◆長屋村       あらっ!ご近所さん♪

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March 28, 2010
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カテゴリ: ◆NovelでTea☆Time





夕食時、亜紀と母の芳子はキッチンで夕食の支度をしていた。
「亜紀、来月の卒業旅行の段取りはついたの?」
「ええ、東北に決まったわ」
「東北の何処なの?」
「岩手県にしたの」
「岩手県だと、遠野は民話の故郷ね。石川啄木に宮沢賢治もそうだわね」
「ええ。でも今回はちょっと違うのよ」
「違うって?」
「佐智子がね、海が見たいって。それに美佐代は雪祭りが見たいって言うのよ」
「それであなたはどっちがいいの?」
「私は鍾乳洞が前から一度見たかったの。だからね、岩手だとそれが全て見られるのよ」
「それは凄いわね」
「リアス式海岸でしょ。龍泉洞でしょ。岩手雪まつりでしょ。みんなの夢がいっぺんに叶うわ」
「それじゃ、願ったり叶ったりじゃないの」
「そうなのよ」
「お母さんは、山口県の秋芳洞へ行ったことがあるけど、とっても綺麗だったわ。鍾乳洞って神秘的よね」
「それに幻想的だと思うわ。写真でしか見たことがないから、是非見てみたいの。今回の旅行はみんなの夢が叶ってすごく楽しみなのよね」
「何泊するの?」
「三泊四日よ。バスで一泊でしょ。宮古で一泊、盛岡で一泊の予定なの」
「列車やバスの時間は調べてあるの?」
「それはまだ、これからよ」

『続いて事故のニュースです。先ほど高速深川線で追突事故があり、追突された乗用車の助手席の女性一人が死亡し、大人の男性一人と子供一人が怪我をして病院に運ばれた模様です。現在木場から福住間が通行止めとなっております・・・・』

「あなた、お食事の準備が出来ましたわよ」
「おう、出来たか」

テレビのニュースを見ていた浩二が、居間のソファからテーブルへ移って来た。 
大村浩二 五〇才・会社役員
大村芳子 四十七才・主婦
大村亜紀 二十二才・浩二と芳子の一人娘で、滝野川女子大・英文科を間もなく卒業するところである。
四月から父の会社が良く利用する旅行代理店に内定していた。
亜紀は、仲の良い女友達三人で卒業旅行を計画していた。

「亜紀、今の時期、東北は寒いだろう?」
浩二は箸を動かしながら亜紀に尋ねた。
「それがね、岩手の東海岸には雪が無いんですって。内陸から日本海にかけては数メートルも積もるそうだけどね。だから今が絶好の観光スポットよ」
「それは都合がいいものだな」
「全くそうね。私たちが行くのを待っているみたいだわ」






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Last updated  September 16, 2010 11:30:54 PM
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