先日・・・あるホテルで宴会がありました。(毎日あるんですけど・・・・)
ちょっと早めに着いちゃったんで・・・ロビーでたばこを吸っていたら・・・・通りかかった女性が・・・・
「ナイトさん、ご無沙汰してます。」って・・・・・
「あ。どうもお久しぶりです・・・・・お元気でしたか?」と挨拶したんですが・・・どこの誰だったか全く思いだせない!
この私がですよ!?
あれだけの美人を思い出せないなんて・・・・いまだに考えています。
《歌手になるつもりが・・・(48)》
合宿の疲れか・・・それとも前日の「キリン先輩」の母親疲れか・・・・・とにかく私は自発的に起床することができなかった。
目が覚めたのは・・・・ドアのチャイムのおかげ・・・・目覚まし時計を見ると・・・もう9時を過ぎていた。
「ちょっと待ってください!」
慌てて起き出し、手で髪を撫でつけながらドアを開けると・・・そこには「キリン先輩」が立っていた。
「おはよう・・・」
彼女はにこやかに笑いながら入ってきた。
「今、起きたみたいね?」
ドアを閉め・・・彼女は手に持った荷物を玄関に置いた。
「だって、しょうがないじゃないか?・・・・昨日急に呼び出すんだもんな!」
私は愚痴っぽく文句を言う。
「上がっていいんでしょ?」
そう言いながら靴を脱ぎ・・・上がりがまちに足を掛ける。
そして、私の首に両手を回し・・・・もう一度「おはよう」といってキスをした。
こうやってみると・・・・2歳年上の彼女だが・・・・可愛くて愛おしくて・・・・年上だというのも忘れるくらいだった。
「ああいうのって・・・・やっぱり覚悟を決めてから行くもんだよ・・・・急にって言うのはどうも・・・・」
私はまだ文句を言い続ける。
「いつかは覚悟を決めて来るつもりなんでしょ?・・・だったら少し早くなったくらいいいじゃない。」
首に回した手をほどくと・・・・彼女は玄関に置いた荷物を一つ私に手渡した。
「なんだい、これ?」
「あなたの従姉・・・〇美子さんに渡してって・・・・お母さんから」
たしかに従姉は・・・仙台の大学から熊本には帰らず・・・・夏祭りの時期は私の実家に来ているが・・・・今年も着ているかどうか定かではない。
「でも驚いたなあ・・・・・麗子の家族とうちの伯母の家族が知り合いだったなんて?」
「そう?・・・あ、朝起きたばっかりだったら・・・・コーヒー入れてあげるね?」
「キリン先輩」は軽く受け流すと、・・・かいがいしくコーヒーの準備に取り掛かった。
「そう・・・って・・・麗ちゃんは驚かなかったのかい?」
私が尋ねると・・・
「うちの母ってね・・・・ちょっとしたことからヒントを見つけて・・・そこから何でも見つけ出す名人なのよ。・・・・・あなたの熊本の伯母さんとうちの母がどれだけ親しかったか知らないけど・・・・あなたの伯母さんが水前寺公園に住んでるって言うのをひとこと言ったら、その家の娘が仙台の大学に行ってるって言うのも調べあげちゃったのよ?・・・すごいと思わない?」
そう言えば、今でも付き合いがあるなら別として・・・・15年くらい前に同じ水前寺公園に住んでいたというだけで・・・・娘の大学まで知っているというのはおかしかった。
「もしかしたら・・・あなたに昨日聞いたことだって・・・すでに調査済み・・・もっと言えば、あなた自身が知らないことまで調べ上げてるかもよ?」
「キリン先輩」は少し脅すような顔をした。
「でもね・・・・昨日・・・家に帰ってから、まじめな子ねって言ってたわよ。」
すぐに表情が変わる。
「真面目?」
「そう・・・裏を返せば・・・・自分が調べたことと寸分の狂いもなかったってことかもね」
「俺・・・・なんでも正直に答えたよ!」
「そう?・・・・母には正直に答えたかもしれないけど・・・あたしにも正直でいてね?」
「麗子にだって嘘はついてないよ!」
「隠しごとも?」
これには言葉が詰まった。
「ほら・・・すぐに顔に出るんだから・・・ナイト君って可愛い!」
そう言うと彼女は「クククッ」と笑う。
「嘘だよ・・・隠しごとなんか何もないから・・・・」
「あたし昨日・・・なんであなたを家族と会わせたか知ってる?」
「キリン先輩」は突然・・・・話題を変えたかのように見えた。
「U山さんの家に遊びに行くことになってるでしょ?」
ばれてる・・・・・・
ここは冷静に対処しなければ・・・・どこまでもしらばっくれるぞ!
「あれは、U山さんのお母さんが・・・俺のこと可哀そうだからご飯でも食べさせたいって・・・・」
「だったらうちの家族があなたに御馳走するために呼んだって良いわけでしょ?」
「それとこれとは・・・・・」
「だって・・・あたしの方が優先権はあるわけだし・・・・・」
真夏ではあったが・・・・今まで汗の出てきたことのない汗腺からも汗が噴き出てくるのを感じた。
ちょっと出かけます・・・・続く
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