今朝は除雪のために早起きしちゃって・・・・でも、深夜の除雪の機械がうるさかった割に雪の量は少なかったんですよ。
おかげで一時間の予定が30分で終わっちゃって・・・・・
ゆっくり新聞を読みながら、お茶を飲む時間まであったんですけど・・・・今になって眠い。
《歌手になるつもりが・・・(72)》
「T崎先輩たち」の遅刻で・・・・20分遅れのゲネプロスタート。
「ハイ、ワン・ベルなって・・・ツー・ベルが鳴りました。・・・ピアノさんどうぞ」
今日の日のために演劇部から借り出された演出担当の学生が合図をすると・・・・オープニングの前奏が流れ出した。
どんな曲と聞かれても・・・・・我がコーラス部が定期演奏会のオープニングに使っている曲で、・・・・なんでも15年ほど前の先輩が作詞作曲したらしい。
前奏が15秒ほど流れ・・・・幕の影にいる指揮者の合図で歌い始めると同時に緞帳が上がって行く。
本番と同じように進められていくゲネプロだから・・・・客席の照明も薄暗くなっていた。
客席には数名の人影が見えた。
(あれは・・・・T崎先輩のマネージャーと・・・・社長だな?・・・・こっちにいるのは・・・ああ、美佐子・りっちゃん・八重ちゃんの3人組か・・・・あれ?・・・・こっちにいる人たちは全く知らない人だぞ?)
私は歌いながら、客席の人影を確認するだけの余裕があった。
オープニング曲が終わると・・・・パラパラっと・・・気合いの抜けそうなほどの拍手が起こった。
まだ本番ではないから、客席にいる10人ほどが拍手するのだからしょうがない。
司会者が出てきて・・・・舞台下手に備え付けられた演台の前で挨拶する。
「大変お待たせをいたしました・・・・〇△大学合唱部・・・第〇◎回定期演奏会を開演させていただきます。・・・・・・」
司会の「遠〇さん」は・・・もうしっかり濃い目の化粧をしていた。
今回の定期演奏会は・・・・第一部が前半後半に分かれていて・・・前半が「大中恩さん」という作曲家の作品集・・・・
コーラスに興味のない人でも、この人の作曲した「さっちゃん」・「犬のおまわりさん」なんていう童謡はご存じだろう。
後半は当初「ミュージカル集」というタイトルだったが、私がソロで歌う「嘘は罪」が入ったので、急遽「ポピュラーミュージック」と変更になったステージである。
そしてその後半が始まると・・・・舞台上の照明が変わった。
スポットライトやカラフルな照明を使うために・・・暗転が多くなる。
最初の曲は「サウンドオブミュージック」から「すべての山に登れ」・・・・次が「「ボギーとベス」から「サマータイム」・・・・「南太平洋」から「魅惑の宵」・・・そのあと数曲続き・・・いよいよ「キリン先輩」のデュエット曲・・・「ウエストサイド物語」から「トゥナイト」になった。
「キリン先輩」にスポットライトが当たり・・・・それと同時に私は舞台の上手に・・・足音を立てないようにして急ぐ・・・・
あれ?・・・「O坂先輩」の叔母さんが着替えをさせるために待機していてくれるはずなのに・・・?
誰もいないが時間がない。
私は一人で着替え始めた。
なんとか間に合って・・・・「嘘は罪」の最初の出だしの音がピアノから聞こえる。
「Be sure it's true When you say・・・I love you・・・・」
おっ・・・出だしは調子がいいぞ?
そう思って舞台に上手からゆっくりと進んでいく・・・・・
そこでストップがかかった。
「T崎先輩」だった。
「おいおい・・・なんだよその衣装・・・・チンドン屋じゃないんだぞ?」
案の定叱られたが・・・・「O坂先輩」が言い訳をかって出てくれた。
「T崎先輩・・・・この歌はスタンダードナンバーですから・・・これくらいの衣装を着なきゃ」
「O坂・・・お前・・・なんのために制服のブレザーがクリーム色なのか知ってるのか?」
「そりゃ・・・昔っから我が部の色ってことで・・・・」
「そうじゃないよ・・・・ステージで照明を使うとき・・・スクリーン代わりにするために白とかクリーム色なんだよ・・・・それを青いスパンコールだなんて・・・・ 」
「T崎先輩」は吐き捨てるように言った。
「とにかく・・・クリーム色のブレザーのままで行け・・・・今日はナイト君にとっても大事な日なんだから」
「大事な日」?・・・・・そう言われて・・・・今日「重大発表」があるということを思い出した。
ここで今までにないこと・・・・・私に緊張が走った。
まずい!
歌詞がみんな飛んでしまった。!!!
「はい・・・ちょっと時間調整の休憩をします」
タイミングよく「舞台監督」からストップがかかった。
幹部が集まって相談し・・・・私の歌は「クリーム色のブレザー」で歌うことになった。
その間・・・・私は歌詞を思い出すのに懸命になったのだが・・・・・
こんなんで本当にうまくいくのだろうか?
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