型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2022.04.02
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カテゴリ: 作曲家
大学に入るまで完全にクラシック音楽マニアになっていました。
とにかく聴いたことのない評価の高い曲はその曲のどこがいいのかと、
何度も何度も音源と音楽学者のレビューを突き合わせて考えていました。
何度聴いても解説を読んでも好きになれないなぁとか感じながら…。

器楽関係の曲が主で声楽曲はまだまだこれから聴くという頃、
大学に入って友人が歌っていたのが中田喜直作曲の「さくら横丁」で、
とても器楽的でメロディックだったこともあっていっぺんにハマりました。
ここで大きかったのは身近な友人や先輩がこぞって生で歌っていたことです。

そして、たまに別宮貞夫作曲の同じ詞の「さくら横丁」も聴かれましたが、
中田作品に比べて地味で叙唱的な印象が10代の自分には刺さりませんでした。
別宮先生ことは当時よく知っていて別に木管三重奏曲を聴き、
D.ミヨーと和風が合体したような作風がとても新鮮に感じられました。

その後、最初に入選したコンクールの審査委員長が別宮先生で、
課題だった弦楽四重奏曲で自分の曲は不評で入賞を逃しました。
30代前半まではいろいろな曲を聴きまくっていたと思いますが、
それからは自分から聴き漁ることはなくなりました。

しかし、40代に入ってからは昔好きではなかった曲や、
良さがよくわからないと感じていた曲がとてもいいと思うようになったのです。
知人が演奏をしたり、楽譜を見ながら聴くと曲との距離が変わることもあります。
ただ、「さくら横丁」に関してはまったく自分の中での価値が逆転しました。

ピアノパートの音が少ない割にとても多くの叙情を秘め、
ピアニストのセンスが問われます。
叙唱的でありながら和声と歌が深い表情をつくり上げることに感動しました。
曲の聴き方や捉え方は年齢や経験によって明らかに変わるのだと実感しました。

桜は1年のうち1-2週間しか咲かないから人もその時の記憶が鮮明に残り、
それは年を重ねても消えることがなく、この詞や曲のように心に染み渡ります。
若いうちは楽しいことが多くてそれほど哀しさが年と共に刻まれていき、
詠嘆としての情緒が深く感じられるようになるのだと思います。桜恐るべし。

加藤周一作詞 中田喜直作曲 さくら横丁
メゾソプラノの小山明子さんは1994年の第1回奏楽堂歌曲作曲コンクールの本選で、
自作「草野心平の詩による3つの歌曲」を歌っていただきました。

加藤周一作詞 別宮貞夫作曲 さくら横丁
西由起子(ソプラノ) 長町順史(ピアノ)
​加藤周一作詞 別宮貞夫作曲 さくら横丁
前中榮子(ソプラノ) 花岡千春(ピアノ)
いろいろ聴いてみましたが上記の演奏が素晴らしかったです。

下記は2022年3月31日の駒沢オリンピック公園、
呑川駒沢支流緑道、呑川本流緑道の桜です。















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最終更新日  2022.04.02 00:43:44
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