「のり2・クラシカ」鑑賞日記

「のり2・クラシカ」鑑賞日記

21日ムーティ&ウィーン歌劇場「コシ・・」


   歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」K.588
全2幕



フィオルディリ-ジ…(ソプラノ)バルバラ・フリットリ
ドラベルラ…(メゾ・ソプラノ)アンゲリカ・キルヒシュラーガー
グリエルモ…(バス・バリトン)イルデブランド・ダルカンジェロ
フェランド…(テノール)ミヒャエル・シャーデ
デスピーナ…(ソプラノ)ラウラ・タトゥレスク
ドン・アルフォンソ…(バス)ナターレ・デ・カロリス

演出:ロベルト・デ・シモーネ
美術:マウロ・カロージ
衣装:オデッテ・ニコレッティ
合唱指揮:トーマス・ラング

(合唱)ウィーン国立歌劇場合唱団
(管弦楽)ウィーン国立歌劇場管弦楽団
(指揮)リッカルド・ムーティ

 2008.10.21.18:30 東京文化会館大ホール 3-L2-6

4年ぶり7度目の来日公演であるウィーン国立歌劇場の初日のモーツァルト
のオペラ・ブッファを聴いてきた。

フリットリ始めキルヒシュラーガーなど本日のキャストと殆ど同じ
メンバーでのDVD(1996年アンデア・ウィーン劇場収録)を良く聴くのですが
概ね同じ舞台装置で衣装は若干違いはあるものの大きな違いは感じられない。

むしろ、本日の公演はあのDVDから12年後の今、指揮者のムーティや
演じるフリットリなどの歌手たちの円熟度が際立った印象を持った。

ムーティの指揮の視線は殆ど舞台上の歌手に向けられ、楽員も手馴れた
感じでテンポを合わせたり、全曲をとおしてムーティの指示であろうが
微妙に音楽の強弱を随所に効かせて実にニュアンス豊かな音楽を
奏でたのはムーティ&ウィーンの楽員との蜜月状態の為せる技か。

それと6人の主役たちのそれぞれの三重唱や姉妹の二重唱或いは
五重唱など見せ場も随所にあるけれど、どれも見事な歌唱で
歌手たちに穴が無い。皆水準の高い演技と歌唱力で楽しめた。

やはり 一番の期待を寄せたバルバラ・フリットリ
12年前のDVDに比べると演技に妖気さが加わり更に気負いのない
歌い方で安定感充分で いくつかのフィオルディリージのアリアは
すべて見事な歌唱で聴衆からもBRAVOの嵐で包まれた。

アメリカ出身のデスピーナ役のラウタ・タトゥレスク(Sp)が第2幕最初の
アリア”女が15になれば”を軽妙な演技しぐさで しっかり歌ったのと
医者役、公証人と変装をする役柄を見事に演じたのが印象的。

ダルカンジェロ、シャーデの男声お二人は今やこの演目のはまり役で
素晴らしいです。

4年前の来日では小澤さんの指揮で「フィガロの結婚」をNHKホールで
聴いたけどウィーン国立歌劇場のモーツァルトのオペラは
何だかんだ言っても評価を決めるスタンダードの位置を占めるのでしょうね。

個人的に モーツァルトのオペラ作品はミラノ・スカラ座と
このウィーン・シュターツオーパーでの公演は外せません。
特に皇帝ムーティが指揮したものはね。
★★★★★BRAVO!


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: