「のり2・クラシカ」鑑賞日記

「のり2・クラシカ」鑑賞日記

21日ベルク「ヴォツェック」新国立劇場公演


   歌劇「ヴォツェック」全3幕


ヴォツェック:トーマス・ヨハネス・マイヤー
鼓手長:エンドリック・ヴォトリッヒ
アンドレス:高野二郎
大尉:フォルカー・フォーゲル
医者:妻屋秀和
第一の徒弟職人:大澤 建
第二の徒弟職人:星野 淳
白痴:松浦 健
マリー:ウルズラ・ヘッセ・フォン・デン・シュタイネン
マルグレート:山下牧子
マリーの子供:中島健一郎
兵士:二階谷洋介
若者:小田修一

演出:アンドレアス・クリーゲンブルク
合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:NHK東京児童合唱団

指揮:ハルトムート・ヘンヒェン
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団


 2009年11月21日14時 新国立劇場オペラパレス 2-4列

無調音楽で書かれた20世紀を代表するオペラの一つ。
貧しい兵士ヴォツェックが狂気の末、不倫の妻マリーを殺害
自らも溺死すると言う壮絶な内容。バイエルン州立歌劇場との共同制作。

舞台は一面に水が張られ登場人物が歩くたびにぴちゃぴちゃ音を立てる、
登場人物達にとって水が冷たくわずらわしさの状況を表現しているようだ。
2階部分にはヴォツェック家族の空間のスペースが設けられ場面により
下に降りてきたり、舞台全面に迫り出したりと効果的に動く。
水面の設定は主人公が最後に溺死する沼をも表している。

以前に鑑賞したショスタコーヴィチ「マクベス夫人」同様に貧困と嫉妬がテーマの
何とも凄惨なオペラだ。

登場した歌手たちは皆一定の水準で作品を盛り上げたと思う。
中でも外題役のヨハネス・マイヤーのドラマティックな所作と歌、もちろん
マリー役のシュタイネンも。
マリーの子供を演じた小学生であろう中島健一郎が驚きの演技で
重要なキィーの役割を演じた。

2時間にも満たない作品の時間のため休憩なしで全3幕が上演された。

故、若杉さんの代わりに指揮をしたヘンヒェンは東京フィルから斬新な響きを
引き出し且つ難解とも言えるベルクの作品を丁寧に紡いだ。
★★★★★


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