「お菓子の家」を見つけた「神様」と「漱石」・・・
「おい、間違いじゃないよな?・・・お菓子でできた家だよな?」
「間違いありません・・・ほらドアなんかビスケットですよ・・・窓ガラスだって少し黄色い・・・あれは鼈甲飴です。」
「コリャ、遭難したんで夢でも見ているのかな?」
「そんなことはないでしょ?・・・だってほら・・・・触れますもの・・」
そう言うと「漱石」は窓枠を飾っている「バタークリーム」を指ですくって口に入れたのです。
「アマ~~イ」
「どれどれ?」
「神様」も真似をして、今度は別の部分の「チョコレートクリーム」をすくいます。
ところが口に入れようとした瞬間!
「ダレジャ・・・わしの家を壊しているのは?」
「あ、ああ・・そ、その・・・」
慌てふためいた2人・・・・その声の方向を見るとそこには、背の小さな子供?・・いえいえ小さな老人が立っていたのです。
「すみません・・・あのう・・・道に迷っておなかが空いてたものですから・・」
「何を言っておる、・・・お前さん・・・・霞ならいつでも出せるじゃろうが」
そうでした。
「神様」ですから、「霞」ならいつでも出せますし・・・とくにここは「蓬莱山」・・・「漱石」にだって出すことができるはずでした。
いくら酔っ払っていたとはいえ、少し恥ずかしくなった「神様」は照れ隠しで、話題を変えようとしました。
「でも、このお菓子の家・・・なんで建てようと思ったのですか?・・・」
「ああ・・それはわしが蟻の仙人じゃからじゃよ」
その仙人が言うには・・・世の中の「人間のために活躍する神」を「神様」と呼び・・・他の動物を守るものは「神様」と呼ばないのだそうです。
そのため・・・本来なら「蟻の神様」と呼ばれるものなのに「蟻の仙人」と呼ばれている・・・そういうことらしいのです。
「わしだって・・・こういうものに生まれるなら人間のために生まれ・・・神と呼ばれたかったがのう・・・しかし、蟻のために暮らすというのもこれはこれで幸せなものじゃよ」
その仙人は幸せそうににっこり笑いました。
「じゃあこの家は何のために?」
「ああこの家は蟻たちに食べさせるために造ったんじゃが・・」
なるほどよく見ると、蟻が行列を作ってお菓子の家を自分たちの巣穴に運んでいるようです。
「それなら、わざわざ家を造らなくたって、蟻の巣にお菓子を置いてあげればすむんじゃないんですか?」
「それじゃあ・・・蟻の仕事は?」
「蟻の仕事っていうと・・・・」
「食料を巣穴に運ぶことだよ・・・・仕事がないのは寂しいからのう」
仕事させることも「神様」や「仙人」の仕事のようです。
ごめん・・・時間がない・・・・つづく
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