「のり2・クラシカ」鑑賞日記

「のり2・クラシカ」鑑賞日記

18日 「ラインの黄金」新国立劇場公演


   楽劇「ニーべルングの指環」

     序夜「ラインの黄金」全1幕


R.Wagner:VORABEND DAS RHEINGOLD

【ドイツ語上演/字幕付】

【作曲/台本】リヒャルト・ワーグナー

《初演スタッフ》
  【演 出】キース・ウォーナー
  【装置・衣裳】デヴィッド・フィールディング
  【照 明】ヴォルフガング・ゲッベル

【芸術監督】若杉 弘





(指 揮)
ダン・エッティンガー
(演 出)
キース・ウォーナー


キャスト
【ヴォータン】ユッカ・ラジライネン
【ドンナー】稲垣俊也
【フロー】永田峰雄
【ローゲ】トーマス・ズンネガルド
【ファーゾルト】長谷川顯
【ファフナー】妻屋秀和
【アルベリヒ】ユルゲン・リン
【ミーメ】高橋 淳
【フリッカ】エレナ・ツィトコーワ
【フライア】蔵野蘭子
【エルダ】シモーネ・シュレーダー
【ヴォークリンデ】平井香織
【ヴェルグンデ】池田香織
【フロスヒルデ】大林智子

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団


 2009.3.18.18:30 新国立劇場オペラパレス 4-2-54

5回公演の最終日を鑑賞したがほぼ満員の聴衆でした。
トーキョー・リングの再演だが前回(2001年3月)は生で鑑賞していない
ので楽しみに出かけましたが大いに満足した公演でした。

ウォーナーの演出は従来の重厚長大な演出イメージを覆すポップな印象の
舞台演出で、開始冒頭の映写機とスクリーンがヴォータンの自らの過去を
回想するような。。。、写された数式とジグソー・パズルも意味深だ。

ヴォータン役のラジライネンは少し抑えた歌唱で今後の「ワルキューレ」
への連続出演を考えてのことか、それにしてもビジュアル的に風格に欠ける面も。

むしろ小人アルベリッヒ役のユルゲン・リンが巨体の風体でアンバランス、
が、リンの歌唱は堂々とした押し出しのある歌唱で 本日一番の拍手喝采。
それと弟ミーメ役の高橋淳がいい味を出して喝采を受けた。

火の神ローゲのズンネガルドも序盤こそ不安定な出だしだったが徐々に
安定してきて見事に役割を果たした。

エルダのシュローダーも見事な歌唱を披露したが何ともみすぼらしい恰好と
化粧がかわいそう。(笑) もっと可笑しいのはヴォータンの妻フリッカ
役の期待のツィトコーワがおかっぱ頭の今風のスーツ姿で凄い違和感、
歌唱は伸びのある素晴らしい歌ではありましたが。

正直、ウォーナーの演出は意表を衝く面白い表現ではあるが次第に興味も
失せて只管、エッティンガー指揮する東フィルの音楽に身を委ねたが
実に素晴らしい重厚な音楽を奏でた、特にラストのワルハラ城への入場
シーンでの雄大な表現は見事だった。

あっと言う間の2時間40分で次の「ワルキューレ」への大きな期待を抱かせた。

[補足] それにしてもハイテク技術を誇る新国立劇場、舞台の仕掛けが
見事であちらこちらから突然人物が現われたり、なかなか意表を衝くシーンが
度々あった。
★★★★★


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