ランちゃん健康倶楽部

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消化と栄養素



食物は、口から肛門まで約10メートルの消化管を通過し、消化・吸収されます。
炭水化物、タンパク質、脂肪などの栄養素は大きな分子から出来ているので、膵液や腸液に含まれる消化酵素により小さな分子に分解され、小腸で吸収されます。
炭水化物が分解されたブドウ糖や果糖、タンパク質が分解されたアミノ酸は毛細血管から門脈に集められ、肝臓へ運びこまれます。
脂肪はいったんグリセリンや脂肪酸に分解され、リンパ管から静脈に入って全身へ送られます。

分解された栄養素は小腸から吸収され、肝臓に送られます。
肝臓は内臓最大の臓器であり、二つの重要な役割を持っています。
一つは小腸で吸収された栄養分のうちブドウ糖をグリコーゲンへ変換し、血液中のタンパク質であるアルブミンを合成するという、栄養に関する役割です。
二つ目は、体に不要な物質を分解し胆汁の中に出すという解毒・排泄に関する役割です。
肝臓に吸収されたグリコーゲンは必要に応じてブドウ糖に分解され血液中に放出されます。
食後や糖分を含んだ飲料水を飲んだ後は、特に血中のブドウ糖の濃度が高まり、細胞内に送り込もうとします。
細胞ではエネルギー源のブドウ糖を取り込もうとしますが,このときに必要なのが膵臓から出されるインシュリンというホルモンです。
細胞膜にはブドウ糖を取り込むための専用口(レセプター)があり、通常は不要なものが入らないように鍵がかかった状態で、ブドウ糖でも単独では中に入れません。
この入り口を開ける役割を担っているのがインシュリンで、糖尿病の人はこの専用口の感受性が低下したり、インシュリンが少なかったりするために、エネルギー源のブドウ糖を取り込めずに、ブドウ糖がどんどん血液中に溜まってしまいます。
そして限度以上のブドウ糖の血中濃度(血糖値)になると血液が酸性に傾き過ぎ、命に関わることになるので尿に出して対応しているわけです。
ですから、尿検査で糖が出ているといわれるのは、この状態にあることを示しているのです。
話しを栄養素に戻しますが人や動物は,食物から栄養を摂取しなければ生命活動を営むことができません。
人が摂取しなければならない栄養素はわかっているだけでも約40種類ありますが,これを大別すると、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、食物繊維の六大栄養素になります。
栄養素の働きは大きく三つあるとされます。
まず、体を形づくる細胞や血液などの構成材料になること。
脳と心臓を除く殆どの組織では、古くなった細胞が常に新しい細胞に入れ替わっています。その新しい細胞の材料として,主にタンパク質や脂質が使われます。
例えば20才ぐらいの人で胃や大腸,小腸などは約40日で全部新しい細胞に入れ替わります。
白血球は5日ぐらい、肝臓は約200日、体全体では骨も含めて一年間で85%は新しくなるといわれています。
次に、細胞が活動するためのエネルギー源になること。主に糖質と脂肪がその役目を果たします。
最後に、生命活動に伴うさまざまな化学反応を助け、体の機能を調整すること。
この役目を担うものは1日何mg、何μgという微量で十分な生理作用を発揮するので、微量栄養素と呼ばれ,ビタミン、ミネラル、食物栄養素に分かれます。
これらの成分は体の構成材料にもエネルギーにもなりませんが、食物から摂取できないと生命活動を維持できません。更に大きな役割は、老化や生活習慣病の原因になる活性酸素を中和する抗酸化剤としての働きです。人をはじめ、すべての動物は空気中に21%含まれる酸素を呼吸によって体内に取り入れ、生命活動を営んでいます。この呼吸で取り入れた酸素の約2%が、非常に不安定な活性酸素となり細胞膜を酸化させる要因になります。この活性酸素の攻撃が細胞内のDNAを傷つけたときにガンになってしまうといわれています。活性酸素はそれ以外にもいろいろな原因で発生します。ストレス、紫外線、大気汚染、防腐剤、煙草、ダイオキシン、農薬、食品添加物、水道水に含まれる塩素等々枚挙のいとまも有りません。我々現代人は生活環境の全てが活性酸素発生の原因に包まれているといっても過言ではないのです。
では、五大栄養素を摂取する大切な食事はどうなっているでしょうか?
これについては、次のページでお話します。


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