スピリットが人を生かす

=====ある塾長が荒野で叫ぶ声==２００２年１２月２１日号==

スピリットが人を生かす
No.１　　２００２・１２．２１

心にしみることば

「私は忍耐が一番大切だと思います」
と元広島カープの衣笠選手が言うと、誰も文句を言わない。
しかし、私が同じように、
「私は集中力が大切だと思います」
と言っても、
「おまえが勝手に思っているだけだ」
とそれがたとえ正論であっても、相手にされないかもしれません。
　なぜなら、言っている本人がどんな人であるかが問題であることが多いから。
　思う、思いますという言葉が、
そこかしこでやたらに使われ、
自分が到達した自分考えがやたらに使われ、
自分が到達した自分の考え、哲学、思想、
道徳的観念が述べられている昨今である。

　私も、ここまでいろいろ感じたこと、
体験したことを一つの論理のように述べさせてもらってきた。
よくここまでつきあってくださったと感謝しており、
どのようにその感謝の子持ちを言い表したらよいかわからない。
もう少しつきあっていただければ、
結論として何が言いたいか分かっていただけると
思うのでよろしくお願いしたい。

　ある話家がいた。彼は一門の大家になり、
一芸に秀でて名声と地位を不動のものとしていた。
彼の出演するラジオ番組やテレビ番組は
その当時として多くの視聴率を獲得していたが、
彼の家族はバラバラ、息子はやくざな人となって彼の名声とは裏腹に、
悲しみの一因となっていた。
彼は、落語会でひとつの卓越した能力を発揮したがゆえに、
人生訓話的なものについても自分の意見をそこかしこで述べていた。
彼の「・・・と思いますな、」は、
たとえ真理であって正論であっても力はなかった。
人は面白半分に聞いてはいたが、その正論が、
間違った生き方をしている人々をどれだけ矯正し指導し、
人生の方向転換させたかは疑問だ。

　道に迷っていたとき、出会った地とに道を尋ねると、指を指して、
「あっちの方と思います」と言う。
なんとかめざすところに着きたいが、ひどく不安であった。
「わかりました。そこはまっすぐ行って２つ目を右に折れて、
２百メートル行った左側にあります」
と教えられたら、安心してそこに行き着けたであろう。
その人が、道案内に不慣れであったため、
～と思いますと言われたのか、けんそんの表れであったのか、
どちらにしても道案内としては失格である。
　いや、正論であればそれを正論として聞けばよいものを、
「私は～と思います」
と付け足されるだけで、あぁまたあなたの意見か、
とつぶやいてしまう私は、人間不信なのかもしれない。

　お母さんが子に、
「私は、あなたが毎日２時間は勉強しなければならないと思う」
　先生が生徒に、私も言ってきたことだが、
「あらゆる知識を自分のものとするために、有効な手段は読書だと思う」
とか言う、「私は・・・・と思う」は、その人が思っているほど、
聞く者にそんなに影響力も力もない。
　正論であり、正しくあればあるほど、
そのすばらしい忠告、励まし、叱責は聞く者に
金銭を与えないで買い物をお願いするようなものだ。

　この世の賢者、学者は多いし、人前で語る者も多い。
しかし、そのような人々の、
「私は・・・と思います」
と自分の意見や論理を語る口調ではない語りをした人がいた。
その人のことをある人はこう書いている。
「この人がこれらの言葉を語り終えられると群衆はその教に驚いた。
というのは法律学者のようにではなく
権威ある者のように教えられたからである」と。
　また次のように書いてもいる。
「ご自分の郷里に行って・・・教え始められた。
すると彼らは驚いて言った。
『この人は、こんな知恵と不思議な力をどこで与えたのでしょう』と。
　この人が、あまりに力強く権威ある者のように語られたので、
人の誉れを得て数多くの会場で語ってきた、
いわゆる、「私は・・・思います」的口調の力のない
暗やみに響くやかましいドラの鐘のような語り人たちが、
この人を殺そうと相談し始めた。なぜかと言うと、
群集がみんなその人についていくようになり、
その教えに驚嘆し始めたからである。そして、
その時代の権力者で自分自身を述べ伝えていた人々は、
その人を殺してしまったのである。

　今、この日本に物は氾濫し、暗やみに空しく響く鐘が
鳴り渡り、そこかしこに、人の教えや考えがマスメディアを
通して満ちあふれ、その語尾に、
「私は・・・と思います」
のラッパが聞こえている。

　私たちが、本当に待ち焦がれている声は、
あなたや私の声ではなく、あなたや私が、
「私は・・・と思います」
と言って、殺してしまっている力強い権威ある者の声なのである。
　やる気のない者にやる気を与え、
意気消沈している者に活力を与えるのは、真理のことばである。
　自分の考えを語らず、人々を驚嘆させたことば、
すなわち命の道を語った人を十字架の刑に引き渡した裁判官が、
その人に一言最後に尋ねた。
「真理とは何か？」

　人々の本当の道案内人は、何もお応えにならなかったが、
自らいのちに到る道をご自分の死で示された人こそ、その人である。
クリスマスはその人の誕生日だ。ことばが真理で真理が生れた日だ。

ひとこと：
新しい年に新しい門出を演出してください。
自分を見つける旅の出発の年としてほしい。
古いものを脱ぎ捨てて新しい着物をきるように。
皆様の祝を祈ります。
外面的にはニュージーランドへ留学など（英語や野外活動）
そして内面的な新しい自分を造るためにも
外面的な環境を変えてやることも大切でしょう。

http://www.rakuten.co.jp/jakotour/　

また、http://www.newlife-jp.com　で報告しますので興味ある人は
詳しいことをメールでおたずねをしてください。
　　詳細は、Ｅ－ｍａｉｌでお尋ねください。

これは、２００２年クリスマスの３日前に書きました。　　　

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