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「のり2・クラシカ」鑑賞日記
2007年 9月~10月 コンサート一覧
東京交響楽団第547回定期
1・ハイドン
交響曲第2番ハ長調
2・ブラームス
交響曲第3番ヘ長調
******* intermission ********
3・ベートーヴェン
ヴァイオリン協奏曲二長調
樫本大進(ヴァイオリン)
2007.9.28.19:00 サントリーホール 1-18-28
メインにおかれたベートーヴェンの協奏曲、名実共に世界のトップ・ヴァイオリン奏者として活躍中の樫本さんの現在の力量を見せ付けられた思いの既に完成された
優れた演奏でした。
所謂、何も足さない何も引かないとでも言うのでしょうか特別なフレーズの強調やテンポの揺れも無いまさに安定した技術を許に正統派のベートーヴェン解釈です。
1674年製アンドレア・グヮルネリを携えての鳴りっぷりもお見事。
スダーン指揮東響のバックも端整な響きで樫本さんの独奏を支えました。
ブラームスの3番、スダーンお馴染みのアゴーギクを効かせたりの演奏でしたがこれもやはり流麗濃厚なというより端整なスコアの隅々まで見通せるような解釈で素晴らしい演奏ですが欲を言えば劇的な色濃さが加わればとも感じました。
今シーズンから東響の定期にスダーンさんの提唱でハイドンの初期の交響曲が前半のプログラムに組まれています。
本日の交響曲第2番はメヌエットを省いた3楽章構成で10分弱の曲、チェンバロが加わった小編成で演奏されましたが軽快な曲想を爽やかに奏でました。
★★★★★
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ユベール・スダーン指揮
東京交響楽団第548回定期
1・ハイドン
交響曲第3番ト長調
2・ドヴォルザーク
チェロ協奏曲ロ短調
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
アンコール曲
J・S・バッハ:無伴奏ソナタ第5番からサラバンド
******* intermission *******
3・ベートーヴェン
交響曲第6番ヘ長調「田園」
2007.9.29.18:00 サントリーホール 1-18-28
昨夜の第547回定期に引き続き東京交響楽団の第548回定期演奏会、もちろんプログラムは全く違うわけであり東響の楽員もお疲れ様でした。
もっとも管楽器の首席奏者たちは昨日と交替、コンマスも本日はソロ・コンマスの
大谷康子さん。
さて本日もスダーン/東響のコンビは昨日の演奏に劣らずの素晴らしい演奏を見せました。さすがプロ・オケの底力。
ケラスさんのチェロ独奏のドヴォルザーク、スケール豊かな表現と朗々と鳴り響く
チェロの響き(楽器は1696年製ジョフレド・カッパ)に圧倒されました。
ケラスさん、たんたんと弾いてるわりには情感豊かな表情をみせてお見事、特に
2楽章でのクラ首席の十亀さんとのメロディの受け渡しは素晴らしい演奏で心に沁みました。
「田園」交響曲、スダーンさんのベートーヴェンでは過去に第7番の素晴らしい名演奏に接して今夜の演奏も大いに期待して臨みましたが更に素晴らしい演奏に出会えて幸運でした。
東響弦楽群の精密な表現と管楽器の妙技にも支えられスダーンさん、スコアの細部まで見事に表現、埋もれがちな楽器の音色が鮮やかに浮かび上がったり、ここはオケ楽員の素晴らしさを賞賛したいと思います。
完全なピリオド奏法とは違いますが敢えて流麗な表現を排した全曲をとおして非常にスムースな曲の流れとバランスに秀でた響きを体験。過去にない素晴らしい第6番「田園」を生で体験いたしました。BRAVO,BRAVO!です。
★★★★★
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新国立劇場開場10周年記念
オペラ・バレエ ガラ公演
ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
指揮:フィリップ・オーギャン
第1部:バレエ「セレナーデ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピヨートル・チャイコフスキー/弦楽のためのセレナーデハ長調
ステージング:パトリシア・ニアリー
指揮:渡邊一正
出演:厚木三杏/川村真樹/寺島ひろみ/西山裕子/真忠久美子/寺島まゆみ/
中村 誠/逸見智彦/森田健太郎/山本隆之 ほか新国立劇場バレエ団
******** intermission **********
第2部:オペラコンサート
1・ワーグナー「タンホイザー」より「歌の殿堂をたたえよう」
新国立劇場合唱団
2・J・シュトラウス2世「こうもり」より「僕はお客をよぶのが好きだ」
エレナ・ツィトコーワ
3・ヴェルディ「アイーダ」より「清きアイーダ」
アルベルト・クピード
4・レオンカヴァッロ「道化師」より「鳥の歌」
大村博美
5・ロッシーニ「セビリアの理髪師」より「今の歌声は」
林 美智子
6・モーツァルト「フィガロの結婚」より「恋とはどんなものかしら」
エレナ・ツィトコーワ
7・ヴェルディ「リゴレット」より4重唱「美しい乙女よ」
中村恵理、渡辺敦子、村上公太、町 英和
8・ビゼー「カルメン」より「行進曲と合唱」
新国立劇場合唱団
9・ビゼー「カルメン」より「ハバネラ」
エレナ・ツィトコーワ&新国立劇場合唱団
10・プッチーニ「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」
大村博美
11・プッチーニ「トスカ」より「星は光りぬ」
アルベルト・クピード
アンコール曲
プッチーニ「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」
アルベルト・クピード
ヴェルディ「椿姫」から「乾杯の歌」
アルベルト・クピード&大村博美
指揮:フィリップ・オーギャン
構成・演出:澤田康子
美術:工藤明夫
出演:エレナ・ツィトコーワ/アルベルト・クピード/大村博美/林 美智子
渡辺敦子/中村恵理/村上公太/町 英和
新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
照明:川口雅弘
舞台監督:大仁田雅彦
2007.10.2.19:00 新国立劇場オペラ劇場(オペラパレス) 2-3-30
第1部のバレエは特定の主役は置かずにコール・ド・バレエ(群舞)により演じられました。全編、チャイコフスキーの弦楽セレナーデの曲に乗せて。
なかなかの水準であり特に女性たちのスタイルの良さにはいささか驚き。確かに
昨今は日本のバレリーナたちは世界のバレエ団でプリンシパルで活躍する人たちが増えているのは周知のとおりで本日の新国立劇場バレエ団のソリストたちの演技を目の当たりにして納得がいきました。素晴らしい。
25分間の休憩後はオペラ・アリアのコンサート
期待のエレナ・ツィトコーワさんの出番はもちろん、良かったのですが(特に最後に歌ったハバネラ)
むしろアルベルト・クピードさんが熱唱を繰り広げて意外な喜びでした。
クピードさんは何年か前の「フィレンツェの悲劇」コンサート形式の上演でお目にかかっていますが(沼尻竜典/日フィル)その時は殆ど出ずっぱりの所為か若干、スタミナ不足な面も見られたけど今夜は調子も良かったようで大サービスのアンコールを2曲。
外国人ゲストの2人以外は可もなく不可もなくといったところ。
むしろ控え目な人数ながら新国立の合唱団が大健闘と言ったところ。
★★★★☆
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外山雄三指揮
NHK交響楽団第1602回定期
1・ブラームス
ピアノ協奏曲第1番ニ短調
小山実稚恵(ピアノ)
******* intermission ********
2・ベートーヴェン
交響曲第5番ハ短調
2007.10.5.19:00 NHKホール 2-R13-5
いつもはCチクルス2日目土曜日なのですが所用のため1日目の公演に振替えての
鑑賞、座席はいつものR7列に比べかなり後方に感じられまた、屋根がかぶさった位置なので全体にいつものN響の響きと違い乾いた音色でした。このホールは聴く場所によりかなり響きのばらつきがあって、ここなら音は遠いけど3階席のD席の方がマシなような気がします。
さて先月、所沢で素敵なリサイタルでお目にかかった小山さんのピアノでブラームス:ピアノ協奏曲第1番、小山さんの演奏は丁寧極まる演奏で管理人には少々退屈で苦手な曲なのですが最後まで聴かせてくれました。ミス・タッチはありましたが
決していささかも疵にはならない格調高いブラームスです。
小山さん、この曲を取り上げるのは今回が初めてのようです。今度は管理人の好きな第2番を小山さんのピアノで是非聴いてみたいと思いました。
何回ものカーテンコールが続きました。
休憩後はベートーヴェンのハ短調交響曲。
1楽章のテンポはカラヤン並みの快速テンポで始まりましたが楽章を経るごとにテンポはゆるやかになり終楽章コーダはスケールに満ちた雄大なフィナーレで締めました。響きについては先述のように満足したものではありませんがN響の演奏は流石にドイツ物の得意な伝統に支えられた見事な合奏力であり正指揮者、外山さんの
手際の良い指揮と併せ満足の一夜でした。
★★★★☆
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ワーグナー
楽劇「トリスタンとイゾルデ」全3幕
トリスタン:クリスティアン・フランツ
イゾルデ:ワルトラウト・マイヤー
マルケ王:ルネ・パペ
クルヴェナル:ロマン・トレケル
メロート:ライナー・ゴールドベルク
ブランゲーネ:ミシェル・デ・ヤング
牧童:フロリアン・ホフマン
舵手:アルットゥ・カターヤ
船乗り:パヴォル・ブレリスク
演出:ハリー・クプファー
美術:ハンス・シャヴァノフ
衣装:ブキ・シフ
照明:フランツ・ペーター・ダヴィッド
合唱監督:エバハルト・フリードリッヒ
指揮:ダニエル・バレンボイム
ベルリン・シュターツカペレ/ベルリン国立歌劇場合唱団
2007.10.11.17:00 NHKホール 3-R15-4
現時点での最高のワーグナー指揮者(バレンボイム)と歌手(マイヤー)の出演ですから期待も弾むというもの。
結論から言うと非常にレベルの高い歌い手達が勢揃い、しかもシュターツ・カペレが重心の低い安定感のある響きと場面によって非常に繊細な音色表現をみせて見応え聴き応えのある舞台でした。
イゾルデ役のワルトラウト・マイヤーとマルケ王役のルネ・パペは現代最高の適役ではないかと、それぞれ演技・歌唱ともお見事、風格さえ感じさせます。
舞台装置は中央にまるで「堕天使」をモチーフにしたような置物がでーんと据えられ3幕全編これは変わりません。1幕目はマルケ王のもとへ航海する船であったり2幕目以降はそれが回転しながら照明の加減によりお城の中の場面であったり。。。
クプファ-の演出は特に読み替えなどの演出はなく、オーソドックスに近いものですが第3幕最後、イゾルデの”愛の死”のシーンではマイヤーのみに照明のスポットを当て徐々にマイヤーの首から上のみのスポット・ライトになり最後終曲とともに舞台は真っ暗となって4時間以上に及ぶ楽劇「トリスタンとイゾルデ」の幕を閉じました。非常に感動的なフィナーレでした。
勿論、割れんばかりの聴衆からの拍手、延々とカーテンコールが続くことになりました。
途中でバレンボイムとシュターツ・カペレの楽員達もピットから出てステージ上で聴衆からの賞賛を受けました。
生での「トリスタン&イゾルデ」体験は2003年10月NYでのメトロポリタン歌劇場(レヴァイン指揮)
でのみで出演者は現在DVDで発売されているメンバー(ヘップナー&イーグレン&パペ)と同じキャストでしたが、それと比較しても今夜のベルリン国立歌劇場の公演に軍配を挙げたいと思います。ただ舞台装置、美術ではメトロポリタン歌劇場の斬新さを採りたいと思いますが。。
バレンボイムの指揮は全く澱みのない流れとオケの響きのバランスを考えた演奏解釈で文句なしの出来です。また座った場所は3階の後方に近い席でしたがNHKホールの特徴でしょうか意外とストレートにシュターツ・カペレの素晴らしい音が飛び込んできました。オケ・ピットからの音と言うことも関係があるかも知れません。
5時から始まり途中2回の幕間休憩40分X2を含め終演は10時半を廻っていました、
疲れましたが心地良い満足感に浸って家路に着きました。
★★★★★
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シェーンベルク
歌劇「モーゼとアロン」
演出・美術:ペーター・ムスバッハ
衣裳:アンドレア・シュミット=フッテラー
照明:フランツ・ペーター・ダヴィッド
合唱監督:エバハルト・フリードリッヒ
指揮:ダニエル・バレンボイム
ベルリン・シュターツカペレ
ベルリン国立歌劇場合唱団
モーゼ:ジークフリート・フォーゲル(Bs)
アロン:トーマス・モーザー(T)
若い娘:カローラ・ヘーン(S)
病人:シモーネ・シュレーダー
若い男&裸の男:パヴォル・ブレリスク
もう一人の男&男&エフライム:ハンノ・ミューラー=ブラッハマン
僧:クリストフ・フィシェッサー(Bs)
その他
2007.10.15.19:00 東京文化会館大ホール 4-L2-2
バレンボイムがベルリン国立歌劇場の5年ぶりの来日公演にあたって特に今夜の「モーゼとアロン」について以下のコメントを述べています。(3000円の高価なプログラムからの引用)
”「モーゼとアロン」は20世紀の最も重要なオペラの一つであるにも関わらず、
あまり頻繁に上演されません。したがって、この傑作を日本に持って来られることを名誉に感じています。”
しかしながら全2幕の今夜の上演、ストーリー構成的には単調で(作曲者のシェーンベルクが旧約聖書に基ずき台本も書き上げた。)しかもペーター・ムスバッハの演出ですが登場人物が全員黒尽くめの衣装にサングラス、しかも主役のモーゼとアロンも同じ衣装で非常に紛らわしくて(彼ら二人は多少の衣装のデフォルメ、強調はありましたが)時として見分けるのに苦労しました。(笑)
今夜の収穫は全幕フル出場のファラオの奴隷である民衆たち、ベルリン歌劇場の合唱団(混声)の見事に統率された舞台上の動きと歌唱、そしてシュターツ・カペレのオーケストラのドラマティックな演奏に最大の賛辞を贈りたいと思います。
モーゼ役のジークフリート・フォーゲルは殆ど語り的な話法でドスの効いた語りと演技、アロン役のトーマス・モーザーもはまり役と思われる安定した演技と歌唱です。
やはりダニエル・バレンボイムの指揮が管理人には一番の見ものでした。
4階席サイドですからバレンボイムさんの指揮姿を側面から見下ろす位置で本公演の半分は舞台、そしてバレンボイム&ベルリン・シュターツカペレのオケピットが半分といった感じで注目したみました。シェーンベルクの振幅の大きい響き、音楽と舞台上の合唱団たちを鮮やかに交通整理するバレンボイムさん、素晴らしいです。
最後に舞台ではモーゼが絶望にうちひしがれたところで静かに幕が下ろされてエンドとなります。
そう云えば先日の「トリスタンとイゾルデ」での最後の終曲、イゾルデがトリスタンの後を追うための死の場面を恍惚な表情で歌い上げて幕が下ろされエンドとなったのとは大違いですね。
しかしながら、両日とも聴衆の拍手喝采の反応は良識の範囲内の好ましいもので余韻を束の間楽しめました。
★★★★☆
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ミハイル・プレトニョフ指揮
東京フィルハーモニー交響楽団第742回定期
1・プロコフィエフ
ピアノ協奏曲第2番ト短調
アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)
アンコール曲
スクリャーヴィン:2つの詩曲OP32から第1番
******** intermission **********
2・チャイコフスキー
交響曲第4番ヘ短調
2007.10.19.19:00 サントリーホール 2-C8-29
ロシアのピアニスト アレクサンドル・メルニコフ(1973年生れ)
ヴァイオリンのワジム・レーピンとのデュオでその名は耳にしますが聴くのは
初めて、よく指が廻る達者なピアニストの印象、繊細さも持ち合わせていました。
オケも鮮やかな伴奏です。
メインのチャイコフスキー:交響曲第4番が実に面白い演奏で予想していたとは言え
プレトニョフさんは自在なテンポで東フィルを操り、曲全体がまるで一つの舞踏曲のよう。怒涛の如くの圧倒的なフィナーレでした。
彼の指揮するロシア物は実に面白くスリリングな楽しさを感じさせる。
16型でチェロは上手外側に配置。
★★★★☆
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飯森範親指揮
東京交響楽団第549回定期
ヘンツェ
オペラ「ルプパ ― ヤツガシラと息子の愛の勝利」
(舞台演出付演奏会形式、全2幕、字幕付、日本初演)
アル・カジム:ラウリ・ヴァサール(バリトン)
バディアト:森川栄子(ソプラノ)
デーモン:トーマス・マイケル・アレン(テノール)
老人 : 松下雅人(バス)
マリク:小川明子(メゾ・ソプラノ)
ディジャブ:小野和彦(バス)
アジブ:ファブリス・ディ・ファルコ(カウンター・テナー)
ガリブ :ジェローム・ヴァルニエ(バリトン)
ヴォーカル・アンサンブル:東京混声合唱団
演出:飯塚励生
2007.10.20.18:00 サントリーホール 1-18-28
アラビアに古くから伝わる神話や伝説に登場する”ルプパ”(ヤツガシラ)。
そのくちばしは長く、美しい色の羽毛に覆われており、はばたくと幸運と平和、
愛と変容がもたらされる。
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェが台本、作曲した歌劇「ルプパ」
東京交響楽団定期では2004年の楽劇「裏切られた海」に続くヘンツェ・オペラ
(演奏会形式)の第2弾。
ステージ上ではパイプオルガンの位置にスクリーンが吊るされステージ四方にモニター・テレビも。これらには中山尚子さん製作のメルヘン風の絵が時折映し出された。
歌手は舞台奥の山台と2階P席をステージに1階客席からも出入りしたり音響(擬音録音)を含めたホール全体にPA効果がちりばめられる。
歌手たちではリヨン公演でも歌ったヴァサール、マイケル・アレン、ファルコの3人は流石に手馴れた感じで演技歌唱とも安定、特に主役アル・カジムを歌った
ラウリ・ヴァサールの朗々としたバリトンの響きは素晴らしい。
老人役の松下、ディジャブ役の小野の二人のバスも堂々としたもの。
歌手ではもう一人、ヒロイン、バディアト役の森川栄子さんの熱唱も大きな役割を果たしました。持ち前の技巧を駆使した歌唱は相変わらずの素晴らしさでドイツからわざわざ呼ばれただけあり流石に並みの歌手ではないですね。
小柄なスタイルに併せ、そのしぐさで美しいユダヤの王女バディアト姫の雰囲気を充分に見せてくれました。
東響、舞台下手に打楽器隊、中でも女性マリンバ奏者やチェレスタ奏者が大活躍、上手には2台のハープ。他にピアノやチェレスタなど鍵、打楽器の活躍が目立ちました。ヘンツェらしい作風と言えばそうなのですが。
結構不規則なリズムもあり難曲だったと思いますが飯森指揮のもと東響オケも大健闘の演奏でした。
字幕に目をとられすぎて音楽そのものへの注意が削がれた感もありもう一度じっくり聴いてみたい作品です。第1幕(65分)休憩(20分)第2幕(80分)
コンマスは高木和弘
★★★★★
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矢崎彦太郎指揮
東京交響楽団
ソプラノ:森 麻季
気軽にクラシック ~オーケストラ名曲の世界旅行~
1・ロッシーニ
歌劇「ウイリアム・テル」序曲より「スイス軍の行進」
2・ロッシーニ
歌劇「セヴィリアの理髪師」より「いまの歌声は」
森 麻季(ソプラノ)
3・ヴェルディ
歌劇「椿姫」より「ああ、それはあの人」「花から花へ」
森 麻季(ソプラノ)
4・チャイコフスキー
バレエ「くるみ割り人形」より
小序曲、行進曲、こんぺい糖の踊り、トレパック
5・スメタナ
交響詩「モルダウ」
******* intermission ********
6・ホルスト
組曲「惑星」より「木星」
7・エルガー
「威風堂々」第1番
8・J・S・バッハ/グノー
アヴェ・マリア
9・フランク
天使の糧(パニス・アンジェリクス)
森 麻季(ソプラノ)
10・ラヴェル
ボレロ
アンコール曲1
プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」
森 麻季(ソプラノ)
アンコール曲2
ビゼー:歌劇「カルメン」前奏曲
2007.10.21.15:00 所沢ミューズ・アークホール 1-20-35
所沢ミューズ主催の毎年お馴染みの”気軽にクラシック”
「オーケストラ名曲の世界旅行」プログラム
ミューズ・アークホールはチケット完売とかで沢山の聴衆でした。
ゲストの森 麻季さんも澄み切ったソプラノで楽しませてくれました。
特にアンコールでの”私のお父さん”がたっぷりの声量を聴かせて素晴らしかった。
またミューズ・アークホールの専属女性オルガニストの川越さんが特別にエルガーとグノー、フランクの作品にパイプオルガン演奏で参加されました。
東響メンバー、昨日の定期の後のマチネーですからヴィオラ、コントラバスを除いて昨日の出演の殆どの首席奏者はお休み。
それでもアシの田尻コンマスはじめ東響楽員、気を抜かずに楽しく演奏していただきました。やはり圧巻は”ボレロ”の圧倒的な色彩感で聴衆からも大喝采でした。
また本日は埼玉県立芸術総合高校の高校生男女7名が参加して東響楽員と一緒に何曲かを演奏しました。彼らにとっては良い経験と思い出になったことでしょう。
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