今日は宴会が入ってないけど・・・明日はまたひとつある。
PTAの役員会だ。
いつもなら校長室を借りて会議をするんだけど、「どうせなら、飲みながらやりましょうよ。」・・・・そんな事務局長の話しから、安く飲ませてくれる居酒屋で開催することになった。
案件はひとつ・・・・・
来年の役員人事についてである。
この5年間は私がずっと会長を務めてきたが、いよいよ来年は消える。
子供が留年しない限りは、私が会長になることはない。
そこで、来年の人事について話しをしておこうというのだが、何も私の意向で決めるわけではない。
「PTA会長選挙」に当たっては、選挙管理委員会なるものが組織され、「選挙の公示」が行われて、立候補の受け付けを開始する。
この時立候補があれば、選挙が行われ・・・・(一人の立候補者の場合は信任投票が行われる)・・・・そこで会長が決まるわけだが、・・・まず立候補する物好きはいないと思う。
となると・・・・「選挙管理委員長」から「立候補者がいない」旨・・・私が報告を受け・・・・ただちに「推薦委員会」が召集される。
この推薦委員は・・・・前年度の学年部長が当たることになるのだが・・・・そこで集まった時には遅いのだ。
したがって・・・・「立候補がなかった時の推薦委員になるべき人たちを前もって集める」・・・そして会長候補者を決めておかなければならない。
もちろん誰もなりたくないわけだから、みんなで押しつけ合いっこをするわけだが・・・・そこで私が・・・「この人ならどうだろうか?」と意見を申し上げる。
ここが貫録の見せどころ。
「あいつはどうも・・・・・」という意見でもあろうものなら、グイッと睨みつけるのである。
たいていこれで決まることになるのだが・・・・今年は果たしてどうなることやら・・・・
最近、この「ライオン・ナイト」も「老ライオン」になり果てたから、効き目はないかな?
ということで、続きをどうぞ・・・・・・
《歌手になるつもりが・・・(47)》
「〇美子ちゃん・・・・覚えてるような覚えてないような?・・・・でもナイト君を見たとき、なんとなく懐かしい感じがしたから・・・・もしかしたら似てるのかもしれないわね?」
ハッキリ言わせてもらうが、従姉の「〇美子」と私は全く似ていない。
でも、私の母は・・・8人兄弟の5番目・・・・長女の熊本の伯母とは・・・もしかして一番似ている。
私と母は似ているから・・・・「キリン先輩」が懐かしいと感じたなら・・・それはきっと伯母が私に似ているからだと思う。
料理が運ばれてきた。
「じゃあ、いただきましょうか・・・・」
しかし、料理を食べながらも、「キリン先輩」の母親の口は止められなかった。
「ところでナイトさん・・・・お父様は何をしてらっしゃっる方なの?」
「あ、小さいながら建設会社を営んでます。」
我ながら「営む」という言葉が出てきたことに驚いた。
「建設会社というと・・・・家を建てたり?・・・」
「あ、建築部門もありますが・・・・道路港湾河川・・・そう言った土木工事を主体にしています。」
「あなた・・・・ご長男で土木工学科ということはそのうち青森にお帰りになるのね?」
これはおそらく・・・うちの大事な娘を青森くんだりまで嫁に連れて行く気か?・・・という圧力に違いないが、ここで嘘を言ってもしょうがない。
「一度は大手ゼネコンに勤めて修業したいと思いますが・・・そのうち、青森に帰ると思います。」
「身元調査」はまだまだ続いた。
「ご兄弟は?」
「高校生の弟と、中学生の妹がいます。」
「そう?・・・・何年生?」
「弟が高校2年で妹が中学1年ですが。」
その時になって、彼女の弟が初めて口を開いた。
「ああ・・・じゃ僕と一緒だね?」
「ああ・・・そうなんだ?・・・・じゃ受験勉強、大変だろ?」
「そうでもないよ・・・まだ2年生だからね。・・・・ナイトさんの弟って何かスポーツしてる?」
「イヤ特に部活とかはしてないけど、野球でもスキーでも何でもやるね。」
「スキーか・・・・・ナイトさんは出来るの?」
「青森の田舎だからね・・・・・なんとか滑るくらいは・・・・・」
「いいなあ・・・スキーは子供のころ連れてってもらったくらいで・・・・やってみたいなあ・・・・」
「それじゃ、今度連れてってやるよ。」
そんなにスキーに自信があるわけではないが・・・・・転ばない程度なら滑れる。
「なに言ってるんですか?受験生が・・・・・滑るは禁句でしょ?大学に入ってからにしなさい 」
彼が大学に入る頃は・・・私は大学3年・・・・「キリン先輩」は社会人一年生になっているはずだ。
こうして取り調べのような会食は続いた。
最後のコーヒーが出る頃には・・・私はへとへとになっていたが・・・・
「ねえ・・・明日はどうするの?」
母親が「キリン先輩」に聞いた。
「明日はね・・・・ナイト君が青森に帰るでしょ?・・・・・だから弟さんや妹さんにお土産を買いに行くんだって・・・・だから付き合ってあげようと思ってるんだ。・・・弟さんのはまだしも、妹さんの物は女の子じゃわからないこともあるからね?」
そんな予定は全くなかった。
明日はアパートの掃除をして洗濯をして・・・・そのつもりなんだけど・・・
まあ、男のアパートに行くなんて言うのは言いにくいことではあるが・・・・・
そこで、会食は終わりになった。
私はその場で失礼して電車で帰ることになった。
いくらなんでも今日は送る必要もない。
電車に乗ってどっと疲れが出て・・・・私はいつの間にか眠ってしまい、危うく降りる駅を乗り過ごしてしまうところだった。
「あれ?・・・明日は彼女・・・アパートに来るのかな?・・・・それともどっかの駅で待ち合わせをして買い物に行くのかな?」
私はきっと疲れていたあまり、頭が混乱していたに違いない。
ようやく明日は・・・・適当な時間にアパートまで来てくれる約束を思い出した。
続く
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