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2011.07.10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ベルデさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。コメント欄は800文字という制限があるので、日記のほうで回答したいと思います。まず、最初に誤解の無いようにお断りをさせていただきますが、私の意見が福島県民、福島市民の総意でもないし、私が知っている範囲での様子などであるということ(もちろん異論もあるだろうし、現実と必ずしも同じとは限らないこと)をご了承ください。

ご質問のいくつかについて、私が認識していることを書いてみます。

>福島県の方は自らの知見で事実を把握し、
>その上で県外の人間ほど事態を深刻に見ていないのではないかという印象です。

原発事故後福島県を中心にして広域に放射性物質が飛散し、各地域で通常よりも高い放射線量が計測されているという事実があります。事故直後の避難地域と指定された町村(双葉町や大熊町など)はもとより、原発の北西に位置する市町村(浪江町、飯舘村、川俣町、伊達市、福島市など)は当時の風向きなどにより高い放射線量と汚染が確認されています。これは新聞などでも年間の積算放射線量の予測図が公開されていますので確認できると思いますが、避難区域で高いところだと年間100ミリSvを越える放射線量となります。川俣町や伊達市、福島市などは部分的に年間20ミリSvを越える恐れがある地域があり、それらの地区は計画的避難区域や避難勧奨地点という形で避難指示が出されています。

私は福島市の渡利という地区に住んでいます。自宅の外は毎時2~4μSv、屋内は0.7~1.2μSvという線量を計測しました。年間に換算すると10~18ミリSv程度の放射線量になります。福島市内でも放射線量の高い地域です。 しかし福島市内全域が同じような放射線量ではありません。市街地はこの半分程度(屋外1~1.5)、福島市の西部に行くと1/4程度(0.3~0.6)の場所もあります。伊達市も北部は0.5~0.8程度、福島県が4月末に県内を細かく調査した結果や、各市町村で独自に線量を調査した結果、個人で線量計を入手し(私もそうですが)測定した結果をブログなどで掲載していることから、汚染の実態が明らかになってきています。

明らかに通常とは違う放射線量に対して、福島市に住む大多数の人は、放射線の影響について今まで以上に情報収集していることは間違いありません。そしてここから意見が分かれるのですが、事故後1週間ほどして、放射線健康リスクアドバイザーとして長崎大学の山下氏がテレビ、ラジオ、講演会、市政だよりなどで「年間100ミリSv以下は安全です、心配要りません」と言いまわりました。飯舘村で毎時10μSvを越えていても、福島市で10μSv程度であっても「全く問題ありません」と言い、ラジオでもアナウンサーが「レントゲン検査1回パシャッとやって50μSvですから・・・」と安全安心問題ないを連呼していました。 たしかに急性障害が発生するようなレベルの放射線量ではないですから、「ただちに影響はない」に間違いありません。 福島県に居ながら県外の人ほど深刻に考えていない理由の一つになるかと思います。(心配ないといっていた飯舘村が、講演の翌日に計画的避難区域になったため、山下氏の評価が急転直下したのですが)

それから文部科学省が年間20ミリSvという学校における暫定基準がもう一つの問題を引き起こしました。平常時は年間1ミリ、避難準備区域の基準が10ミリ、計画的避難区域の基準が20ミリ、そして大人だけではなく子供も幼児も年間20ミリ、毎時に換算すると屋内は低いから?3.8μSvという基準は子供への影響を心配する親には到底信じられない設定でした。 私も含め、福島市内からも子供を避難させている人、避難させるべきと声を上げている人の多くは、この基準の運用と政府に対する不信によるものが大きいと思います。(この基準と山下氏の100ミリは何の関連性もないのですが、それを混同している状況もあるようです)

一方、上記のアドバイザーが掲げる年間100ミリSvという数値は、確かに科学的根拠として100ミリSv以下の癌発生率が上がるというデータは見当たらないのです。放射線は遺伝子に影響を与えるというけれど、奇形や遺伝子異常の明らかな臨床データが見当たりません。なぜなら今回のような事故はチェルノブイリ事故くらいで、科学的根拠としては広島長崎の原爆による被曝データなどしか参考になりません。チェルノブイリ事故のデータもさまざまな方面でセンセーショナルに報道されていたりしますが、確証を持って信じられるものが少なすぎる(怪しすぎる)という捉え方もあります。 また、急性の放射性障害に対しては確かに「心配ない」ことは事実です。

 一部のメディアで「福島市内に毎時100μSvを越えるホットスポットが・・・」という記事がありましたが、雨樋や吹き溜まりなど、広い面積に飛散した放射性物質が集まってくる点の測定値であって、それがあたかも福島市内全域が100μSvのような扱いをしていますので、これを信じる福島市民は少ないし、逆に「危険を煽るだけ」と思われているのではないでしょうか。

晩発生の影響については、正直なところ誰もわからない。(山下氏にだってわからないはず)分からないし、科学的見地、医学的見地でもそれぞれ専門家がそれぞれの理論で危険、安全を論じていますが、誰が正しくて誰が間違っているかは現時点で判断することはできません。そういった多くの意見や理論があることも福島県民は他の県外地域より情報として収集し判断要素としてもっていると思います。 また、平常時(0.04μSv程度)と比べれば20倍以上(1μSvとした場合)の放射線量も、ラジウム、ラドン温泉などでは0.5~1μSv以上の場合もあるし、世界を見てみると、年間10ミリSvを越える地域もある。それらの地域で発ガン率や異常が発生する可能性が高いという報告はありません。

そして何よりも、福島市、郡山市といった福島県中通りの地方都市は、地震の大きな影響もなかったため、企業活動も交通機関も学校も普通に再開しているのです。「平常時」と変わらなくなっているのです。異常値なのは放射線量だけです。 見た目が不通だから「平常時」なのか? 平常時だから深刻に考えていないのか? その感覚は微妙ですが、少なくとも「ただちに影響はない」と多くの人が認識しているのは事実です。

>放っておいて欲しいと言うスタンスの方が少なくないので、
>県内から大規模な声が上がらないのは当然だろうし、
>声を上げてくれというのも実は余計なお世話なのか?と分からなくなっています。

避難についての考え方は、正直言って難しい問題です。 例えば福島市全域が避難できる場所と体制があって、国が全てを補償してくれるというのであれば福島市民全員が避難したいでしょう。 それでも福島市民の幾人かは避難しない(避難できない)でしょう。

ここからは個別の案件になりますが、福島(市、周辺)は元々農業を生業にしていた人が多く、先祖代々の土地に住む人は簡単にその土地を離れることはできません。ましてや高齢者は土地に対する思いが強いでしょう(そのため避難するリスクのほうが高いといえます)先祖代々ではなくとも持ち家率が高いはずです。そういった人達は夫婦共働きでローンを返済しているでしょうから、経済活動が通常通りとなっているところから避難するにもリスクが高すぎるでしょう。 また、田舎ならではの地域コミュニケーションと風土的なことを考えても、「うちだけ」単独行動しにくい環境があり、他の地域に溶け込めるかという不安もつきまといます。(実際、関東方面に避難した子供たちがいじめに遭う事件や、「福島」「いわき」ナンバーの車が嫌がらせを受けたこともありましたよね?それがごく一部であったとしても避難のリスクとして捉えてしまいます)

子供を持つ親は深刻です。子供に対する放射線の影響は未知数で、チェルノブイリ事故でも子供の影響が大きく取り沙汰されています。 「子供だけでも避難して」という声、「子供だけでも避難させたい」という声、郡山市では集団避難(疎開)という訴訟も起きました。 親心の現れの一つかと思います。しかし、上記に書いた「避難のリスク」もあることを認識して欲しいのです。 社会生活から学校生活だけを切り離して考えることは難しいでしょう。

 これらを福島の親は自己判断し行動するか、家族で相談し悩みもがいています。「避難はしない」という決断もひとつのリスク回避方法であるということもご理解ください。 本当に影響があるかどうか誰も答えを持っていないのです。

もうすぐ夏休み。この夏休み期間中だけでも福島から脱出したいと思う親はたくさんいます。それに対して支援してくれる活動もたくさんあります。ありがたいことです。夏休みを機に福島市から離れるという話もちらほら聞きます。

最後にもうひとつ。福島市民(東北の地域全体?)の地域性かもしれませんが、「我慢強い、他人を思いやる気持ちが強い」のかもしれません。 福島市には南相馬、浪江、双葉といった津波被害や原発事故で避難して来ている人の仮設住宅も建設されています。川俣や飯舘村の計画的避難区域からの避難者もいます。 自分たちより被害が大きい人たちよりも自分たちが甘えていいのか?(放射線に甘えも何もないような気はしますが)そういう風潮も一部にあります。 私が福島市役所に学校の除染に関しての要望を提出した際、教育次長が「集めた放射性物質を原発に持っていくわけにもいかない。原発の近くに住んでいる人の気持ちを考えるとそれはできない」と発言したのですが、それが福島市が大きな声を上げない理由の一つになるかもしれません。

福島県は地震・津波と原発事故で苦しんでいますが、宮城、岩手、茨城、青森もまた津波からの復旧が進まず苦しんでいます。原発原発と声を上げることが他の地域にくらべて「甘え」だとは思いませんが、それぞれの地域で、地域を離れずに避難所で暮らしている、自宅を離れずにいる理由があるのです。 他の地域から見ると「馬鹿じゃないの」と思われるかもしれません、しかし簡単に離れられない理由は無数にあるのです。





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Last updated  2011.07.10 08:39:36
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