虹の色エンピツ~心日和~

虹の色エンピツ~心日和~

リストカット。



「リストカット」

この言葉を知ったのも随分後になってから。
私がリストカットを始めたのは、中学生の時だったかな。

当時の私は中学ではいじめられ、家でも居場所がなくいつも心が落ち着く事はなかった。
いじめられていることは言えず、集中出来ない私の成績はどんどん下がっていき、
家に帰るといつも「何でそんなに成績が下がるんだ、出来損ない!」と言われていた。
顔を見る度に「勉強、勉強」と言われ、怒鳴られる事はしょっ中。
友達と遊ぶ事すら許されず、常に苦しい気持ちでいっぱいだった。


「なぜこんなに毎日が辛いんだろう?なぜ私はここにいるんだろう?」


唯一悩みを打ち明けられるのは愛犬コロだけ。
家では泣くことも許されなかったので、お風呂の中や布団の中でこっそり泣いてた。
ある時、お風呂に入ろうと浴室に行ったらカミソリがある事に気付き、
無性にどこかを切りたくなって、手首を切ってみた。
傷は深くなく薄く血が滲んだだけだったけれど、気持ちがスーーッと楽になったのを覚えてる。
傷が薄くなったらまた切って、の繰り返し。
服の下に隠れている場所だったのでもちろん親が気付くことはなく、
この行為は高校を卒業するまで続いた。
当時は深く切ることは一切なかったので、跡に残る事はなかった。


そして高校を卒業して親元を離れ、県外へ。

最初の2年間は親からの開放感か、リストカットをする事もなく日々は過ぎて行きました。
そして3年の秋に再発。キッカケは先輩の裏切り。
(今思えば私も悪かったんだけどね(。-人-。) )
その日から数日はショックのあまり、生きた心地がしませんでした。
うっすらと覚えているのは友達と遊んだ帰り、コンビニに寄って酎ハイとカミソリを買った事。
その後我に返った時にはお気に入りのクッションが血まみれだった。

酔っぱらって意識がない時に友達ミホに電話を掛けていたらしく、
気付いて少し経った時に血相を変えたミホが来てくれました。

その時の傷が一番酷くて、今でもくっきり残っているんだけど、
朝を待って病院に連れて行かれました。

それからしばらくは毎日切っていたかな。

切らないと苦しくて苦しくてやっていけなかった。
友達は「私のためにやめて欲しい」「今度切ったら知らないよ!」
とか色々心配してくれたけれど、結局辞めようと思っても辞められなかった。
どうして辞められないんだろうって苦しかったし、
呆れられると嫌なのでだんだん友達にも言わなくなっていった。


一番酷い時期は、先輩や友達に切った傷を見せていた時期。
まだ塞がっていなくてぱっくり開いているのに、見せてた。
何で見せていたのか分からないけれど、後で色々本を読んだら解った事がある。

リストカットをしてる事は、自分でも気付かない心の叫びなんだって。
「誰か私を助けて!!」「誰か私を愛して!!」とかそういう叫び。

結局止める事が出来たのは2001年になってから。

「鬱」が治った時にリストカットもすぐ治るかな?と思っていたら、
習慣化しちゃっててしばらくは止められなかった。
だんだんと回数が減っていって、リストカットをしなくなったけれど、
2002年には、例の失恋の事でかなり沈んで久々に切ったりした。

今は切ろうと思うことはおろか、自虐行為をすることもない。
あの時はどうして出来たんだろう?
と思うけれど、あの時は切らないと心がどうにかなりそうだったんだろうな。

リストカットをする人の90%以上が親からの虐待とか、暴言とか言われてる人なんだって。
…と言うか、「何らかの形によって親から傷つけられた人」。
そんな私もその中の一人だったんだけれど、
リストカットしてた事、母には暴露したけれど父は知らない。
きっと一生言わないと思うし、知られたくないと思う。

それを知った時、母は心配するんじゃなくて、怒鳴ったけどね。

もちろん今も親の考え方、私に対する暴言はあまり変わっていないんだけど、
鬱が治った時に割り切れる様になったからかな、平気なのは。
何を言われても、「また言ってるわ、フン(* ̄ー ̄*)」って思ったり(笑)
落ち込んでいる時にはショックを受ける事もあるけれど、すぐ立ち直っちゃう。

だから今はリストカットする事はない、これから先も。


自傷行為をする人が周りにいるのなら、けして止めないで欲しいと思う。
本人は「止められる」事を望んでいるけれど、止めたって絶対無駄なんだ。
私の後輩に、たまたま切ってる子がいたんだけど、私は止めなかった。
止められても同じ事を繰り返すって事を自分がよく知ってたから。
それで「切りたいなら切ればいいんじゃない、気の済むまで。私は止めないから。」って言った。
今は精神的にも何か吹っ切れたみたいで、バカ騒ぎしたりするよ(笑)
たまにメッセンジャーで話したり、メールをしたり。
最近彼女から聞いたのは、あの当時私の存在が助けになったと…。
リストカットを止めようとしなかったのが良かったと言われた。
彼女がどうして吹っ切ったのかは知らないけれど、
何かキッカケがあったり、心境変化とかあったんだろうね☆
ちょっと話がお馬鹿な方向に行ったけれど、
とりあえず、「切るの止めて」は禁句、止めるのも×です。



© Rakuten Group, Inc.
X

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: