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2011年05月20日
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カテゴリ: 読み物
リオです。

花金ですよ!
みなさんアフターファイブはいかがお過ごしでしょうか。
私はやっぱり仕事でした。
そんなもんですよねー。

明日も仕事ですが、心は折れないようにリオはがんばりますよー。


「ワインビター・トマトスウィート」

 カナコが玄関を開けるとそこにはユキのいう野良犬、がひとなつっこそうな顔で立っていた。
 名前は「太一」。
 カナコの元彼。
「よっ。ワイン持ってきた」
「今日来るなんて言ってなかったじゃない」
「昨日メールしたよ?」
 今度遊びにいくよ、とだけ書かれたメールは確かに受け取った。でも、いつとは書いてなかった。
 ため息をつくと太一をリビングに案内した。
「相変わらず片付けだけはマメにしてるみたいだな。お腹空いてるんだけど、なにか食べさせてよ。久々にカナコのうまい飯が食べたいな」
 太一の『相変わらず』の子供っぽい笑顔にカナコの眉間に皺がよった。
「はぁ。わかったわよ。ありあわせだから文句言わないでよ」
「そう言っても必ずすげえもん作るよな」
「プレッシャーかけないでよ」
 そんなつもりはないんだけど、と申し訳なさそうな顔で太一はテーブルの上を片付け始めた。

 ……困ったな。
 つまみにしようとしてたドライトマトぐらいしかないんだけど。
 しょうがない、スパゲティにしよう。
 そのまま炒めれば終わりだし……

 気付けにカナコは飲みかけていた缶ビールを飲み干す。
「よしっ」
 オリーブオイルに漬けておいたドライトマトをトマトの戻し汁と一緒に炒め、バジルを振る。そこに茹で上がったスパゲティを加えて絡めた。
 湯気の上がるスパゲティを紺に縁取りされた白い皿に盛ってリビングに持っていった。
「早いな! さすがカナコ」
「あんたお腹空いているデショ。あと一分遅かったら『まだー』って言ってたわ」
「そんな我慢できない男じゃないぜ」
 そう言う太一の顔がカナコには子供のように見えた。
「ほら、ワイン開けるよ」
 太一がオープナーでボトルのコルクを抜き、グラスに注ぐ。
 グラスに鼻を近づけ香りを確かめるカナコ。
「香りは悪くないわね」
「しっかり選んできたんだよ。ほら、乾杯」
「乾杯」
 深い葡萄色のワインをゆっくりと飲む。
 思ったより渋みが強く、重みのある味だった。
「やだ。おいしいじゃない」
「へっへっへ。言っただろー。よし、次はカナコのパスタだね。あれ、ちょっと麺細い?」
「フェデリーニって言うのよ。ソースがよく絡むの」
『いただきまーす』
 二人の声が重なった。
 フォークでくるりくるりと麺を集め、太一が流暢に食べている。
 いつか見た風景だった。
 何を思い出してるんだカナコ、と思い出を振り払って自分もスパゲティを頬張った。
 バジルの香りではっきりとしたトマトの風味が口中に広がった。
 細麺のフェデリーニにソースがよく絡み、たっぷりとした食べ応えを感じる。
 ドライトマトとオリーブオイルから滲み出る甘味はどこまでもカナコの味覚を満たしてくれた。
 続いてワインを飲むと、その強い渋味がトマトに良く合う。
「やっぱ、カナコの飯はおいしいなあ」
「もっと美味しいモノ食べさせてもらってるでしょ」
「エリカは料理下手なんだよ。っつーか、カナコが上手すぎだと思う」
 男は胃袋で掴めっていうのは迷信だ、とカナコは思った。
「フツーよ。で、今日はなんできたの」
「出張、近くまできてたんだよ」
「食べ終わったら帰りなさいよ。ホテル取ってあるんでしょ」
 食ったらね、と言いながら太一は冷蔵庫からビールを持ってきた。
「でさ、エリカが一緒に住もうって言ってるんだけど」
「はぁあ? ここに来てノロケとか勘弁してよ」
「いや、いや違うんだよ。でさ……」
 そして時間は過ぎ、ボトルを空けていく間に、時計はぐるぐると回る。
 空が白んできたころ、太一がふらつきながら立ち上がった。
「うぉし、帰るかあ」
「帰れー」
 玄関で向き合う二人。
「んじゃ、ご馳走さまカナコ。また腹減ったら寄るわ」
「こっちこそワインご馳走様。あと、もうくんな」
 二人いつかのように笑い、玄関が閉じられる。
 辺りが急に静かになった違和感を感じた。
「さーって、土曜日。おもいっきり寝るかあ!」
 カナコは自分に言い聞かせるように口にすると、リビングへ戻り寝る準備を始めた。


「ワインビター・トマトスウィート」 end.



ドライトマト・50g



オリーブオイル・230g





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最終更新日  2011年05月21日 15時47分26秒
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