「のり2・クラシカ」鑑賞日記

「のり2・クラシカ」鑑賞日記

23日 ドニゼッティ「愛の妙薬」新国立劇場




[演出]チェーザレ・リエヴィ

[出 演]
アディーナ:タチアナ・リスニック 
ネモリーノ:ジョセフ・カレヤ 
ドゥルカマーラ:ブルーノ・デ・シモーネ
ベルコーレ:与那城 敬
ジャンネッタ:九嶋香奈枝

[指 揮] パオロ・オルミ
[管弦楽] 東京フィルハーモニー交響楽団
[合 唱] 新国立劇場合唱団

 2010年4月23日18:30 新国立劇場オペラハウス 3-R1-2

 チェーザレ・リエヴィの新国立での新演出の「愛の妙薬」、

パオロ・オルミの軽快な指揮と豪華な歌手陣の活躍、それに合唱団の
力強い歌と演技。演出の斬新さと併せとっても楽しめた公演だった。

リエヴィ氏の解釈は読書には縁遠い村人の中で唯一読書家であるアディーナ
の「トリスタンとイゾルデ」からの引用を語って聞かせる(例の媚薬のくだり)
モチーフを舞台上の装置に本を選んでいるのがユニークで、これはいくつもの
本(箱状になっている)がテーブルになったり或いは舞台上の中のしきり
(大きな衝立)になったり演出家のこだわりが感じられた。
それにしても登場人物の衣装や頭のヘアーカラーのカラフルなこと、
オペラ・ブッファの中でも飛び切り楽しめる作品ですから大いに結構。

歌手の中ではカレヤが群を抜く存在で声量のすごさと確かな歌唱で本日一番の
拍手喝采をさらった。
いんちき薬売りドゥルカマーラのデ・シモーネは前半こそ声が通らなかったが
徐々に調子を取り戻しベテランの味、カレヤに続く大きな声援を受けた。

アディーナのリスニックは声量こそ乏しいが演技力とここぞのリリックな歌は
健在、ベルコーレの与那城の演技と歌唱は見事なものでリスニックとともに
観客からの声援がいまひとつだったのは不思議で総じて歌手たちには賞賛を
贈りたい。
と同時に新国立の合唱団の一人ひとりの演技力と集団での合唱の確かさに
今更ながら大いに拍手を贈りたい。

オルミの指揮も淀みのない軽快な指揮と(上手サイドのピットがよく見える席でも
あったので)東フィルの頑張りも舞台と並行して楽しめた。
BRAVO! の★★★★★



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