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貨物船の旅
その意味でもこれは希少価値だ。
私にとってもはじめで終わりの1回きりの経験だ。
3800トンの船はプラスチックの原料とかやらを運んでいるので
危険物船なので神戸沖合から船出した。
家族や友人は小型の船から手を振っている。
「やった!」
心で叫んで意気揚揚(これが前述したところにある写真)と日本を脱出。
波は静かであった。が紀伊半島を抜けたところから揺れ出した。
太平洋だ。
私は自由になった。
もう何もすることはない。
そこで寝ることにした。
準備のためにしたことを羅列すると
お花(未生流)、お茶、日本舞踊(春雨と黒田節)などこれは
実際習ったしNZ人の前で花はいけて踊りも踊った。
お茶は道具がなかったのでお手前はできなかったが。
日本の紹介のために会社をめぐり
日本の特徴を集めた。
お金がないので日本紹介のためだと言う一大目的を
掲げて資金集めの毎日。
30数名の援助と励ましを得てそのころ集めたお金が
約30万円!(大学出の初任給が1万5千円だった!)
カネボウという会社からは「日本の絹」という映画フイルムを
借りてきたりした。
毎日4時間以上寝たことはなかった。
それに自分でもアルバイトを20箇所ほどした。
土方、交通の車を数える仕事、家庭教師、本屋での荷造り、
などなどは一日働いて350円、土方で500円のアルバイトは夏の日に
帰ってきてご飯も食べられず寝込んでしまったが、
仲間の5人は次の日は3人、そして3日で終わる仕事が
私ひとり残ったので1週間はたらかせもらって3500円はうれしかった。
体というのは3日がんばれば慣れるものだ。
一番つらいアルバイトは宛名書きだった。
もう2度とやるまいと誓ったほど。
そこで寝ることにしたのだ。
なんと出航して2昼夜、私はご飯の時以外は寝ていた。
甲板でのすがすがしい風、満天の星、波を蹴立てて走る船の
エンジンの音だけ・・・・・。
見渡すかぎり海ばかり、太平洋の広さは限りない。
夜の甲板から下の海に映る月は、金魚すくいのように
すくえそうだった。
空を見上げてなぜ夜に雲がなたびいているのが見えるのだ?
と1等航海士に聞くと
「ばか、あれは天の川だ」
真っ白にたなびくのが星だとは!
赤道に近づくとその1等航海士は、
「赤道には2メートルくらいの赤い帯が引いてあって
誰にでもここが赤道だとわかるから夜中に通るから
見ておくように。」
と言う。
翌朝私はそんなの信じないから起きなかった、と言った。
しかし、
それが太平洋の真ん中では、本当のように聞こえるから
不思議だった。
赤道は眠っている間に通過した。
朝食のとき船長の木村さんが
「君、生まれて初めて南半球の人になったなぁ」
言われて初めて気づいて何かうれしくなってしまった。
海の色も、温度も別に変化はなにもない。
早速母に電報と打った。
「セキドウスギタウミバカリナニモミエズ」
鉛筆を食堂で立てた。
船は滑るように走っている。微動ダニしない。
鏡の上を滑っていた。
赤道の上。波なし、望遠鏡でみるとマストだけが見える。
地球は丸い! 俺は地球が丸いと言うことを信じる!
そのマストの次に船が現れてくる。
航海士にあの船まで何kmですか?
聞くと200キロメートルはあるよ、とのこと。
200キロメートル先のものが肉眼で見えるのだ!
その船が汽笛を鳴らして右舷を過ぎ去っていく。
双眼鏡のなかで3,4人のノルウエーの船員が手を振っている。
こちらの船員は、双眼鏡を手に取ろうとさえしない。
電報を打つとすぐにバラエティーに富んできた。
ソロモン群島の南を速度13ノット。
島が転々と見え始めた。
また1等航海士は言う。
「双眼鏡をのぞくと裸の女性がフラダンスを踊っているのが見える。」
その望遠鏡を取り上げて覗いてみる。
見えるはずがない。
「甲板の掃除でもします。」
暇なのだ。
「ありがとう。でも結構です。」
「それならあのマストに登らせてください。」
「いいでしょう。でも落ちたら甲板がへこむので止めてください。」
食堂が楽しかった。
船長、1等航海士、機関長と同じテーブルに座らされて
側にはタオルを腕に給仕がついていた。
親しくなった2等航海士さんやボースン(機関部のおやじさん)
などは階下の食堂だ。
先輩の口利きで松下電器の貿易関係の者と言う肩書きで
乗せてもらったから、下にもおかない待遇である。
赤道に差し掛かる前や、赤道を過ぎると船が揺れだした。
片手をテーブルの端をつかみ、体を支えて両足を踏ん張って
箸を口に持っていく。
お椀やコップが右に行き左に行く。テーブルの枠が少し高くなるように
なっていて落ちないようになっているので滑っても床には落ちない。
3等航海士が気分が悪いと言って寝ているそうだ。
見舞いに行く。
「ご機嫌いかがですか?」
「・・・・・・・・・・」
1等航海士が食事はうまいかい?と私に聞くので
「ハイ、うまいです」
「強いな、」と感心してくださった。
「こんなの揺れているうちに入らない。」
へー、これで揺れていないの!
後で彼は、無事ニュージーランドに着いたとき
こう言った。
「あのように言わなければ、気がゆるんで吐き気をもよおすといけないから
そう言ったけれども、よくがんばった。あれはよく揺れていたのだよ。」と。
「プロでも酔うくらいだったからね。」
それ以後も、私は酒に酔ったこともない。
もちろん酔うことをさえ知らない。
でも違う意味で人生を酔わせてもらっている。正気の状態で・・・・・・。
それから数ヶ月後には酒をきらいになってしまったこともあるが・・・・。
こうして航海は続いていく。
後半貨物船紀行にご期待を!
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