[ARRIVEAL]~その2~


安定姿勢に入るとワインリストが配られる。そしてすぐ食事。もちろん前菜からである。しかし、気持ちのよいリクライニングシートで眠気に襲われた。『お食事はどうなさいますか?』『すいませんが、後で頂いてもいいですか?』『もちろんいいですよ』すぐに目を閉じた。

目が覚めたら機内は真っ暗で寒かった。カーテンの向こうでアテンダントがおしゃべりするのが聞こえる。ふと腕時計を見ると、なんと出発から9時間も経っていた。ディナーなどとっくに終わっていた。のどの渇きを感じ、水をもらおうと思ったらひじ置きにペットボトルが入っていた。もういたれりつくせりである。一気に半分ぐらい飲み干した。
さて、到着まであと4時間。もう寝ることは出来ない。なにか面白いTVは無いかなあと探すが、中国語と英語ばかり。仕方がないので「ロッキー」を見ることにした。もう何度も見た僕の好きな映画のひとつだが吹き替え無しで中国語の字幕では初めてだ。内容を知っているのでなんとか見れたが、わかったセリフは「Adrien!!」「I love you、Rocky!!」というラストシーンのみだったような気がする。(しかし、ほろりと涙が出てしまった)
その後、機内が明るくなり、窓の外にはアフリカの朝焼けが広がっていた。黒い地平線にオレンジの光が美しかった。僕の席は窓から遠く、2枚だけしか写真を撮る事が出来なかった。しかし、この迫力は写真には写らないだろう。
ヨハネスバーグ空港には、定刻より少しだけ早く【着陸】した。そこでまたも驚いた。着陸後に道路を走ってターミナルに向かうのだが、なかなか着かない。5分ぐらい走って停まったかな、と思ったらなんと滑走路を横切るために離陸の飛行機待ちなのだ。爆音を響かせ目の前をジャンボが離陸していった。結局停まったのは一回だけだが、滑走路は4~5本横切ったであろう。この広さは想像できない。滑走路が一本しかないのに【国際空港】などと名乗っているどこかの国は本当にいいのだろうか?結局、到着は定刻だった。朝の7時、初めて立ったアフリカの空気はひんやりしていた。もっと独特な匂いがするかと思ったが、特別なかった。あえて言うならば秋の草原の匂いだろうか。

入国は笑顔で「Good morning!」と言ったらあっさりOKだった。流れてきたトランクを持って出口に向かう。晴れて南アフリカに入国だ!と思ったら、一緒に来たメンバーのYさんが来ない。どうやら荷物をすべて開けられ、チェックされたらしい。別にやましい物は持っていないが、やはり疑われるとあまり気持ちのいいものではない。
ヨハネスバーグ空港は国際線と国内線が分かれている。日本で散々、『ココでは出口を出たら、左に曲がりずっとまっすぐ進め!ポーターがいるが悪いヤツもいるから無視して自分でカートを押して行くんだ!』と言われていたのでその通りにする。『俺が運ぼうか?』と数人に声をかけられたが断った。人々は笑顔で会話し、わずかに見えた街並みも美しい。【ヨハネは危険】と、日本で刷り込まれた僕のイメージは薄いものになりつつあった。10分ぐらいでDOMESTIC とかかれたターミナルに到着した。入り口の自動ドアの上に赤字で書かれた文字が目に入る。【ENTER AT OWN RISK】『入るのは自分の責任で』の訳で間違いないだろう。少し緊張した。

次はサウスアフリカン航空でダーバンに向かうのだが、出発までは約1時間半あった。チェックインを済ませ、ラウンジに入ると、ここでも広く清潔な空間が広がっていた。窓からは広大な空港の一部が見える。オレンジジュースをもらい、少しくつろぐ。トイレに行った時、シャワールームがある事に気がついた。しかしどれが使用中かわからない。『シャワール-ムを使いたいのだけれど・・・』『それならフロントに言ってタオルを借りればいいのよ』と、黒人の女の子はとても笑顔で教えてくれた。フロントはブロンドの女性がいた。「Excuse me,I'd like to use shower room・・・」と申し訳なさそうに言うと不機嫌そうにタオルをくれた。『あの~僕にはどの部屋が使っているか空いているのかわからないのだけれど』と聞くと『ドアを開けてみればいいじゃない』とあっさり答えた。なるほど、その手があったか・・・と妙に納得した。

空から見るダーバンは、美しい海と緑に囲まれた街だった。1時間のフライトでダーバン空港に到着した。空港にはラリーさんとデニスが迎えに来ていた。すぐに会社へ向かう。ACでのミーティングの途中で懐かしいヤツが現れた。ジュリアスである。4ヶ月ぶりの再会、がっちり握手をする。相変わらず舌足らずの英語で聞き取りにくいが、笑顔でわかったフリをしておいた。

ヨハネスバーグ空港の朝焼け


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