☆It not now,when?☆ACL

☆It not now,when?☆ACL

手術後のリハビリにおける注意点

「前十字靭帯の再建手術後に良好な膝関節の機能を獲得するためには、強い靭帯が再建されるとともに、関節の動きや筋肉の力がケガをする前の状態に回復しなければなりません。そのためには手術後のリハビリが非常に重要です。しかし誤った訓練は、再建された靭帯(再建靭帯)に無理な力をあたえ、靭帯が再び断裂してしまう危険性があります。手術後のリハビリは、再建靭帯に無理な力を及ぼさないよう注意しながら進めていかなければなりません。」


●再建靭帯の強度の変化●
前十字靭帯を再建するために手術で使用される膝屈筋腱の強度は、正常の前十字靭帯の強度を上回っています。しかし再建靭帯の強度は手術後急激に低下していき、術後3ヶ月頃には正常の前十字靭帯の20~30%程度の強度しか持たなくなります。その後再び再建靭帯は、徐々に強度を増していきますが、正常の前十字靭帯の強度に近付くのには手術後1~2年という長い期間が必要です。したがって、再建靭帯の強度が非常に弱くなっている手術後早期には、靭帯に無理な力が加わらないよう特に注意が必要です。

●膝の動きにより再建靭帯に加わる力●
手術後膝は30度屈曲した角度で固定します。この角度は、再建靭帯にかかる力が最も小さい角度です。30度より膝を曲げても伸ばしても再建靭帯にかかる力は増大していきます。特に膝を伸ばす動きでは、わずかな動きで靭帯の緊張は急激に増加し、靭帯に大きな力が加わります。したがって無理に曲げ伸ばしを強制すると再建靭帯は断裂してしまいます。膝の曲げ伸ばしの訓練では、抵抗や痛みのない範囲で、板の上で足をゆっくりと滑らせていくことが大切です。決してかかとでこねて膝を伸ばしたり、手で押さえて曲げ伸ばしを強制してはいけません。

●膝の筋肉の働きにより再建靭帯に加わる力●
膝を動かす筋肉には、太ももの前にあり膝を伸ばす筋肉(膝伸筋)と、太ももの後ろにあり膝を曲げる筋肉(膝屈筋)があります。膝伸筋は膝を伸ばそうとしたり、足をベッドから持ち上げようとしたりする時に働き、膝屈筋は膝を曲げようとする時働く筋肉です。
膝屈筋が働くと、膝の角度には関係なく、脛骨を後方に引く力が加わります。再建靭帯は脛骨が前方に引き出される時大きな力を受けますが、脛骨が後方に引かれる時は力を受けません。したがって膝屈筋の筋力訓練は手術直後から行うことができます。
一方膝伸筋の働きは、膝を70度以上まげている時は膝屈筋と同じく、脛骨を後方に引き安全です。しかし70度より膝を伸ばした位置で膝伸筋が働くと脛骨は前方に引き出され、再建靭帯には大きな力がかかり断裂してしまう危険性があります。したがって膝伸筋の筋力訓練は、膝を70度以上曲げた位置で脛骨が前方に引き出されないようにして行わなければなりません。また装具をつけはずしする時ベッドから足を持ち上げる際にも、必ず膝を70度以上に曲げた位置で行わなければなりません。


●荷重と再建靭帯に加わる力●
手術を受けた足へ体重をかけると、関節の前後への動きは少なくなり、また膝伸筋と膝屈筋が同時に働くため再建靭帯に大きな力が加わることを防ぐことができます。手術を受けた足に体重をかけない状態に比べ、体重をかけた状態は再建靭帯にとって安全な状態です。上半身を約30度前方に傾け、手術を受けた足の踵を最大限に引き上げつま先立ちの状態でしっかりと体重をかけると、安全な歩行ができるとともに、膝伸筋と膝屈筋の筋力強化にもなります。一歩一歩確実に体重をかけ、ゆっくりと歩いてください。手術を受けた足にほとんど体重をかけない歩き方は非常に危険で、知らないうちに靭帯が断裂してしまう危険性があります。

●装具の効果●
手術後約3ヶ月は装具を使用します。その目的は膝を動かせる範囲を制限すること、また再建靭帯に無理な力が加わらないよう保護することです。しかし装具には誤った訓練で靭帯に無理な力が加わり断裂してしまうことを防ぐほどの効果はありません。装具をつけているからといって決して安心せず、正しい方法で訓練を進めていかなければなりません。ベッド上で休んでいる際は装具のストラップは軽く締めている程度でかまいませんが、移動や訓練の時は必ずしっかりと締めなおしてください。


以上、病院で貰った文面から。





© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: