花束の贈り物


母子おかりな



 《花束の贈り物》


 大阪読売新聞のPR誌、『読売ファミリー』の主催で、美しい日本庭園で
有名な大阪の太閤園でコンサートをしていただいた時のエピソードです。
岐阜の方から、太閤園の中にある花屋さんを通して、花束をいただきました。
通常は花屋さんから届けられた花束を、置いておく場所に並べられている
のですが、いよいよ花束贈呈の時に、黒い、しかし適度に華やかなスーツを
おしゃれに着こなした、そこはかとなく気品のにじみ出た感じの女性が、
「岐阜のAさんからです。」とおっしゃって、手渡してくださったのです!

私は最初は、太閤園のスタッフのおひとりかな?と思ったのですが、
どうも花屋さんのスタッフのようです。花屋さんといえば、精一杯の
おしゃれでも、素敵な前掛けをした女性、というイメージしか持ち合わせて
いない私には、目の前に花束を抱えて現れた女性が、花屋さんのスタッフと
認識するには、少しばかりの時間が必要でした。

医療福祉に携わるひとりとして、私はこの花屋さんの出前スタッフの方から、
本当に大切なものを教わったような気がします。
その場に似合った、自然ににじみ出る敬意と気品は、真似の出来るもの
ではなく、常日頃から培って、身に付くものなのでしょうね。



おかりなたち




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