「のり2・クラシカ」鑑賞日記

「のり2・クラシカ」鑑賞日記

15日 小澤征爾「エフゲーニ・オネーギン」



チャイコフスキー
   歌劇「エフゲーニ・オネーギン」全3幕


オネーギン:ダリボール・イェニス
タチヤーナ:ロクサーナ・ブリバン→イリーナ・マタエワに変更
レンスキー:マリウス・ブレンチウ
オリガ:エレーナ・カッシアン
グルーミン公爵:シュテファン・コツァン
ラーリナ夫人:ミハエラ・ウングレアヌ
フィリッピエヴナ:マルガレータ・ヒンターマイヤー
トリケ:ヘルムート・ヴィルトハーバー
ザレツキー:北川辰彦
隊長:枡 貴志

演出:ファルク・リヒター
装置:カトリーン・ホフマン
衣裳:マルティン・クレーマー
照明:カーステン・サンダー
振付:ジョアンナ・ダッドリー

小澤征爾指揮
東京のオペラの森管弦楽団
東京のオペラの森合唱団

 2008.4.15.18:00 東京文化会館大ホール 4-L1-10

プーシキン(1799-1837)の韻文小説を基にチャイコフスキー(1840-1865)
がオペラとして作曲、「”オペラ”ではなく”叙情的情景”の連なりである」
と作曲家自身が形容しているがウィーン国立歌劇場との共同制作による
本公演、ファルク・リヒターの演出は当時のロシア色を払拭して
簡素な舞台装置ながら登場人物のそれぞれに焦点を中てて
動きも活発、まるで芝居を観ているような新鮮さであった。

小澤さんの指揮は精力的で強弱のニュアンスも豊かで澱みのない音楽を
作るもオケ・ピットの制約上かオーケストラの響きが痩せており
いささか物足りない思いもあるが個々のオケの技量は立派なもの。

歌手達は総じて皆、水準以上の出来映えで特にレンスキー役を歌った
ブレンチウ(T)の歌唱が一段、群を抜いた歌唱と感じた。

ブリバンの代役で登場のタチヤーナ・マタエワもマリインスキー劇場で
同名役(タチヤーナ)を演じているためか安定した演技と歌唱。
群集たち(東京のオペラの森合唱団)も高度な演技と歌唱で素晴らしい。
懐かしいベテラン歌手のヒンターマイヤーも存在感を見せた。

途中幕間に20分の休憩を2回挟んで終演は9時半過ぎであったが
見応え聴き応え充分のあっと言う間に時間が過ぎた。
予想以上に素晴らしい上演であった。
★★★★★
当日会場にNHKのカメラが入っており
いずれ放送(放映)されるとのこと、楽しみです。


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