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にゃんでんかんでん
著者名 な行
裁判官の爆笑お言葉集(長嶺超輝)
裁判官は無味乾燥な判決文を読み上げるだけと思っていたら大間違い。1件でも多く判決を出すことが評価される世界で、出世も顧みず語り始める裁判官がいる。本書は法廷での個性あふれる肉声を集めた本邦初の語録集。
全く「爆笑」できませんでした。真面目な裁判官の真面目なお言葉(たまに本音がチラリ)なのですから当たり前ですよね~。ただ、コラムは勉強になりますし、TVなどで騒がれた裁判の話題は興味を持って読めました。(2007/6/30)
Death note another note ロサンゼルスBB連続殺人事件(西尾維新)
あなたはLの伝説を見る。2002年7月から8月にかけて起きた「ロサンゼルスBB連続殺人事件」。FBIも動かなかったこの事件に、Lはどうして動いたのか。そしてFBIを停職中だった南空ナオミに、なぜ協力の依頼を?誰も知らない、もうひとつの物語。「週刊少年ジャンプ」で大人気を博した、予測不可能なサスペンス漫画が待望のノベライズ。原作の大場つぐみ・小畑健が熱望したコラボレーション、西尾維新が描く完全オリジナルストーリー。
マンガも映画も読んだ事、見た事がなかったので、Lとか、キラとか、さ~~っぱりわからなかったのですが、楽しめました。全て『B』に結び付けていく上でかなり強引な感じもうけましたが、よく考えられていて最後にきちんとサプライズも用意されています。一気に読めました。『Death note』も見てみたくなりました。(2006/11/22)
←DEATH NOTE 1 DVD
←1~12巻 コミック
←13巻 コミック + 収納ボックス
ゆれる(西川美和)
東京でカメラマンとして活躍する弟。実家で家業と父親の世話に明け暮れる兄。対照的な2人は互いを尊敬していたが…。ある吊り橋で起こった事件をきっかけに生じた、兄弟の葛藤を描く話題作。監督デビュー作『蛇イチゴ』で映画賞を総ナメにした俊英・西川美和が4年ぶりに挑んだ完全オリジナル作品を、自らが小説化。
全体的にもの哀しい雰囲気の作品。兄弟だからわかっているつもりでいた。しかし本当の事は何も見えてはいなかったと気づいた。そのとき・・・主人公の『怯え』にも似た気持が、伝わってきて何ともいえない寒さを感じました。それぞれの登場人物が語るという形で人の心の奥底の複雑さ、怖さまで見せられた感じです。
映画をぜひ見てみたいです。ただ上映館がかなり限定されていますのでDVD発売を待ちましょうか。(2006/11/18)
←発売日:2007.2.23
悪党たちは千里を走る(貫井徳郎)
いたいけな子どもをさらって、親を脅迫する…。真面目に生きることが嫌になった3人が企てる、「人道的かつ絶対安全な」誘拐とは。『慟哭』の著者がユーモアとスピードたっぷりに贈る、誘拐ミステリの新境地。
冴えない詐欺師が誘拐を企てたらとんでもない事になってしまい・・・。とっても楽しい話でした。最後はかっこよく終わってそれに温かい気持ちにもなれる。なかなか良かったです。(2006/3/7)
空白の叫び 上・下(貫井徳郎)
頭脳、容姿、経済、すべてに恵まれながらガンプラ作り以外に熱中しない葛城拓馬、腕力に秀で他者の干渉を拒む久藤美也、父を知らず祖母と叔母に育てられたおとなしい神原尚彦。世の中への違和感を抱える彼らは、何を思い、どんな行動に出るのか…。やがて殺人者になる3人の中学生の心の軌跡を少年の視点から克明に辿りながら描く、そして彼らが少年院で出会った時、新たな運命が動き出す。戦慄のクライム・ノベル。(上巻)
殺人者となった少年は更生できるのか。後悔はしていない。罪を償ったとも思っていない―少年院を退院した久藤、葛城、神原。彼らはそれぞれ自分の生活を取り戻そうとするが、周囲の目は冷たく、徐々に行き場をなくしていく。そして…。少年犯罪を少年の視点から描いた、新機軸ミステリー。(下巻)
暗く重たい話でした。しかし3人の少年達が何を思い、どうして人を殺してしまったのか、その過程が丁寧に描かれていて 物語に一気に引きこまれました。つづいて少年院の中での出来事。しごき、体罰、そして陰湿ないじめ。本当であってはいけない事だと思いますが、この本を読んで『そんなに悲惨な少年院ならごめんだ。』と軽々しく罪を犯すような少年が減ってほしいと思いました。その後 卒院した3人を待ち受けていてのはむき出しの敵意。果たしてこれほどまでに敵意を向けてくるのは一体誰なのかと、あっという間に読みきってしまいました。この本を読んで一番感じたことは、たとえ少年であっても罪を犯せば罰が必要だという事。罰を受けて罪を償ってからでなければ、更生などありえないのではないか。そうでなければ世間もそして犯罪を犯した少年自身も自分を許す事が出来ず、身の置き場をなくし、そしてまた新たな犯罪に走る者すら出てくるのでは。などと いろいろと考えさせられました。(2007/1/19)
愚行録(貫井徳郎)
一家を惨殺した「怪物」はどこに潜んでいたのか。複数のエピソードを通して浮かび上がる、人間たちの愚行のカタログ。痛烈にして哀切、「慟哭」「プリズム」の著者が放つ新たなる傑作。
冒頭に載っている幼児虐待に関する新聞記事。一家四人の惨殺事件に関する証言の数々。そして途中途中にはさまれる虐待を受けて育った兄妹の会話。どうつながっていくのだろうと、ぐいぐいひきこまれてしまいました。特にインタビュー形式で明かされる数々のエピソードを通して被害者夫婦の過去が垣間見えてくるのですが、語り手によっての印象が大きく異なっており、中には明らかに妬みや恨みといった感情を持ったものもいて、ドキドキさせられました。ラストで明かされる真相は、哀れでさえありました。面白いという言葉は不謹慎な気がしますので、凄い作品 とでも言わせて下さい。(2006/6/13)
殺人症候群(貫井徳郎)
愛する人を殺されても泣き寝入りするしかないのか、復讐は悪なのか…。警視庁内には、捜査課が表立って動けない事件を処理する特殊チームが存在した。そのリーダーである環敬吾は、部下の原田柾一郎、武藤隆、倉持真栄に一見無関係と見える複数の殺人事件の繋がりを探るように命じる。だが倉持はその依頼を断った。一方看護婦の和子は、事故に見せかけて若者の命を次々に奪っていた。息子の命を救うために。罪はなぜ正当に裁かれないのか。自らの手で悪を裁くのは許されない行為なのか。「大切な人を殺した相手に復讐するのは悪か?」「この世の正義とは何か?」という大きなテーマと抜群のエンターテインメント性を融合させた怒涛のノンストップ1100枚。
自分なら、と考えました。もしも愛する人を無残にも殺され、その加害者が精神の病気や未成年だからというだけで たいした刑も与えられず、のうのうと生きていられたら・・・。絶対許せませんし、復讐をしたいと考えるはずです。しかし・・・考えることと、実際に復讐のためとはいえ、その加害者を手に掛ける事には大きな隔たりがあって、自分も地獄に落ちる覚悟がいるんだという事。かなり重い話でした。(2006/7/13)
慟哭(貫井徳郎)
痛ましい幼女誘拐事件の続発。難航する捜査。サイドストーリーに、黒魔術を狂信する新興宗教の生態や現代の家族愛を鮮烈に描きつつ、人間内奥の悲痛な叫びを抽出した貫井徳郎氏のデヴュー作。幼女連続殺人に新興宗教を絡めた、きわめて現代的な内容。
連続幼女誘拐殺人事件の犯人と思われる人物と事件を捜査する捜査一課長の二つのストーリが交互に進められていくミステリー。『愚行録』を読んですぐだったためにオチがわかってしまったのが残念だったのですが、それでも「さすが!」と思わせる作品でした。宗教にのめり込んでいく男がいつしか狂気に変わっていく様も見事に描かれています。哀しい話でした。(2006/6/19)
←文庫版
プリズム(貫井徳郎)
小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。ガラス切りを使って外された窓の鍵、睡眠薬が混入された箱詰めのチョコレート。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが…『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んだ衝撃の問題作。究極の推理ゲーム。幾重にも繰り返される仮説の構築と崩壊。一筋の推理の光が屈折・分散し、到達するところには―実験的アンチ本格ミステリ。
一つの殺人事件に対して被害者にかかわる4人の登場人物が語り手となってそれぞれ推理を展開していく話。それぞれに納得のいく結論が得られるのですが、次の章で語り手が変わると、前章の推理がくつがえされ・・・。人間の多面性も浮き彫りにされます。最終的には 「結局 誰が犯人なの~!?」と叫びたくなる話なのですが面白いです。(2006/6/24)
ミハスの落日(貫井徳郎)
一面識もない財界実力者からの呼び出し。年老いた紳士は、ある事件について語り始めた。母が関わっていたとされる30年以上も昔の、信じがたい密室殺人の真相を…。5つの都市に谺する人間の性と業を描く。ミハスの落日 ストックホルムの埋み火 サンフランシスコの深い闇 ジャカルタの黎明 カイロの残照 の全5編。
どの話も隠された真実が最後に明るみになるというもの。話自体は面白かったです。だが、舞台がどれも海外。登場人物も外人。場所や物や人を理解しながら読むのが煩わしかったです。別に外国ものにする必要はないと思うのですが・・・。(2007/7/20)
鏡の法則-人生のどんな問題も解決する魔法のルール-(野口嘉則)
息子のいじめに悩んでいた主婦に、経営コンサルタントの矢口氏が告げた言葉は、『あなたが大事なお子さんを人から責められて悩んでいるということは、あなたが、誰か感謝すべき人に感謝せずに、その人を責めて生きているからなんです』。読んだ人の9割が涙した、ネットで爆発的に広まっている愛と感動の真実のストーリー。悩みを解消し、運を開くヒントがここに。
主人公が自分の父親を許して感謝して・・・。それ自体は良いことだと思いますし、父親と電話で話す場面は感動的ではあるのですが、それがどうして息子のいじめ問題の即解決につながるのか、甚だ疑問です。『人生のどんな問題も解決する』というのも信じられません。(2006/10/16)
この世の果て(野島伸司)
「まりあ、僕は君を失うことで君を取り戻したんだ。僕は過去のすべてを失い、これからのすべてを君に差し出すだろう」。自殺、放火、レイプ、覚醒剤中毒…様々な都会の絶望の果てに結び合った男と女。愛する者のために、人はどこまで自らを犠牲にできるのか。野島伸司が描く「極限の愛」の体験。衝撃的な結末も話題を呼んだ1994年の名作ドラマを小説化。
野島伸司氏のドラマは好きでよく見ました。この『この世の果て』は見た覚えがなかったので読んでみました。ラストもハッピーエンドとはいえず、野島氏らしい、ちょっと重い話です。・・・でも野島ドラマは好きだ~~。またテレビで見たいと思います。(2007/5/14)
風の墓碑銘(エピタフ)(乃南アサ)
東京・下町の解体工事現場から白骨死体が3つ。そして、大家である徘徊老人の撲殺事件。貴子の脳裡で、ある「笑顔」がこの事件を結びつけた…。中年刑事・滝沢保と、女性刑事・音道貴子の名コンビ復活、長編警察小説。
面白かった!事件そのものも いくつもの事件が絡み合っていて それをほどいて1本の線にしていくあたりも実に巧いですし、貴子と滝沢のギクシャクした関係が少しずつ変化していく様(シリーズ化しています)、貴子と同僚の女性鑑識官・薮内奈苗とのお互いの彼氏に対する気持ち(どちらも自分の彼の方が上だと思いたい)など、貴子の女性らしい心模様なども実によく描かれています。長編なのにちっとも飽きさせる事が無くあっという間に読了です。またこのコンビでの小説を書いて欲しいと思います。(2006/12/2)
5年目の魔女(乃南アサ)
先輩の夫である上司の新田と親友の貴世美が不倫。友達だった景子は巻き込まれ退職を余儀なくされた。景子は新田と貴世美との不倫を知らされた瞬間、奇妙な不安を覚えていた。親友ながら貴世美には得体の知れない“恐さ”があったのだ。案の定、関係を持った妻帯者の上司を狂わせ、新田は離婚後、悲惨な事故で亡くなってしまう。それから5年、景子は着実に自分の道を歩きながらも、未だに貴世美の記憶に捉われている。ケジメをつける為に彼女は貴世美の消息を調べ始めるが、あるとき、どこからともなく、3回鳴って切れる無言電話がかかりはじめる。それで景子は1つの歌を思い出した…。3回コールの後に切れる不気味な電話。この電話は…。艶やかで奔放、計算高く身勝手。魔性を秘めた女、貴世美!?女という性の持つ深い闇を暴く長編心理サスペンス。
いくら先輩の夫と親友の不倫にまきこまれる形で退職に追い込まれ、それが故に二人との距離を置いたとしても、二人に恨まれる筋合いはないのだし、5年が経った今でも貴世美の影に怯えるなんて・・・と疑問を感じながら読みました。景子こそノイローゼなのではないか?とも。そして意外な結末が。追い詰められる景子の心理描写が上手く、うすら怖い話でした。(2006/3/17)
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