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June 30, 2018
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カテゴリ: カテゴリ未分類
コスモスの大先輩、山口昭子さんの「昭和挽歌」を読み終わった。

お謡いの「吉野天人」を、ベージュの地に白字であしらった、おしゃれなカバー。
昭子さんが指定されたのだろうか。
さすが、「短歌を詠むには、短歌以外にも趣味を持つと、歌が深まる」と教えてくださった山口さんの歌集の雰囲気をまず味合わせてくれる好ましい装丁で、そういうところも、おそらく他人任せにはなさらなかったであろう本の制作過程がうかがわれた。

いろいろ書きたいことがあるが、それは作者にお送りしたので、ここでは、私が好きな20首を抽出して、感想とするが、中でも一番好きだったのは、

刻まれしブルーの星を飲むやうに江戸切子にて冷酒いただく

ここにも人生の達人がいらしたとかんじさせられる、おしゃれな一首だと思った。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

山口昭子歌集『昭和挽歌』より 二十首選        

釦彫る無想の時間窓の外を桜花びらきらめきて降る  

血の中に栄養がしみてゆく如きおいしい歌にあひし幸せ  

昼灯しさいさいと釦彫る室の玻璃鳴らし過ぐ雪を呼ぶ風   

老い屈み歩めぬ姑が遺したる白足袋百足真新しきを  

乾きても夫のにほひの残りゐる木綿のシャツをぱしぱし畳む  

十六夜の月の光が座り居りわたしのゐない仕事場の椅子

はなびらを綴りし如く自在なり片仮名書きの世阿弥直筆本 

つきつめてもの思ふときいつかわれ眼鏡を外し透明になる  

刻まれしブルーの星を飲むやうに江戸切子にて冷酒いただく

あめつちを繋ぐがごとし金色の同じ速度に降りくる銀杏     

ぎいーつと八十歳の身を起こし旨き朝餉を夫につくらむ  

粗大ゴミに出すべく磨く彫刻機油注しありがたうのリボンを結ぶ  

残されし時間しつかり歩くため人工関節手術を受けむ   

転倒留意体重維持杖使用療養計画書もらひ退院す  

金星が三日月の環(わ)に近づきて言交はしたりあたり煌めく 

点滴も薬も拒否し水のみの自然死えらびし夫を諾はむ  

東京の底ひを走る大江戸線ゆく先は杳き過去かもしれず

「運命」の最終楽章終りさうで終らぬひくき弦のたゆたひ  

萩焼の手づれの茶碗に茶を供ふささいなことで喧嘩もしました 

独りして生きてゆけるかと笑みうかべ病む夫問ひき暑き夏の日





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最終更新日  June 30, 2018 12:25:18 AM
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