動かすことはできない。」
「但し、時効完成後の第三者が登記手続を経た時点から、再度時効期間が経過した場合は、占有者は新たな時効取得を主張できる。」等の判例原則もある。

下記 1は、再度の時効取得に関する、2は、時効完成後の第三者が背信的悪意者である場合に関する最近の判例。
司法試験等の勉強の際の定番論点に関する最近の判例であることから紹介。


1 最判平成15年10月31日判時1846号7頁
取得時効の援用により不動産の所有権を取得してその旨の登記を有する者は、当該取得時効の完成後に設定された抵当権に対抗するため、その設定登記時を起算点とする再度の取得時効の完成を主張し、援用をすることはできないとされた例

2 最判平成18年1月17日民集60巻1号27頁 判時1925号3頁
(1) 実体上、物権変動があった事実を知る者において、同物権変動についての登記の欠缺を主張することが信義に反するものと認められる事情がある場合には、登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有しないものであって、このような背信的悪意者は、民法177条に言う第三者には当たらない(従来の判例理論のとおり)。
(2) 甲が時効取得した不動産について、その取得時効完成後に乙が当該不動産の譲渡を受けて所有権の移転登記を了した場合において、乙が、当該不動産の譲渡を受けた時点において、甲が多年にわたり当該不動産を占有している事実を認識しており、甲の登記の欠缺を主張することが信義に反するものと認められる事情が存するときは、乙は背信的悪意者にあたる。
とされた例
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不動産登記とは、不動産(土地・建物)の物理的現況及び権利関係を公示することを目的とする登記で、取引の安全を保護するのに役立つ(公示力)。不動産の物理的現況を公示する「表示に関する登記」と、権利関係を公示する「権利に関する登記」の2種類に分かれる。

不動産に関する物権の得喪変更(物権変動)を第三者に対抗するためには、不動産登記(権利に関する登記)をする必要がある(民法177条)。例えば、不動産を購入した者は、売買契約によって所有権を取得する(民法176条。意思主義)が、その登記を怠ると、第三者に所有権を主張できないという不利益を受ける(場合によっては所有権を失うこともある)。これは、登記を信頼して取引に入った第三者を保護するとともに、このような不利益を受けないために権利者が登記を具備するよう促すことによって、実際の権利関係と登記が一致する状態を維持するためである。これによって、登記を信頼して取引関係に入ることが可能になり、取引の安全が担保されるのである。

ただし、以上とは逆に、実際には無権利者であるのに、権利者であるかのような登記がされていたとしても、これを信頼して無権利者から買い受けた者は保護されない(不動産登記には公信力がない)。
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所有権保存登記(しょゆうけんほぞんとうき)とは登記の態様の1つで、表題部にしか登記がない不動産につき、初めてする所有権の登記である。申請や嘱託による場合のほか、職権で登記される場合もある。
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所有権保存登記の抹消

所有権保存登記のみがされており、所有権移転登記がされていない場合には所有権保存登記を抹消できる(不動産登記法77条)。また、所有権保存登記の抹消登記は共同申請ではないものの、不動産登記法63条1項に準じて、真正な所有者が確定判決により単独で申請をすることができる
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所有権移転登記(しょゆうけんいてんとうき)は登記の態様の1つ。

不動産(不動産登記法においては土地及び建物)の所有権が現在の登記名義人から他人に承継された場合、第三者に対抗するためには原則として所有権移転登記が必要となる(民法第177条)。その方法は一般承継か特定承継かによって一部手続きが異なる。なお、所有権の登記のない不動産については、まず所有権保存登記(不動産登記法74条ないし76条、不動産登記規則157条)を行わなければならない。
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時効の援用とは、時効の完成によって利益を受ける者が、時効の完成を主張することである。時効の援用とは、時効の効果を確定的に発生させる意思表示であるということもできる。 当事者が時効を援用しない限り、時効の効果は発生しないものとされている(民法第145条)。
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[編集] 時効の効力(時効の援用)
時効は当事者が援用しなければ裁判所は時効の効果を前提とした裁判をすることができない(145条、除斥期間との相違点)。時効による利益を享受するか否かをその利益を受けるべき者の意思に委ねるという考え方であり、時効により本来なら得ることのできなかった利益を得ることを潔しとしない「武士道精神」を尊重するのに適した「良心規定」として、フランス法にならって導入されたといわれる。こうした趣旨から、時効が援用された場合の効力は時効を援用した本人にしか及ばない。これを時効の相対効という。また援用とは逆に、時効が完成した後で時効の利益を受けないという意思表示、つまり時効利益の放棄をすることもみとめられている(145条)。放棄も援用と同様、放棄した本人にしかその効力は及ばない。



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